妥協を許さぬ「レプリカ」振りは、ビッグ2ストローク同様、二度と現れない?
84年に登場したRG500ガンマは、その前年にすでに発表されていたヤマハ・RZV500Rが「YZR500イメージ」であるのとは異なり、「レーサーRG500ガンマの真のコピー=レプリカ」を至上命題としていた。それは、発表時の会見において「なぜ、このパーツが採用されているのですか?」との質問に対して「それはレーサーのRGガンマがそうだからです」と応答した、という逸話があるほどである。
その最たるモノはエンジンレイアウト。レーサーのRGと同形状の『スクエア4』。吸引方式もライバルたちが次々にクランクケースリードバルブを採用する中、あえて「レーサーと同様」のロータリーディスクバルブ。排気量だけでなく、なんとボア×ストローク・そして軸間距離までもがレーサーRGと同一である。クランクケースの設計もレーサーがベースで、カセット式ミッションを搭載したほど。レーサーでも採用した排気バルブシステムSAEC(Suzuki
Automatic Exhaust Control)。VM28のフラットバルブキャブ…最大出力は輸出仕様では95PS/9,500rpmの大パワーを実現した。
さらには当時のスズキ・レーサーと同様、各パーツでグラム単位での軽量化も計った。その結果、乾燥重量:150kg台という脅威のライトウェイトを実現。パワーウェイトレシオは現在のBIGバイクにもなんら遜色ないといえよう。
徹底したレーサーRGの踏襲はもちろん、当時のスズキ最新鋭の独自機能を満載し、一切妥協せず理想を追求…これらはときに市販車両としての生産性を度外視することも辞さない、徹底した「レーサーレプリカ」振りである。バリーシーン、マルコルッキネリ、フランコウンチーニ、そして水谷勝…スズキのライダーは常に立ちはだかるライバルに挑み、幾多の困難にも立ち上がり、栄光を築いてきた。R=「レーサー」、G=「グランプリ」、ガンマ=「古代ギリシャ語で『栄光』を表す『ゲライロウ』のギリシャ文字の頭文字」。『栄光のグランプリレーサー』を意味するRG−ガンマの名に全く恥じることの無いスペックやポテンシャル、そして何よりその精神は、今後もなお熱狂的なファンより支持され続けることであろう。
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