国内モデルで唯一のリッターVツインスポーツモデルとなった「SV1000/S(VT54A)」
リッタークラスのスポーツモデルというと4気筒モデルが主流だが、スーパーバイク選手権で4気筒が750ccまで、2気筒が1000ccまでというレギュレーションの中(2003年まで)、Vツインのドゥカティが活躍。そういった状況で、ホンダがVTR1000F・ファイアーストーム、スズキがTL1000SといったリッターVツインスポーツを発売させたのが1997年となる。これらのスーパーバイクレース参戦バージョンとして登場したのが、ホンダのVTR1000SP-1やスズキのTL1000Rとなり、実際、2000年と2002年にはドゥカティを押さえてVTR1000SPが優勝を果たすなど、国内Vツインモデルの活躍も見られた。
しかし、日本での販売状況や人気というと今ひとつで、VTR1000Fは2003年までで、その後は輸出モデルのみ。TL1000Sも2000年までだったが、2003年に後継モデルとして登場したのがSV1000・SV1000Sとなる。もともと、「SV」の名は1998年のSV400・SV400S、1999年のSV650・SV650Sからスタートしたものだが、これらの丸味を帯びたデザインとは異なり、SV1000・SV1000Sは角調のデザインに変更され、TL1000Sのエンジンをベースとしながらも、車体・足回り関係は一新されている。
ギヤ駆動とチェーン駆動を組み合わせた「セミカムギヤトレイン」を採用することで、シリンダーヘッドのコンパクト化を実現したエンジンは、形状を変更したトラス構造のアルミフレームに搭載される。倒立フォーク&リアのロータリーダンパーという組み合わせだった足回りも、正立フォーク&ボトムリンク式リアサスに変更された。同系エンジンは輸出モデルのDL1000Vストロームにも採用されるものの、その後、ノンカウルのSV1000は廃止され、ハーフカウルを装着したSV1000Sのみがラインナップ。唯一のリッターVツインとなってしまった。4気筒ばかりでなくVツインスポーツを選択肢に残し続けたことにスズキの意欲を感じるモデルといえる。
主要諸元(2003年発売モデル)
| 型式 | VT54A | エンジン | 水冷4ストDOHCV型2気筒 |
|---|---|---|---|
| 全長(mm) | 2135 | 排気量(cc) | 995 |
| 全幅(mm) | 785 | 最高出力 | 93ps/8500rpm |
| 全高(mm) | 1080 | 最高トルク | 9.2kg-m/7000rpm |
| シート高(mm) | 800 | 変速機 | 6速 |
| 乾燥重量(kg) | 186 | 始動方式 | セル |
| 燃料タンク容量(L) | 17 | ブレーキ形式(前/後) | ダブルディスク / ディスク |
| タイヤサイズ(前/後) | 前:120/70-17 後:180/55-17 | ||
The History of SUZUKI SV1000(VT54A) 〜SV1000(VT54A)の歴史〜
TL1000S(VT51A) 1997年フューエルインジェクションを採用した水冷90度Vツインエンジンは、低回転では吸入負圧+エンジン回転数、高回転ではスロットル開度+エンジン回転数からコンピューターによって理想的な混合気量を供給する。また、新気導入ダクトSRAD(※)の採用で性能の安定化も図っている。軽量、高剛性のアルミ製トラス構造のダイヤモンドフレームに、GSX-R750と同サイズのφ43mm倒立フロントフォーク、リアには独創的なロータリーダンパーを採用。1998年にはスーパーバイク参戦を意識したTL1000Rも登場。TL1000Sをベースとしているが、別物と言ってもいい程の仕上がりとなっている。 |
SV1000(VT54A) 2003年TL1000Sの後継モデルとして登場。TL1000Sとは形状が異なるアルミ製トラスフレームに、ギヤ駆動とチェーン駆動を組み合わせたセミカムギヤトレインによりコンパクトなシリンダーヘッドを実現した、水冷90度Vツインエンジンを搭載。φ52mmスロットル+FIに各気筒ふたつのスロットルバルブを装備する「SDTV」でリニアにレスポンスを実現。排気ポートに新気を導入する「PAIR」により排ガス中の有害物質も低減した。足回りは倒立フォークからφ46mm正立フォークに変更され、リアはボトムリンク式モノリアサス。ホイールは3.50-17/5.50-17。ハーフカウルのSV1000Sもラインナップ。 |
SV1000S(VT54A) 2005年2005年にカウルレスのSV1000が廃止され、ハーフカウルのSV1000Sのみに。シートレールをスチールからアルミに変更することで軽量化を実現。シート高を10mm下げることで従来のSV1000と同様の800mmとなり、足着き性を向上させた。エンジンもリファインされ、圧縮比を11.3から11.6にアップ、スロットルボアをφ52mmからφ54mmに拡大、カムタイミングとリフト量を変更した。メーターには燃料残量1.4リットル以下で点灯する燃料警告灯も新たに装備し、フレームはブラックに塗装され引き締まった印象となった。国内モデルとしては数少ないVツイン車だったが2007年に姿を消すことになる。 |
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※このページはスズキ(株)とモーターマガジン社のご協力を頂き製作しています。
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