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もてぎ7時間耐久レース! 決勝レース編

 上/決勝前のブリーフィングに参加する吉井さん(写真左)、木村さん(写真中央)、行田さん(写真右)。このブリーフィングもコース上で行われるため、持参したイスに座りリラックスしながら参加する。左下/決勝レースが始まる前は笑顔でも緊張感が伝わってくるようだ。右下/“KTM-NAKANO & G—TRIBE”のライダーとチームクルー全員が揃ったところで集合写真。右から2番目が、監督を務めた渡辺さん。そう、実は監督も女性だったのです!

4時間耐久の決勝へ向けて    
いよいよカウントダウン!

  無事に予選を終了したマシンは、“KTM-NAKANO & G—TRIBE”のスタッフにより、消耗部品を中心に交換や点検が手際良く行われていく。前後タイヤやブレーキパッド、エンジンオイル交換は当たり前、予選を走る前と同じ最良なコンディションにマシンを戻すことが命題だ。また、欲を言えば予選で走ったライダーの意見を取り入れてマシンの状態をさらに最適化することも決勝を戦ううえで重要なポイントにもなってくる。

  その頃、吉井花奈さん、行田淳子さん、木村亜美さんらライダー3名とチーム監督の渡辺さんは、4時間の決勝レースでの走行順と各ライダーの走行時間の配分を決めていた。今回の決勝レースでは、チェッカーを受ける前に日没となり、もて耐史上初めての夜間走行が行われることも考慮しなければならない。

 左/第1ライダーの吉井さんが、ピットロードからコースイン。コースを1周してスタートグリッドに着く。右上/コースイン前、少しでも暑さに体力を奪われないようにピットクルーがパラソルで日陰を作る。右中/ピットロードでスタンバイするマシンにもパラソルで日陰を作る。これは、タンク内のガソリンの温度上昇を少しでも防ぐための配慮。#61は、Gトライブからエントリーしているマシンでピットを共用していたのだ。右下/緊張した面持ちでピットアウトする吉井さん。これから4時間耐久レースの戦いが始まる。

  最初に決めなければならないのはスタートライダーとチェッカーを受けるライダー。もて耐は、耐久レースの見せ場のひとつでもある“ル・マン式スタート”だ。この“ル・マン式スタート”とは、ピット側のグリッドに並べられたマシンまで、コースの反対側にスタンバイしているライダーが走り寄りエンジンを始動してスタートをする方法。このため、足をケガしている木村さんを除く二人から選ばなくてはならない。いろいろと話し合いが行われた結果、スタートライダーは60分を走ることとなっていたため体力に自信のある吉井さんに決定。その後、行田さん、木村さんが走り、第4スティントでは再び吉井さん、そして最終スティントでチェッカーを受けるのは行田さんに決まった。予選で悪化してしまった木村さんの足を気遣って、木村さんの走行を1回だけとしたことはお互いを思い合うチームワークの良さの現れだ。

ここで、スタート前に決定した走行順と走行時間配分を整理しておきたい。

  • 第1スティント 吉井花奈さん/走行時間60分
  • 第2スティント 行田淳子さん/走行時間45分
  • 第3スティント 木村亜美さん/走行時間45分
  • 第4スティント 吉井花奈さん/走行時間45分
  • 第5スティント 行田淳子さん/走行時間45分

※給油のタイミングは4回で、ライダーチェンジごとに行う予定

スタート進行開始、    
いよいよスタート!

  スタート進行が始まろうとしていた直前に、木村さんから予想外の申し出があった。「思ったよりも足の状態が悪くなってる…」と。そこで急遽、走行時間の配分を変更することとなった。走行順は変わらないのだが、木村さんの走行時間を15分短縮して当初予定の45分走行から30分走行へ変更。第1スティント以外の吉井さんと行田さんの走行時間を当初予定の45分から50分へ5分ずつ振り分けて延長することとなった。吉井さんと行田さんへの負担が増えることになるが、ここでもオートバイレースビギナーでもある木村さんへ対する二人の優しさとチーム力を見ることができた。

変更された走行順と走行時間配分は以下のようになる。

  • 第1スティント 吉井花奈さん/走行時間60分
  • 第2スティント 行田淳子さん/走行時間50分
  • 第3スティント 木村亜美さん/走行時間30分
  • 第4スティント 吉井花奈さん/走行時間50分
  • 第5スティント 行田淳子さん/走行時間50分

※給油のタイミングは4回で、ライダーチェンジごとに行う予定

 左/コースを1周してグリッドにマシンを停め、渡辺監督(写真右)とチェアに座りリラックスする吉井さん。真夏の太陽が一番熱く照りつける時間帯であるだけに、パラソルで日掛けを作りライダーを保護する。さらに身体を出来る限り冷やすために、氷代わりに凍らせたスポーツドリンクで身体を冷却する。右/57番グリッドにスタンバイしたRC250。マシンにはスタンドが装着されていないため、スタートまでチームクルーがマシンを支えている。

  スタート進行の時間が迫ると、準備万端のマシンをピットに並べ、スタートライダーの吉井さんが緊張した面持ちでヘルメットを被る。コースオープンと同時に、参加マシンがピットからコースへ飛び出していく。全車がコースインしたタイミングで、リヤスタンドやチェア、パラソルや保冷剤などを持ってスタッフと共に行田さんと木村さんもグリッドへ向かう。グリッドは57番だ。

  ゆっくりとコースを1周走り、吉井さんがグリッドに到着。マシンをグリッドに並べたら暫くのインターバルがあるため、スタートライダーの吉井さんにはチェアに座ってもらいドリンクを手渡し水分補給。さらにパラソルで日陰を作り、暑さで体力が少しでも奪われないように保冷剤を使って体力を温存してもらう。

 左/#50の同じRC250を従えて快走する吉井さん。“同じマシンには負けたく無い”という気迫が伝わってくるようだ。右/ストレートでは出来る限り伏せることで、空気抵抗を減らしてトップスピードを稼ぎ、さらに燃費向上にも繋げる。

  もて耐のスタートは、スタート直後の混乱やアクシデントをなるべく避けるため2回に分けて行われている。このため、グリッドの上位からの半数とそれ以降の半数が時間差でスタートする。“KTM-NAKANO & G—TRIBE”チームは、57番グリットのため、2回目のスタートがレーススタートとなる。
  最初のスタートは大きなアクシデントも無く、順調にレースが進行していく。そして、いよいよ“KTM-NAKANO & G—TRIBE”チームのスタートが迫る! 2回目のカウントダウンが始まり、「ゼロ!」の声と同時に、ライダーたちはコースを横断してマシンまでダッシュ! マシンに跨がりエンジンスタートして、ついにもて耐が始まった。のだが、吉井さんはツナギにエアバッグを装着しているため、マシンに跨がると同時にマシンを支えていたスタッフがマシンに装着されていたエアバッグ用のワイヤーを吉井さんのツナギに繋ぎチームスタッフの合図でクラッチミート、落ち着いたスタートで“KTM-NAKANO & G—TRIBE”の“もて耐”挑戦が始まった。

  スタートから60分を走りきりピットに戻って来た吉井さん。スタッフが素早くリヤスタンドを掛け、ツナギのエアバッグを繋ぐワイヤーを引き抜き、降車する。

  ガソリン補給は5リットルの携行缶を使って行われる。ガソリン補給中は、他のスタッフが消化器を持ち、万が一の火災事故に備える。給油時のピットストップ時間は2分間(ST—RCクラス)とされているため慌てる必要は無い。

  スタートライダーの吉井さんがピット前を通過し、安堵の表情を浮かべるスタッフ。この後も、毎周ピットサインを見るほどの余裕で徐々に予選タイムに近づけながら無理なくマイペースで周回を重ねる。何のトラブルに巻き込まれることもなく順調に走り続け、スタートから55分を経過した頃にピットサインが提示された。次の周、予定通りに吉井さんがピットイン。すかさずスタッフがリヤスタンドを掛け、給油作業に入る。同時に、吉井さんはコース状況などを次のライダーである行田さんに伝えている。RC250のピットストップ時間はガソリン補給で2分間とレギュレーションで決められている。5リッター入りの携行缶で給油するため作業は余裕で終わるが、2分経たなければバイクに触れることは出来ない。そのため、監督の渡辺さんがストップウオッチで時間を計測。給油の規定時間の“2分間”が終わるまで残り10秒になるとカウントダウンを始める。“ゼロ!”の声と同時に行田さんがマシンに跨がり颯爽とスタート!

 2分間のピットストップを計測していた渡辺監督のGOサインとともに、第2ライダーの行田さんがスタートする。後方からピットインしてくるマシンに注意しながら、さらにピットロードの制限速度をオーバーしないようにピットロード出口まで向かう。

 吉井さんから受け取ったマシンを順調に走らせる行田さん。チーム内でただ一人の耐久レース経験者らしく、速いマシンの邪魔をしないよう冷静にコースを選んで走る。マシンがバンクしている時でも、どんどんスロットルを開けて行くアグレッシブさも行田さんらしさだ。

  ライダーがピットスタートしてから、最初にメインストレートに戻ってくるまでの時間が非常に緊張する時間だ。ゆっくりとインラップを走りきり、メインストレートで伏せながらピットボードを見ながら、ゆっくりと頷いて2周目に入る。行田さんも順調に予選タイムに近いペースで淡々と周回を重ねる。更なるタイムアップを計ろうとアタックしているようだが、速いライダーに道を譲り、ペースの上がらないライダーをパスしながらのタイムアタックは難しい。走行から45分を経過するとピットサインが出され、次の周に行田さんが無事ピットに戻ってきた。ここでも予定通りの給油作業が2分間行われる。次のライダーは木村さん。足のケガが午前中よりも悪化しているため、歩くことさえ今は普通にできない。しかし、第3スティントのライダーの役目を全うするためマシンに跨がる。吉井さんと行田さんの優しさと頑張りにより、走行時間を当初の予定よりも15分少ない30分としてもらいコースに出る。

 左上・右上/予定時間を走りきり行田さんも無事にピットイン。スタッフがリヤスタンドを持って駆け寄る。左下/足のケガが心配な第3ライダーの木村さんにコース状況やマシン状況を伝え、祈るようにマシンを託す。

 チーム全員が見守る中、第3ライダーの木村さんがピットを離れコースイン。木村さんの走行時間は、足の状態を考慮して30分と短縮された。無事に走行して30分後にピットに戻って来て欲しい、と全員が願っていた。

  ここでもやはり、最初にメインストレートに戻ってくるまでの時間が非常に緊張する。特に今回はケガを患っている木村さんであるため、万が一、転倒などを喫したら大変な事になると、スタッフもライダーも心配そうにコースを見つめている。暫くすると、RC250をライディングする木村さんがメインストレートに戻ってきた。全員が安堵。その後は、木村さんも淡々と落ち着いて予定の30分のライディングを無事に終えピットに戻ってきた。

 左/メインストレートを疾走する木村さん。足の痛みとも戦いながらのライディングは相当辛いのだろうが、笑顔と根性で乗り切っている。右上/最終のビクトリーコーナーを立ち上がる木村さん。コーナリングスピードは他のマシンに負けてはいないが、STDマシンのため立ち上がりで離される事が多い。右下/無事に30分間を走りきりピットに戻ってきた木村さん。事前の予定では、ここでもガソリン補給を行うハズであったが、当初の予想以上にマシンの燃費が良く、ここでは無給油。吉井さんにライダー交代し、すぐにピットを飛び出す。

ピットクルーの冷静な判断で
給油回数を1回減らすことに成功!

当初の予定では、ここでも給油を行うはずだったのだが、次の吉井さんのライディングが終わるまではガスは間に合う、というピットスタッフの判断によりライダー交代のみですぐに吉井さんがコースに飛び出していった。どうやら、今までのガス補給中に給油スタッフがガスの残量を計っていたようで、このような判断ができたのだ。2分間のロスを1回減らすことができたことは、耐久レースにとっては非常に大きいアドバンテージとなる。

2回目のライディングの吉井さんは走っていて楽しそうだ。1回目のライディングの時よりもリズムに乗ってスムーズに走れている。このまま予定通り50分のライディングで、最終スティントとなる行田さんにマシンを渡すのか、と思った矢先、またしても問題が!

 吉井さんがコースに出ると同時に、最終スティントを走る行田さんへの夜間装備の装着が行われていた。この夜間装備の反射材のビブとLEDライト付きアームバンドはレース直前に渡されたため、装着方法がよく判らず何度かやり直した末に装着完了!

 吉井さんがコースに出ると同時に、最終スティントを走る行田さんへの夜間装備の装着が行われていた。この夜間装備の反射材のビブとLEDライト付きアームバンドはレース直前に渡されたため、装着方法がよく判らず何度かやり直した末に装着完了!

  実は、18時以降にライディングするライダーには、主催者から支給された反射材のビブとLEDライト付きアームバンドを装着しなくてはならないとのこと。このため、現在走っている吉井さんはこれらの装備が装着されていないため、18時になる前にピットインなければならないのだ。ゆえに、吉井さんの走行時間は10分短縮となり、最終ライダーである行田さんの走行時間が10分増えることとなった。

最終走行順と走行時間配分

  • 第1スティント 吉井花奈さん/走行時間60分
  • 第2スティント 行田淳子さん/走行時間50分※給油
  • 第3スティント 木村亜美さん/走行時間30分※給油
  • 第4スティント 吉井花奈さん/走行時間40分
  • 第5スティント 行田淳子さん/走行時間60分※給油

※給油は3回、第1・第2・第4スティント終了後に行う

 行田さんがコースインして暫くすると、コースが徐々に薄暗くなり始めた。コースの照明や走るマシンのヘッドライトとテールランプが、耐久レースである事を再認識させる。

  18時になる5分前に吉井さんにピットインボードが掲示され、次の周には無事にピットイン。無事に走りきった。そして最後の給油を行い、反射材のビブとLEDライト付きアームバンドを装着した行田さんがコースインしていく。誰もが、このままゴールを迎えたいという気持ちとともに。

ただひとつ、心配な事があった。それは前日の練習走行で、行田さんただ一人が夜間走行を体験していなかったことだ。ツインリンクもてぎの夜間走行初体験がレース本番になるとは、行田さんは夢にも思ってもいなかったことだろう。だが、ピットの心配をよそに昼間同様、淡々と周回を重ね不安なライディングは一瞬もみせなかった。ビッグバイクでもて耐に出場するなど経験が豊富でコースに慣れていることも幸いしたのだろう。そして、日没時間を過ぎ真っ暗になった19時過ぎに、行田さんは無事チェッカーフラッグを受け、歓喜の中“KTM-NAKANO & G—TRIBE”のもて耐は無事終了した。

  それぞれがベストを尽くして走りきった結果は、トータルで85周を走り切り、総合43位。クラス別(ST—RCクラス)では、初挑戦ながらなんと2位という思いがけない好結果となった。

[2016 もてぎオープン 7時間耐久ロードレース]
"もて耐" 4時間 決勝正式結果表

 そしてついに、スタートから4時間が経過しトップがゴールラインを通過した瞬間にチェッカーフラッグが振られレースが終了。“KTM-NAKANO & G—TRIBE”チームも無事チェッカーを受けた! 最終ライダーの行田さんがピットに戻ってくると吉井さんと木村さんが行田さんに駆け寄り、行田さんがヘルメットを脱ぐ間もなく抱き合って完走を喜んだ

第1ライダー 吉井花奈さん

  ル・マン式スタートはとても緊張しました! でも今回のスタートは、マシンに跨がってからチームスタッフがエアバッグのひもを付けてくれてからのスタートだったんで一呼吸おいて落ち着いてからスタートできたのが良かったと思います。でもスタート直後、団子状態で混戦になり自分の弱さがほんとに如実にでてしまったんです…。メンタルが弱い部分があって本当にタイムが出なくて、ピットサインが常に“UP↑”でした(笑)。正直“ヤバい!”と思って走っていました。後半になってようやく自分のペースが掴めるようになると、練習の時くらいのタイムで走れるようになりました、ホントにメンタル弱い(笑)。

   スタートしてからの60分は暑かったですが、今まで真夏にもてぎを走ったことがなかったんで、暑さはこんなものだろうと思って走っていました。が、2回目の走行で夕方走ったら凄い涼しくて走り易くて(笑)。でも、暑くても走っていると楽しいんで、本当にスゴい楽しくてスタートしてからの1時間はあっと言う間でした。トレーニングで身体を鍛えていたので、体力だけはけっこう余裕がありましたよ(笑)。レースのために体力をアップさせるようとジムで週2回はガッツリトレーニングしたんです。男性に比べると筋力が無いので“鍛えないといけないな”と思って。

もて耐は本当に楽しかったですね!(笑) ライダー3人でそれぞれきっちり仕事をしてゴールできたってことが一番嬉しかったです。3人とも転倒なくきちんとゴールできたってことが“プロジェクトを1個終わらせた!”という達成感があって、アレはクセになりそうですね! スプリントレースも面白いですが、耐久レースってチーム戦だから違う面白さがありますよね。特に今回はライダーが女性3名だったので男性チームに自分が混ざっているのとは状況が大きく違いました。男性ライダーと一緒だと“一人だけタイムが遅くてごめんなさい”だけど今回はみんなそれぞれ励まし合っていたので、全然感情が違います。ゴールの瞬間は、3人で力を合わせて、ヤッタネッ! って感じでした。

  3人の世代が一緒だったこともあって、良い組合せだったと思います。まさかGトライブの戸田さんが、いきなり個別に声を掛けた女性がたまたま集まったチームという感じには見えないですよね(笑)。また3人でもて耐に出たいです!

第1ライダー 吉井花奈さん

第2ライダー 行田淳子さん

  スタートライダーの加奈ちゃんから交代した1回目の走行(第2スティント)の時は、久しぶりのレースということもあって体力的に自信がなかったので、後半の事も考えて1回目の走行であまり体力を使いすぎないようにセーブしながら走っていました。それと、亜美ちゃんの足の具合が前日より悪くなっていたので、私の走行時間が予定よりも長くなるだろうなと思っていたこともあって…。その長くなりそうなスティントを走りきれる体力を温存しつつ、マージンをとりながら走っていました。そうは言っても走るのに必死は必死だったんですけど(笑)。マシンは、決勝前にいろいろとメンテナンスをしてもらっていたのでメカニックのおかげで予選の時よりもさらに調子が良かったように思いました。特にストレートでのスピードの伸びが良くなっていたのが嬉しかったですね。

  2本目の最後のスティントでは最終的に60分走行になりました。1本目よりも気温が低くなっていて涼しかったので、気候条件的には楽ではあったんですが、辛かったですね〜(笑)。さすがに60分走行は長かったですね(爆)。“あ〜、もう(走行を)終わりたいな〜”と思ってサインボードを見たらまだ25分しか経っていなかったり…。“早く暗くなんないかな〜”と思っていました(笑)。内心半泣きでしたよ、辛くてゴールできないんじゃないかと思いながら(笑)。でも残り15分くらいになって、日没でだんだん暗くなってきた時は、逆にドキドキしましたね〜。なんか、テンション上がって来たといいますか…。前日、夜間の練習走行ができなかったのですが、加奈ちゃんと亜美ちゃんに特に見えにくい暗い場所とかコース状況を教えてもらっていたで、あまり気になりませんでした。それと、当日に支給されたビブゼッケンとLEDを全ライダーが付けていたので、他のライダーを確認しやすかったので思っていたよりもそんなに怖く無かったですね。

  ゴールの瞬間、ピットウォールでチーム員が手を振っているのが見えました。その瞬間は本当に感動的でした! 今まで耐久レースに何回か出ているんですが、耐久はあまりいい思い出はなくて(笑)。今回みたいにみんなに頼りにされて走ったことがなかったので最初はすごい不安でした。みなさんは経験を買ってくださいますけど、そんなに上手く無いですから…。チームの皆さんが思っているよりも経験値は低いので…。バイクの知識もないですし、乗り易い乗りにくいくらいしか言えないんです。でも、わからない故にこだわりも無いから初めて乗るバイクでも順応できたのかもしれませんね。

  チェッカーを受けてピットに戻って来た時、今まで出場してきた耐久レースの中で一番充実感があってすっごい楽しかったと思えたんです! びっくりするほど楽しかった!(笑)今まで出場してきた耐久レースでは、本当におまけみたいな感じで“走らせてやるよ”的な感じでしか走ったことがなかったので。即席で集まったメンバーなのに、こんなに結束が強くなってピットに帰って来た時、みんなで喜べて嬉しかったです。ちょっと青春してましたよ!(笑) ホントに! すっごい楽しかったですもの。また一緒に耐久レースやりたいね、って話しになっているほどハマってます(笑)。

  振り返ってみると、女子チームで体力的に不利かなと思っていたところ、加奈ちゃんが暑い時間を頑張って走ってくれたので完走できたのだろうと思ってます。それが一番大きかったんじゃないでしょうか。スタートから一番暑い時間の60分間を走ったライダーは少なかったんじゃないかと思いますよ。それと亜美ちゃんもケガで辛かったのにしっかりと走ってくれたから、体力的にも助かった(笑)。加奈ちゃんに感謝! 亜美ちゃんにも感謝!

第2ライダー 行田淳子さん

第3ライダー 木村亜美さん

  足のケガで加奈ちゃんや淳子さんをはじめ、スタッフの皆さんにご迷惑をおかけしてしまい本当に申し訳なかったです。走行を1回にしてもらったり走行時間を30分にまで減らしてもらって…。本当にありがたかったです。

  第2スティントを走った淳子さんから交代して、初めての耐久レースを走ったのですが、これが予想以上にスゴく楽しかった。走っている時に怖い思いは全然しなかったですね。どんどん抜かれるんですが(笑)、抜いて行くライダーのマナーが良くて感動しました。片手を上げて優しく抜いていってくれる人が多かったんで、危ない目には遭わなかったですね。けっこう単独走行の時間が多かったのですが、団子になるときは凄い台数の団子になるんです。でも、その速い団子集団に抜かれるとそのあとはけっこう単独だったりするんで“あれ? セーフティーカーが入ったのかな〜?”なんて思っちゃうほどでした。ピットサインはちゃんと見ていたけど、ピットウォールにはたくさんのチームのサインが掲示されているんで、一瞬、わからなくなっちゃう時もありましたけどしっかりサインボードを確認しながら走りました。

  私が走った時間帯は、暑さのピークは過ぎていたのでそんなに暑さに苦しめられることはなかったですね。暑いのは暑いけど、普通に暑いサーキットって感じだで苦しい暑さではなかったです。だから“足さえ怪我してなかったら…”って思いますね。そこが一番悔しいところでしたね。だから、今回のレースでは慎重に慎重を重ねて冷静に走りました。チームに一番迷惑掛けている私が、万が一転倒してしまって次のライダーに繋げなかったら一番申し訳ないですからね。絶対に倒(こか)すわけにいかない! 私のせいでリタイヤするなんてことは絶対に出来ないと思っていましたから、遅いなりに頑張って走りました。ただ、走り始めてから20分を超えたくらいから足が痛くなり始めたんですが、そこは我慢してしっかりと30分間走らせてもらいました。

  今回、女子だけのライダーというチームで出場してみて楽しかったですね。レースに出る前よりあとの方が断然みんなと仲良くなれました。それも急激に(笑)。チームの団結力の強さというか、気持ちの面で一緒に頑張った仲間ですからなおさらですよね。

  来年もお声がけしてくれるなら、また出場したいと思っています。そのためにも、ケガを治してからライディングスクールにも行って、ライディングスキルをアップしたいです。超楽しかった〜(笑)。

第3ライダー 木村亜美さん
写真&文/武田正衛

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