往年の名ブランドの復活劇と、少量生産の家内制手工業的プライベートブランドの意欲作が目白押し!

  EICMAミラノショーに出展しているのは、日本の4大メーカーやヨーロッパのグローバルブランドだけではありません。世界中からありとあらゆるオートバイメーカーが出展しています。

2014年、今年の注目はやはり往年の名ブランドの復活です。例えば、イギリスのマチレスやブラフシューペリアは、当時のマシン構成のまま現代の技術で蘇らせたものです。一見、近未来的に見えるマシンでも、良く見ればガーターフォークやカンチレバー式リアサスペンションなど100年以上前の技術を現代で再現していたりします。

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ブラフシューペリアのチタンフレーム。 ブラフシューペリアのチタンフレーム。

  なかには“3ちゃん工業”的、家内制手工業的なプライベートブランドもあって、基本的に注文生産しかしないというメーカーもあります。

  引き続き目立ったのは、designed by EUでMade in R.P.C.(デザインはヨーロッパで、生産は中国)のメーカーですが、ひと昔前に比べればかなり洗練されてきた印象があります。
それでは、EICMAミラノショーに出展されていた中小規模のメーカーの一部をご紹介いたしましょう。

イタリアのCR&S 手作りスーパーカスタムっぽいマシンを、まさかのクルーザー系に体現したイタリアのCR&S。

【ADIVA】アディバ

  開閉できる屋根付き三輪スクーターを発売しているイタリアのメーカー、ADIVA。もともとはベネリ傘下でした。
  今年はクールジャパンイメージにペイントされたモデルを展示していました。イラストはバイク好きで知られる漫画家の本田恵子さん、そしてモデルはなんと日本から福山理子さんが頑張っていました。EICMAミラノショーの会場には、アジア系のモデルがほとんどいないせいもあって、とっても目立っていましたよ。

【BENELLI/MOTOBI/KEEWAY】ベネリ、モトビ、キーウェイ

  1911年創業、1921年からオートバイを生産しているイタリアのベネリは2002年に本格的に復活。ベネリ傘下のモトビともども、現在は中国の銭江グループ(KEEWAY)傘下にあるため、ベネリとモトビ、キーウェイが同じブースで展示されていました。
ベネリブランドを付けた電動自転車もたくさん展示されていました。

【BIMOTA】ビモータ

  独自のフレームに既存のエンジンを積む手法で知られるBIMOTA。プレスカンファレンスが予定されていたものの、今年はニューモデルがないということで中止されました。
ニューモデルがないかわりに(?)きれいなお姉さんを大量投入(?)。

【BYLOT】ビロット

  イタリアの新しいメーカー。ビンテージ・モトクロスの雰囲気溢れるモデルを展示していました。

【CR&S】カフェレーサー&スーパーバイク

  1992年創業のイタリアのバイクメーカー。これまでも様々なカスタムバイク的モデルを発表していますが、今回はスーパーモタード・スタイルとまさかのクルーザー・スタイルをローンチしました。

【ENERGICA】エネルジカ

  イタリアの電動バイクメーカー、エネルジカが発表したEGOは本格的にスポーツできる電動スーパーバイクです。2011年に発表されていたモデルを一般公道向けにモデファイし、500台限定で市販するとのこと。

【LML】LML

  あれ? どこかで見たような? それもそのはず、LMLは往年のベスパそのものを再販しているノックダウンのバイクメーカーです。カラフルなペイントをまとい、いっそうイタリアンな雰囲気を高めていました。

【MAGNI】マーニ

  こちらはMV AGSTAのブルターレをベースにしたSTORIA。もう一台、新型エンジンを積んだ往年のMV AGSTAのGPレーサースタイルのFilo Rossoも展示されていました。

【MASH】マッシュ

  MASHINEの頭を取ってマッシュと名付けられた新興ブランド。中国のメーカーだそうですが、ボンダッチとのコラボなど、なかなかヨーロッパナイズされていて目を引きました。

【MATCHLESS】マチレス

  1899年創業のイギリスのメーカー、マチレスもまた現代の技術で蘇りました。Model X Reloadedと名付けられたこのモデルは、1929年から1940年にかけて生産されたModel Xを踏襲したもので、V型2気筒エンジンやカンチレバー式リアサスペンションなど当時の構成をそのままに現代的にアレンジしたものです。一切のプラスチックパーツを使わないなどこだわりを見せています。来年を目標に100台市販予定だそうです。

【MV AGSTA】MVアグスタ

  ひじょうに広い面積で展開していたMVアグスタブース。今ではマルチラインナップのメーカーに成長しました。市販モデルだけでなく、往年のモデルやレーサーなども展示していました。

【PATON】パトン

  パトンもまた往年の名ブランド復活劇の一つです。パトンは1955年創業のイタリアのメーカーで、世界グランプリにも参戦していたことのあるブランドです。 復活したモデルS1、BL3R、BM3Rは1960年代、70年代の古き良きグランプリレーサーをベースに現代に蘇らせたものです。

【PEUGEOT】プジョー

  日本ではフランスの自動車メーカーと知られているプジョーですが、もともとは自転車のメーカーであり、今でもスクーターやモペットのメーカーとしてヨーロッパでは知られている存在です。
今回のEICMAミラノショーのプレスカンファレンスで、この度インドのマヒンドラとプジョーのスクーター部門が提携を締結したとの重大発表がなされ、これかは南米や東南アジア、中近東、アフリカに向けて年間50万台の販売を目指すとしました。

【QUADRO】クワドロ

  三輪、四輪のオートバイを発売しているスイスの企業、クワドロ。ライダーの高齢化や転倒のしにくさから、ヨーロッパでも人気が高まっているジャンルです。 電動三輪スクーターのプロトタイプも発表されました。

【ROYAL ENFIELD】ロイヤルエンフィールド

  1898年創業のイギリスのオートバイメーカー、ロイヤルエンフィールドは現在、インドのメーカーとなっています。 往年のスタイルを崩すことなく、今に生きているブランドです。

【S.W.M】スピーディ・ワーキング・モータース

  SWMは1971年創業のイタリアはミラノのメーカーで、もともとはザックスやロータックスのエンジンを用いたモデルを発売していました。現在は中国で生産しているようです。

【VERTEMATI】ベルティマーティ

  ベルティマーティは2000年に創設の新興バイクメーカーで、もともとはオフロード専門メーカーでした。今回は新型Vツインエンジンを積んだスポーツモデルを発表。

Photo&Text by KOBAYASHI, Yuki 小林ゆき

小林ゆき

  横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在フリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。普段は総合走行距離22万㎞に迫る愛車GPz900Rなどでの街乗り&ツーリング派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化について研究中。最近は二輪車安全運転指導員としても活動を始めた。海外の国際モーターサイクルショーには1996年のケルンショーを皮切りに、パリサロン、INTERMOT、EICMAミラノショー、上海二輪車ショー、シンガポールバイクショーなど各地で取材をしている。愛車はGPz900R、ZX-9R、スカラベオ250ie、TZR125、KSR110、リード100、ヴァナゴンGL。