BBB MAGAZINE

  • 大人のたしなみとしてベスパに接してみよう!

    2015.08.02 / Vol.14

    スモールで遊ぶ #03

CREDIT

    • ライター
    • 執筆

    隅本辰哉

    • 撮影

    隅本辰哉

    • バイク

    Vespa

「スモールで遊ぶ編」もいよいよ第3話。今回はいよいよロードレーサーの製作を視野に入れつつマシン作りのポイント解説や、ムゼオ製作の実車を例にした詳細説明などをお届けしようと思います。 前回の"街向き軽チューン"とはチューニングの度合いが異なるだけで、同じ方向の延長線上にあるものだったりしますので、第2話とも見比べつつご覧頂けたらと思います。 それでは「スモールで遊ぶ編・第3話」、はじまりまーす!!

ロードレーサーを作るその前に!?

Vespa50S
どうしてベスパで遊ぶのにレースがオススメなのか?
それはいろいろな楽しみ方が潜んでいるからです!
作る楽しみがあります。性能を追求する楽しみもあります。性能追求に必要な知識を学ぶ楽しみだってあります。
走るほうだって競う楽しみや、一つでも順位を上げる楽しみがあります。より速く走るためにテクニックを磨く楽しみというのもありますね。
なにより公道では基本的にNGな全開走行ですが、そこを試したり楽しんだりできるところも魅力だと言えますね。

いよいよロードレーサーを作っていく段階へと突入です。前回は"街向き軽チューン"と題してストリート仕様という内容でした。そして当初から「ロードレーサーまたはオフロードレーサーを作って遊んでみるのはいかが?」という提案をしていますので、やっとという感じの方もいそうですね。今回はロードレーサー編となりますが、オフロードレーサー編もやりますので、「オレがやりたいのはオフなんだよ」という方はもう少しだけお待ちくださいませ。

白熱するバトル
ちょっと古い写真ですが、過去にムゼオが走らせた50Sのレースシーン。グリーンのマシンがムゼオのもので、このときのライダーは元WGPライダー・新垣選手。ちなみに先行するピンクのマシンは、今回お話をうかがった(株)ベスパ・菊地さんです

それで先に言っておきたいのが製作ハウツーものではないということです。新車から始めることは叶わないし、コンプリートで用意されているものもありません。なので実際に製作しようとなると、個々の車両の状態で内容や加工の程度などが変わってしまいます。そのため「ああ、こういうのを組み付けるのね」などと、やるべきことをザックリ理解する程度だとご理解ください。だから本気で作ってみようという気になった人は、今回紹介するショップなどに相談するなど、もうワンステップ踏み込む必要があるということも認識しておいてくださいね。

スモールでエントリーできるロードレース

スモールベスパでエントリーできるのはどんなレースなのか気になりますよね? 現状では関東のVespaGPと関西のルーツ・ザ・原チャリというロードレースがあります。
この2種のレースがあることは「スモールで遊ぶ編・第1話」でも触れていますが、今回はそれぞれがどんなレースなのか、もう少しだけ踏み込んでおきたいと思います。

VespaGP

VespaGP

まず関東のVespaGPから。東京周辺のミニバイクコースなどを転戦する形式で行われる、スモールだけのスプリントレースとなります。スプリントとなるとレース色が強まりガチガチの真剣勝負をイメージしてしまうかもしれませんが、実はそんなことはなく、和気あいあいとした雰囲気のなか参加しやすく、レースの醍醐味も堪能できるようになっています。
とくに逆グリッド(予選タイムが速いほど後方からスタート)や速いライダーに与えられるハンデ(時間差スタート、ウェイトハンデなど)といった仕掛けによって、初心者でも表彰台が狙えるところが人気の秘訣になっているようです。

ルーツ・ザ・原チャリ

ルーツ・ザ・原チャリ

いっぽうのルーツ・ザ・原チャリは近畿スポーツランドを会場として、「空冷・旧式・低馬力原付の祭典」と銘打って開催されるレースになります。VespaGPと異なり耐久レース形式となるので、ピットクルーも含めたチーム一丸となってレースに取り組むスタイルが魅力だと言えそうです。
参加クラスは「旧式空冷ミッション(モンキーやGAGなども参加するクラス)」となり、ネオクラシック(YSR50/80や改造度の高いモンキーなどが参加)との混走になります。そのためベスパ以外のマシンとのデッドヒートも見ものの一つになっています。

まずはエンジンを作る

エンジンを分解!

スモールベスパで遊ぶとなると、タマ数などの問題で50Sがオススメだという説明は前回までにしてきました。ここからは50Sをベースにロードレーサーを作るためのイロハを学んでいくことにしましょう。
東西それぞれのレースでレギュレーションも違うため、どちらのレースを目指すかで作り方が異なります。今回はVespaGPに照準を合わせていくことにして、ポイントを(株)ベスパ・菊地さんに教えてもらっちゃおうと思います。菊地さんはVespaGPのライダー兼ご意見番的な立ち位置で、エントリーやマシン製作、走りの面でも頼れるアドバイザーだったりします。
「マシン製作はどんな風に手を付けていけばいい?」 菊地さん(以下、菊):足まわりとエンジンをやる必要がありますが、多いのはエンジンから作るパターンです。レギュレーション的には115cc以下となっているんですけど、みんさんマロッシ製102ccキット(a)を組むことが多いです。φ55mmに合わせたクランクウェブのカットの仕方も説明書に書いてあります。
「102ccキットが選ばれる理由は?」 菊:ボアアップの中で一番バランスがいいピストン径(b)とされてるんです。その上は112ccキットというのがあるんですけど、トルク型で回転を拒む傾向だったりします。なので回転とトルクのバランスがいいという点で102ccキットが選ばれていますね。中には「体重が重いからトルク型でいく」なんて人もいて、あえて112ccキットを組む人もいます。その場合はポートをいじって、さらにピストンクリアランスを広げて対応するようにしたりします。
「どう走りたいかが重要ながら、102ccキットが現在の主流?」 菊:そうですね。それに伴いパワーが上がるので、マロッシなどのチューニングパーツメーカー製4枚クラッチキットへの変更、そしてギア比の選択も重要になります。レース以外で街乗りもする場合、1次減速ギアを3.7に変えることで全体のギアをアップさせられます。あとは手軽なギア比だけど速いところを狙っていきたいということで、スパーギアに変更してギア比も3.0を選ぶ人もいます。加えて吸排気です。マロッシのφ25キットなどにして、当店のオリジナルチャンバーにするというのがエンジンの構成として定番パターンになってます。
「ボアアップとセットで吸排気まで。さらに用途に合わせたギア比......ほかは?」 菊:さらにマニアックになってくるとミッションの組み換えなんていうのもありますけど、そこはもう入門の域を超えてしまいますね。予算も考えながらですけどボアアップ×吸排気とギア比の選択までやって、12VのCDIキットまでというのが理想かもしれません。元々6Vのポイント式なんですけど、CDI化で進角もちゃんとして12Vになるから街中で明るさを実感できます。配線は12V化に対応させる必要がありますけど、全取っ替えではなく一部のみの変更でOKです。街乗りだけではなく、CDI化でビュンビュン回るようになるという部分もあるので「もっと遊びたい、ピックアップをよくしたい」という人にもオススメ(c)なんですよ。
「レースにも適している?」 菊:街中を走りたいなら電気やっとけという話ではなく、回したいとか、使い方に合わせて電気系まで踏み込むかを決めるようにすべきです。つまりトータルでどこまでやるのか、予算も含めてどういう方向で組んでいきたいのかを明確にして、経験者やショップに相談するのがベターなんです。入門で考えた場合、エンジン系はこれでおおよそ完結というところでしょう。

◎続いてシャシーまわり◎

足回りも重要!

エンジンを完成させるのとは別に、レースに対応させるためには足まわりも重要です。しかし足まわりだけでは足りないというのが菊地さんの持論だったりします。では足まわりのほか、いったいなにをするべきなのか? それはシャシーまわりなんだそうです。足まわりという限定的なところではなく、車体全体をトータルで作っていかないと使いやすく乗りやすいマシンにはならないそうですよ。
「シャシーまわりって足まわりと違う?」 菊:タイヤとサスペンションはやらないといけませんが、ベースとして使う50Sがもう古い車両なワケですから、可動部分を中心にリフレッシュしていく作業がほぼ必要になります。たとえばステムベアリングだったり、ハブベアリング。そういったところをちゃんとチェックしてやらなきゃダメですね。その辺りがダメなままでは、サスペンションを交換しても動きに影響がでたりしちゃうんですよ。コーナーの立ち上がりやブレーキングでゴトゴトゴトってなるようじゃアウトです。サスペンションの動きが悪いと、そこで10%も20%もロスしちゃう可能性が高いですから。
「シャシーまわりもやることで気持よく乗れるということ?」 菊:足まわりとかって意外と重要で、エンジンよりもなによりも重要だと考えてます。サスもタイヤも、ブレーキだって重要ですよね。だからちゃんと効くように仕上げるワケです。それで、なおかつ操作するもの......クラッチレバー、フロントブレーキレバー、シフト操作用のハンドチェンジまわり、その辺がスムーズになるようにすべて分解してメンテナンスをしないといけません。つまりシャシーまわりまでしっかりとやるからこそ気持よく乗れる状態にでき、結果的にストレスのない操作性や乗りやすさに結びつくんです。VespaGPの参加者の車両って、そこがほぼできてるんですよね。「気持よく乗りたい、走っているときのストレスをなるべく排除したい」と。ストレスがなくなれば走りにも集中できるし、楽しくなっていくっていうことがわかってるんです。だからクラッチが軽い、シフトが軽い、そしてハンドルも引っかかりがない。たとえばアクセルだってちょっとの加減でススっと戻るようになるんです。
「足まわり、操作性、つぎはタイヤ選択とか?」 菊:そうですね。現状ではIRCとBSがサイズの合うハイグリップタイヤをラインナップしています。BSはグリップ重視でググっと路面を捉えてくれますが、流れだすところからコントロールできるようになるとタイムアップできますね。IRCは流れ出すタイミングが早いんですけど、流れながらグリップもしているのでコントロールしやすくアクセルを開けていけます。それと今回足まわりを撮ってもらった車両はシリーズチャンピオン・平山選手のマシンなんですけど、前後マロッシ製の足まわりを組んでます。フロントはRS3というタイプで、ノーマルフォークに付けられるんです。リヤはRS24というタイプ。フロントはプリロードだけで、リヤは伸び側の減衰を24段階調整できますね。
「残るブレーキのチューニングは?」 菊:ブレーキワイヤーを太いものに変えます。こうすると力を逃さないようにできるので、効きが変わります。ただしフロントフォークにワイヤーを通す穴を開け直したりして、使えるようにするためのテクニックも必要です。さらにブレーキ性能を高めるにはPKのフロントフォークとドラムを使うとか、ディスクブレーキ化したりする方法があります。それでもさしあたってとなると、太いワイヤーにするのがお手軽でオススメですね。人によってはコーナー手前でフロントしかかけないという人もいるくらいなので、効き味は格段に向上すると思ってもらっていいんじゃないでしょうか。

ノーマルフォーク+マロッシ・RS3の組み合わせ
ノーマルフォーク+マロッシ・RS3の組み合わせ
マロッシ・RS24を1本
リヤにはマロッシ・RS24を1本だけインストール
IRC・MBR-740 DIX RR
チャンピオンマシンはIRC・MBR-740 DIX RRを選択
BS・BT39SS
多くの参加者が選んでいるのはBS・BT39SSだ
ベスパ 菊地さん

株)ベスパ・菊地さん/42歳
免許取得後に友人から買った、3万円のSUZUKI・AddressTune(アドレスチューン)がスクーターライフのスタートだという菊地さん。若いころは走り屋の集まる夢の島や若洲に出没していたということもあり、ホイールベースも長くてクイクイいけないAddressTuneからHonda・G'(ジーダッシュ)にスイッチ。その後ひょんなことからベスパに興味をもつようになり、手に入れると直して調子を上げてから手放すということを繰り返してベスパに詳しくなっていく。気づけば20年以上もベスパに触り続け、(株)ベスパに就職までしてしまったのだとか。

(株)ベスパ
(株)ベスパ/ピアッジオ・ベスパコーナーショップ日本橋

1980年以来、ベスパを中心にイタリアンスポーツスクーターを扱う老舗ショップ。中古はもちろん新車でさえエンジンまで分解整備してから納車しているのは、安心して長く楽しんでもらえるようにという心遣いのあらわれだ
【店舗情報】
住所◎東京都中央区日本橋浜町3-7-10
TEL◎03-3666-1778/03-3669-5341
営業◎10:00〜20:00(火〜土)/11:00〜18:00(日)
定休◎月曜日・祭日
web◎http://www.vespa99.com/

サービススペース
グッズやアパレル

2F(写真左)はサービススペース、3F(写真右)はグッズやアパレルからチューニングパーツまでそろえる展示スペースとなっている

ムゼオのマシン(ロードレーサー)

ムゼオのマシン(正面)
ムゼオのマシン(背面)

さて菊地さんによるポイント解説のおかげで、マシン製作がずいぶんと現実味を帯びたんじゃないでしょうか。どんな方向性にすべきかとか、予算的に当初はここまでにしておこうとか、電装の12V化は次のお小遣いの検討課題に回そうとか。そうやってプランを練るところからレースの楽しみが始まっていたりしますよね。
ではここから、過去にムゼオが製作したマシンの仕様について見ていくことにしましょう。きっとマシン製作に取りかかるうえで、より具体的なビジュアルイメージを固めていってもらえるハズですから。
ちなみにマシン製作のコンセプトを「丁寧に組み上げること、レーサーっぽく見えるように手間を惜しまず作ること」としたそうです。ボアアップに伴ってケースを削る必要があったりするので、その辺も含めて手を入れる箇所の処理をできるだけ丁寧に作業したということらしいです。
それと「レーサー風にしたかったので、レーサーっぽく見えるちょっとした手間を、見た目の部分で結構やっています」とも。これ、ちょっとわかり難いんじゃないかと思うので補足しておきますと、「パッと見てレーシングな雰囲気が伝わるような作り込み」というニュアンスのようですよ。例えばボディを内側に曲げて空力を意識してみたりとか、肉抜きしてみたり、ゼッケンを入れてみたりといったところでレーシーさを演出していたりするそうです。
そのほか乗りやすく操作しやすいところをメインに組み上げるとか、レーサーだからこそ操作性や可動部分にこだわって作ったそうです。その辺りは菊地さんもポイントに上げていた部分ですね。ムゼオでは本人以外の外部ライダーのためにマシンを製作しているため、ハンドルまわりの動きやブレーキのタッチなど、ライダーが乗りやすく疲れにくい操作性を提供できるように組み上げる点も注意したそうです。

足まわり(フロント)
足まわり(フロント)
スタンダードフォークにbgm製SC/F-16フロントショックを装着。16段階ダンピング&プリロード調整が可能。PK50SS用ハブ+ホイールでブレーキを強化し、BS・BT39SSを履く
リヤサス
リヤサス
伸び側・縮み側とも12段階ダンピング&プリロード調整が可能なbgm製SC/R-12リヤショックに変更。上部マウント位置を後方にずらしてフレームとの間にシムを数枚入れ高さを変更
ブレーキアームの肉抜き加工
ブレーキアームの肉抜き加工
フットブレーキのアーム部分を軽量化とレーシーなルックスのために肉抜き加工。ブレーキアームはフレーム裏側まで伸びているので、裏側部分もぬかりなく徹底的に肉抜き済み
レッグシールドの曲げ加工
レッグシールドの曲げ加工
フレーム前面のレッグシールド端部分を内側に巻き込むことで空気抵抗軽減とレーシーなルックスを実現。実際の効果には疑問を残すが緑の車体の巻きの強さは理解できるだろう
フレームの鳴き止補強
フレームの鳴き止補強
走行確認でレッグシールドまわりから発生するビビリ音が気になるレベルだったため、ビビリ音防止ステーを追加。装着後のレースでクラッシュしたため、少々曲がっているのはご愛嬌
レーシングシート
レーシングシート
シート製作のプロがVespaGP参加者のために作ったVespaGPシートをチョイス。フラットで前後移動しやすく、適度な硬さで必要なだけ体重移動が可能。参加ライダーの評価も高い
キャブレターまわり
キャブレターまわり
吸入効率を重視したファンネル仕様とされ、街乗りではないことからショートなガソリンコックレバーへと変更。プラボトルはガソリンキャッチタンクで、レギュレーション上必要なもの
エンジン
エンジン
回るしパワーも出てちょうどいいバランスの102cc仕様。ファンカバー内部のフライホイールマグネトーが外されている状態なのは、レース中のトラブルで走行不能となり外したから
エンジンフラップ
エンジンフラップ
ノーマル状態だとスリットが入っているのでゼッケンを貼れない状況のため、加工してエアダクトを装備。表面をスムージングしてあるのでゼッケンスペースとして活用可能だ

そもそもレースに出るとはどういうこと?

元WGPライダーでもある新垣選手(2010シーズン)

個人的な興味もあったので、最後に「レースに出るとはどういうことなのか?」という質問をムゼオにぶつけてみました。「興味はあっても踏み込めない」なんていう人にとっても参考意見になりそうですよ。
ムゼオ(以下、ム):ベスパという乗りものには色んな遊び方があって、その遊び方の一つとしてレースというものがあります。それを実際にやりたいという思いがあります。そして「こんな遊び方もあるんだよ」と、みんなに知ってもらいたかったり広めたいという思いもあります。そんな理由で取り組んでいるというニュアンスですね。
「それはマシンの製作者だったり提供者だったりというムゼオの目線ですよね?」 ム:ほかにも、どういう風にしたらどうなるのか、こんな加工をしてこういう作り方をしたら結果がどうなるのかというデータも欲しかったりします。これは知識欲という部分もあるので、一般の方でも共感してくださる方はいるんじゃないでしょうか。
「自分のデータ蓄積と技量向上させる場でもあると?」 例えばただ乗るものとして乗っているだけだとそれで終わっちゃうんですけど、自分の好み通りに組んだものを他人が乗りやすいと感じるかは別だったりするんですよ。自分ではない人が乗ったときに「ああ、乗りやすいね」とか、人それぞれに個人差があるので「もうちょっとこうしたい、クラッチは近いほうがいい」とか、聞かなければそのまま乗っているかもしれませんが、聞けばそれなりに答えてくれるので、そのときに瞬時に直して応えられるかどうかというところでデータを増やしていきたいと考えています。まあ、そうなってくると目線がまたちょっと特殊なところになってしまうので、個人の範疇で自身の楽しみのためにデータ取りをやるというのでいいんじゃないですかね。
「最大限試せるからチャンスだと?」 それで話を戻すと、ただ単に走らせて楽しんでもらうんではなくてデータ量も増やしたいし技量も上げたいし、興味や好奇心の湧く感じというんですかね。そういったことを直に体感したいんです。それがもっとも実感できるのはレースだろうと思っています。街中ではぶん回せないじゃないですか。ぶん回せば速度が上がってしまい、法的に許されないワケです。でもサーキットでは全開域まで試せるじゃないですか。だからマシン性能を最大限に引き上げる色々な方法を試すことができ、その結果を出せるいい場所なんだということですよね。

◎カタログBOOK

レースシーン

仲間&経験者、それにショップなどで相談をするのがレーサー製作やチューニングに役立つワケですが、チューニングメーカーやパーツショップなどのカタログBOOKを手に入れるのも有効です。近くに頼れるネットワークがない場合、そういったことも試してみるといいかもしれません。

カタログBOOK

カタログBOOKを開いてみると性能を期待できるものから、ちょっとどうなの? って思えるもの、気持ちをくすぐるようなアイテムまで掲載されています。例えばツインプラグなんて効果が期待できるか不明ですが、それでもちょっとくすぐられちゃうというか、レーシーな雰囲気は俄然高まったりしますよね。......というようにパーツは調べていくと色々あって奥深く、色んな部品の組み合わせとかを考えるだけでも夢が広がります。そういった楽しみ方のできるカタログショッピングもなかなかいいものです。

ピナスコ、マロッシ、ポリーニ

ちょっと古く最新ではないですが、左から順にピナスコ、マロッシ、ポリーニという日本でメジャーな3大チューニングメーカーのカタログBOOKです。できれば最新のものを手に入れて目を通すようにしたほうが正確さという点でオススメですが、オークションなどで中古パーツを物色するための情報としてはあえて古いものを見るのも有効です。ただしいきなり掲載パーツを買ってしまうと、新旧に関係なくセッティングの仕方で苦労したりしちゃいます。なので勉強の意味でもショップや仲間に頼ってみるのがベターでしょう。

今回はここまで!

「スモールで遊ぶ編・第3話」は、ついにロードレーサー製作を視野に入れた詳細説明としました。冒頭でも触れていますが"製作ハウツー"ではないため、実際に作ってみようという気になった方はぜひショップを頼るなどしてみてください。それとできれば一度レースを見学してみるのがオススメです。そうすれば顔も覚えてもらえるので、作るのも、その先の参加のときにもアドバイスを得やすいと思いますので!

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