広大な敷地で行われるEICMAミラノショーのイベントとさまざまな話題をお届けします

  EICMAミラノショーはオートバイメーカーの完成車だけのショーではありません。バイクにまつわるウェアや用品、パーツはもちろんのこと、バイクに関わる全てのこと──、例えばツーリング先として誘致をかけたい世界中の観光地の観光協会、バイク関連のアート、交通安全に関わるアプリや用具、サーキットのホスピタリティ用品、レースオーガナイザーなどなど多岐に渡ります。

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展示ホールと屋外会場MOTO LIVEとの行き来でごった返す通路 展示ホールと屋外会場MOTO LIVEとの行き来でごった返す10番ホールと12番ホールの間の通路

今回はその中から気になった話題とイベントをピックアップして紹介していきましょう。

ミラノのバイクトレンドは? 駐車場ウォッチング

  世界最大のオートバイのショーですから、バイクでやってくる入場者も多かったですよ。地元ミラノはもちろん、全イタリアから、あるいは近隣ヨーロッパ諸国のナンバーも数多く見かけました。
例えば、ミラノとミュンヘンは約500kmほどの距離。高速道路を使ってほんの6時間程度で着きます。ドイツの他、スイスやオーストリーのナンバーも見かけました。 も目立っていましたよ。

ヨーロッパのバイクトレンドは完全に「アドベンチャー」系 ヨーロッパのバイクトレンドは完全に「アドベンチャー」系になっているのがよくわかる光景です。
イタリアはスクーター率が高い? イタリアはスクーター率が高いのも特徴です。スーパースポーツ系が少ないのが以外でした。

カスタムペイントショップは見せ方にこだわりが

  ヨーロッパやアメリカからペイント系のブースも数多く見かけました。単にカスタムペイントされたヘルメットやバイクを展示するだけでなく、現場でペイント作業を見せたりしているブースもありました。

カスタムペイントショップ 完全に“アタシの工房”と言った風情のブース。彼女はこんな風に、現場でオシャレな看板を描いたり、ヘルメットやバッグにペイントしたりしていました。
Tシャツにエアブラシでイラストを こちらは、その場でTシャツにエアブラシでイラストを描いてお客さんに渡していました。
バイクアイコンに様々なアーティストがアートを施す これはEICMAミラノショー主宰のバイクアイコンに様々なアーティストがアートを施すというイベントの一つ。ミラノの街や会場のあちこちにこの白いバイク像が置かれ、ものによっては一般客の落書きのベースにしてあったり、あるいはこのように立派なアートへと変わっていきます。
ライダーたちのサインが書かれています この白い椅子には、世界スーパーバイク選手権のライダーたちのサインが書かれています。後方にはスリックタイヤにアートを施したオブジェが飾られています。

バイクモチーフのアート

  ファッションの世界でバイカーがモチーフになっているものはすっかり市民権を得ましたが、アートの世界はまだまだ発展しているようで、アイディアは尽きません。

BYLOT キャンギャルと一緒に写真を撮るサービス ショーと言えばキャンギャルがつきものですが、このようにキャンギャルと一緒に写真を撮るサービスも展開されていました。
本格的なスタジオ撮影セット これは、革ジャンやバイカー風ウエア、女性向けセクシーウエアとアクセサリーなどが準備され、プロのヘアメイクさんによって変身して“バイカー”の写真を撮る、というブース。なかなか本格的なスタジオ撮影セットが準備されていました。
スーパーモタードのカウンターが体験できる こちらの雑誌のブースでは、スーパーモタードのカウンターが体験できるセットが!
バイクアートを販売する画廊 バイクアートを販売する画廊も出展していました。
バイクオブジェ よく見ると全てボルトやナットでできているバイクオブジェです。ウィットに富んだモチーフが魅力です。
「分解してみました」プロジェクト MTシリーズ 「分解してみました」プロジェクトのオブジェ。ヤマハのMTシリーズは非常にシンプルな構成になっていることがわかります。
「分解してみました」プロジェクト レザースーツ 「分解してみました」プロジェクト、もう一つはレザースーツ。けっこう複雑な構造になっていることがわかります。
「分解してみました」プロジェクト ヘルメット 「分解してみました」プロジェクト、最後はヘルメットです。何層にもシェルとクッションが重ねられていることがわかります。

バイクモチーフの家具

  ライダーなら一度は自宅やガレージをバイク関連グッズで埋めたい!なんて夢を持つものですが……。さすがはイタリア、一歩先を行くアイディアのバイクモチーフ家具を見つけました。

一点もののファニチャー ガラクタではありません。全て一点もののファニチャーです。オイル缶などを再生して作り出しているようです。
バイクパーツのテーブルやチェア こちらもバイクパーツを利用した家具。テーブルやチェアなどです。
エンジンを眺めながら食事が出来るテーブル 贅沢にもエンジンが台になったテーブル。テーブルの真ん中はクリアガラスになっていて、エンジンを眺めながら食事することができます。
素敵なガレージ 素敵なガレージ……、良く見ればバイクの部品があそこにも!ここにも! エンジンが足になっているテーブル、ホイールのランプ、スプロケットの時計などなど、リサイクル部品で家具が作られています。

子供向けバイク用品

  ブランディングや文化を広めるためには女性や子供を取り入れるというのが鉄板ですが、ミラノショーも例外ではありません。子供向けのウェアやグッズも多数展示されていました。

段ボール素材の紙バイク こちらは、段ボール素材の木馬ならぬ紙バイク。
kiddi moto 木製のペダルなし自転車。kiddi motoはイギリスのメーカーなんですが、モチーフがマニアック。左から、マン島TTレースでお馴染みの♯3ジョイ・ダンロップ、#7バリー・シーン、#34ケビン・シュワンツ、#65ニッキー・ヘイデン、#93マルク・マルケス。ヘルメットもお揃いのものが!
ライディングスーツ風のロンパース ドゥカティブースでは、ライディングスーツ風のロンパースも。
漢カワサキのベイビーグッズ 漢カワサキもベイビーグッズを発売していました。
アプリリアブース アプリリアブースで踊りまくっていたボク。カメラを向けると身体を止めてちゃんとカメラ目線に。将来が楽しみです。

EICMAその他の話題

  なぜ彼らがEICMAに? と思うような出展もありましたが、背景を探ると、なるほどと理解することができたりします。

ナゾのスティグ ナゾのスティグ。この格好でチラシを配りまくっていました。ヘルメットにはGo Proが付いているので、撮影もしているのかもしれません。
展示してあるバイクを使ったフリースタイル 展示してあるバイクを使ったフリースタイルってなんか新しい気が。こういう競技ができてもいいかも。
戦艦の模型 何故か戦艦や潜水艦の模型が。バイクのショーには若い男性が集まるので、イタリア海軍や空軍が出展していました。
ツーリング先としてのカジノの提案 なぜかカジノもお目見え。ツーリング先としてのカジノの提案です。

警察も出展しているEICMAミラノショー

  ヨーロッパでは警察が業務としてレースに出場していることが珍しくありません。運転技術の向上や宣伝、リクルートなどの目的があるようですよ。今回もイタリアの警察が出展していました。お触りOK、またがりOKの白バイもありましたよ。

カラビニエリ(国家憲兵) カジノに勤しむ大人を取り締まる警察官……じゃなくて、この制服はカラビニエリ(国家憲兵)の皆さんです。どうみても観覧に訪れていそうな。
ポリツィア(警察官) こちらも制服姿のポリツィア(警察官)。ですが、どう見てもショーを楽しんでいますね。
イタリアの警察のブース イタリアの警察はブースも出展しています。警察チームとしてロードレース選手権に参戦しており、そのイメージカラーのままのポケバイも展示。
高齢者歩行体験 警察ブースでは特殊グラスを付けての高齢者歩行体験を行っていました。
3輪の警察バイク 3輪、4輪のオートバイメーカー、クアドロのブースにあった警察バイク。これなら悪路でも追跡が楽かもしれませんね。
電動バイクの白バイ 電動バイクの白バイ。バッテリー容量から考えて、追跡しきれるのか?という不安もまだ残ります。

物理的な安全対策をアピール

  峠道などで転倒して滑走してしまった場合、そこにある構造物──電柱や看板の支柱、ガードレールなどが文字通り命取りになることがあります。そのような重大事故の被害を軽減するための装置がこれらの器具です。ガードレールにもぐり込むのを防ぎ、頸や四肢が折れたり胸部・腹部の損傷を防ぐものと、ガードレールなどの支柱にクッション的に巻くグッズが紹介されていました。日本でも導入を熱望いたします。

休憩スペースもまたバイクモチーフ

巨大クッションのプロモーション ごろ寝のできる休憩スペース……というだけでなく、これ巨大クッションのプロモーションも兼ねています。ツーリングから帰って来て疲れてゴロ寝、を想定しているのでしょうね。
段ボール素材でできたテーブルとチェア 臨時カフェのスペースには段ボール素材でできたテーブルとチェアが。カウンターの壁には手書きのバイクの絵も。
バイクモチーフのパン カフェのメニューはお馴染みのパニーニなどが並びます。その向こうにはバイクモチーフのパンが!
バイクオブジェ 通路側にある常設レストランの入り口にも手書きのバイクオブジェが飾られ、来場者を歓迎していました。

広大な敷地で同時開催のモトクロスや試乗会

  EICMAミラノショーは屋外会場で試乗会やレースも行われます。公式のレースが開催されるくらいのスペースがあり、今年はスーパークロスのイタリア選手権、スーパーモタードのヨーロッパ選手権やトライアルのデモンストレーションなどが行われました。
また試乗会はホンダ、ヤマハ、スズキ、KTMなどがそれぞれ独立した敷地で開催するため、たっぷり走ることができたようです。

KTMの試乗会はオレンジ色のヘルメットも用意され、オレンジ色のクラッシュパッドと相まってひと際目立っていました。

トリシティの試乗会 ヤマハはトリシティの試乗会がイチオシ。試乗者がいなくても、ひたすらインストラクターがコースを走り回ってスーパークロスなどを見に来た観客にアピールしていたのが印象的でした。
クルマのスキッド体験会を開催 BMWはバイクではなくクルマのスキッド体験会を開催。そういえばEICMAの入り口でも四輪のBMWのプロモーションをやっていました。
スーパークロスのフィニッシュ スーパークロスのフィニッシュ。これ、ちゃんとイタリア選手権の一戦なんです。
表彰式 というわけで、表彰式はこのとおりの人、人、人。カメラマンも多くて、ライダーたちが見えません。

Photo&Text by KOBAYASHI, Yuki 小林ゆき

小林ゆき

  横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在フリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。普段は総合走行距離22万㎞に迫る愛車GPz900Rなどでの街乗り&ツーリング派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化について研究中。最近は二輪車安全運転指導員としても活動を始めた。海外の国際モーターサイクルショーには1996年のケルンショーを皮切りに、パリサロン、INTERMOT、EICMAミラノショー、上海二輪車ショー、シンガポールバイクショーなど各地で取材をしている。愛車はGPz900R、ZX-9R、スカラベオ250ie、TZR125、KSR110、リード100、ヴァナゴンGL。