アドベンチャー系とカスタムがトレンドのEICMA、海外勢は多カテゴリー化も進む

  海外メーカー勢もまた、アドベンチャー系とカスタムがトレンドとなった2014年のEICMAミラノショー。BMW、DUCATI、KTM、アプリリア、トライアンフなどがアドベンチャーモデルを展示していました。一方、カスタムされたマシンを展示していたのは、BMW、トライアンフ、モトグッツィなど。純正アクセサリー装着車も数多く展示されていました。

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  このように今年のトレンドは明らかにアドベンチャー系とカスタムなのですが、“多カテゴリー化”もいっそう進んだ印象があります。 例えば、オフロード専門メーカーのハスクバーナはストリートタイヤを履いたスーパーモタード系を発表。モトグッツィは重量感あるクルーザーAUDACEを。BMWは電動スクーター、ハーレー・ダビッドソンは電動ストリートバイクを、という具合。
もともとそのメーカーを代表するカテゴリーだけでなく、多彩なチャンネルに触手を伸ばしてユーザー層を広げようとしていることが見て取れます。

というわけで、今回は日本にも輸入されている海外メーカーを中心に紹介してまいります。

【BMW】ビーエムダブリュー

BMW S1000XR 今回初登場となったS1000XR。水冷直4エンジンを搭載するアドベンチャー系モデルですが、どちらかと言えばストリート寄りに見えます。
日本人カスタムビルダー4人によるカスタム R NineTプロジェクトで選ばれた気鋭の日本人カスタムビルダー4人によるカスタムも展示されました。
R NineTプロジェクトのドイツバージョン こちらはR NineTプロジェクトのドイツバージョン2台。
S1000RR 今年活躍したレーシングマシンも展示されていましたが、これはマン島TTのシニアTTでマイケル・ダンロップ選手により優勝をもたらしたS1000RR。
歴代ヒストリックマシン BMW 歴代ヒストリックマシンも展示されていました。
子どもに広げる戦略 幅広い層にユーザーを広げていくためには“女・子ども”を巻き込むのがセオリー。BMWも子どもに広げる戦略を展開。
BMWの市販電動スクーターC Evolution BMWの市販電動スクーターC Evolution。四輪のBMW i3の技術を盛り込んでおり、バッテリーチャージシステムも四輪と同じものを採用しています。
カットモデル 電動バイクの中身は普通、構造自体が企業秘密とされることが多いのですが、このモデルはすでに市販されているせいかカットモデルを公開する余裕を見せていました。

【DUCATI】ドゥカティ

パニガーレ1199R 熟成を重ねているドゥカティのスーパースポーツ、パニガーレ1199R。こちらはスーパーバイクのレギュレーションに合わせるため、排気量は従来通りの1198ccですが、ありとあらゆる部位に改良が加えられ、さらなる進化を果たしています。
1299パニガーレ ストリート向けスーパースポーツは排気量を1285ccに引き上げた新型エンジンを積み、1299パニガーレとなりました。装備重量は従来モデルのマイナス6kgでわずか172kg。ここから205hpを発揮します。
ディアベル・チタニウム 地元イタリアでのショー開催に合わせて発表されたサプライズはこれ。「究極に軽いクルーザー」を目指したというディアベル・チタニウムです。今持て得る技術の粋を集めて、ドライカーボンやチタンなど高級な素材を奢っていて、世界限定500台発売予定です。
ムルチストラーダ1200 こちらも熟成を重ねたムルチストラーダ1200。アップライトな乗車姿勢もあってか、年配のユーザーに人気が高かったように思います。
モンスター1200Sストライプ モンスター1200Sストライプ/821ストライプもEICMAミラノショーで初登場のモデル。大ベストセラーのネイキッドは若年層に人気が。
ドゥカティ・スクランブラー 黄色いコンテナが印象的なドゥカティ・スクランブラーは4種のモデルが発表されました。写真はフルスロットル。
人間をダメにする系の大型クッション ドゥカティ・スクランブラーのテーマは“FUN”。というわけで、なぜか人間をダメにする系の大型クッションと芝生が敷かれ、くつろぎのスペースを演出。
ロカビリーのライブ演奏も さらには、70年代古き良きアメリカの雰囲気を演出するためか、なぜか理髪師さんにロカビリーのライブ演奏も。
動画はこちら

【HUSQBARNA】ハスクバーナ

701SUPERMOTO 土系専業だったハスクバーナがリボーンと謳って発表したのが、ロードタイヤを履いた701SUPERMOTO。
401 SVARTPILEN そして、ストリートモデルは白い401 VITPILENと黒い401 SVARTPILENが発表されました。
VITPILENとはスウェーデン語で「白い矢印」 ヘッドライトは円形LEDを採用。VITPILENとはスウェーデン語で「白い矢印」という意味だそうです。
401 SVARTPILEN こちらは401 SVARTPILEN。スウェーデン語で「黒い矢印」という意味だそうです。

【H-D】ハーレー・ダビッドソン

ハーレー・ダビッドソンは毎年、次年度の「イヤーモデル」を世界統一で一気に発表してしまうため、EICMAミラノショーに向けてのサプライズモデルはありませんでしたが、その替わりにすでに発表されていた電動バイクのプロトモデル「Live Wire」が展示されていました。

ストリート750 日本にも導入が噂される廉価モデルの「ストリート750」も展示されていました。

【KTM】ケーティーエム

KTM250SX-F 2015年型モトクロッサー、KTM250SX-F。2ストロークの250SXもあります。
KTM450RALLY 2014年度ラリー世界チャンピオン、マルク・コマ選手のKTM450RALLY。
1位を獲得したKTM 2014年の世界ロードレース選手権GP3クラスで見事マニファクチャラーアワードでランキング1位を獲得したKTMだけに、子どもたちにもたいへん人気でした。

【PIAGGIO・APRILIA/VESPA/MOTO GUZZI】ピアッジオ・アプリリア/ベスパ/モトグッツィ

アプリリアRSV4 ブース全体が2014年の世界スーパーバイク選手権のチャンピオン獲得記念と化していたピアッジオ。展示の中心はやはりチャンピオン獲得マシンのシルバン・ギュントーリ選手のアプリリアRSV4。転戦するときに使う運搬用ボックスをモチーフにした台に載せての展示です。
ピアッジオの電動自転車プロジェクト ピアッジオの電動自転車プロジェクトは広いブースの中央部で紹介されていました。ピアッジオ社は、古くは1975年から電動ビークルの研究を始めていたそうです。
モト・グッツィ プレス・カンファレンスではほとんど紹介されていませんでしたが、実は気を吐いていたのが「モト・グッツィ」ブランドでした。カリフォルニアをベースにしたMFX-21のプロトタイプは、近未来的なイメージを体現したマシンとなっています。
V7 ピアッジオ社のブランド、モト・グッツィの展示スペースにはV7が立たされており……。
MOTO GUZZI GARAGE その奥には「MOTO GUZZI GARAGE」と題したカスタム推しのスペースが設けられていました。
5台のカスタム・グッツィ そして、5台のカスタム・グッツィが。ピアッジオ、アプリリア、ベスパ、モト・グッツィなどのブランドを有するピアッジオブースの中でも、一番気合が入っていたのがこのモト・グッツィでしたが、なぜか一番奥の暗いスペースで展開されていたのでした。

【TRIUMPH】トライアンフ

今年のカスタムブームにトライアンフもしっかり乗っていました。「スクランブラー」と言えば、本家本元はトライアンフでしょ!と言いたいがごとく、3種のトガッたカスタムを提案していました。

Photo&Text by KOBAYASHI, Yuki 小林ゆき

小林ゆき

  横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在フリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。普段は総合走行距離22万㎞に迫る愛車GPz900Rなどでの街乗り&ツーリング派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化について研究中。最近は二輪車安全運転指導員としても活動を始めた。海外の国際モーターサイクルショーには1996年のケルンショーを皮切りに、パリサロン、INTERMOT、EICMAミラノショー、上海二輪車ショー、シンガポールバイクショーなど各地で取材をしている。愛車はGPz900R、ZX-9R、スカラベオ250ie、TZR125、KSR110、リード100、ヴァナゴンGL。