前回サドルシートを仕上げて、ボディパーツ類をこだわりのラッカー塗装としたあたりをご覧いただきました。特にラッカー塗装へこだわる理由と、なぜ現代はウレタン塗装が主流になっているのかを相澤流で解説してくれています。
  さて、今回も気になるのはどんな作業内容なのかと研究結果でしょう。やはり"相澤調べ"には注目ですね!

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まずはおさらいからスタート!

当時のベスパ50カタログ

  今回も当時のカタログの中ページに注目してみました。キャッチとして目を引くのが「Vespa 50, a brand new Vespa, is the scooter for you!」というものです。これは「ベスパ50、新しいベスパは、あなたのためのスクーターです!」というように、より身近なベスパの誕生を強くアピールしているものだったように感じられます。

  いよいよ第4回目となる「レストア寄稿-プリマセリエ編」ですが、今回はいったいどんな"相澤調べ"が披露されるのか。そんなところももはや楽しみとなっているのではないでしょうか?。

  それではいつものように前回のおさらいをしてからサクッと第4話をお届けしていきましょう。

  まず、真っ先に仕上げていったのがサドルシートでした。相澤さんが表皮の取付方法にもこだわり、当時のオリジナル装着方法を再現していたのが印象に残っています。そしてサドルベースを題材にして、当時の塗料であるラッカーによる塗装の繊細さと雰囲気のある仕上がりについて触れながら作業が進んでいきます。そうしてラッカーで塗られたボディパーツなどを大量に披露してくれましたね。

  また、もはやワクドキの注目ポイントとなりつつある"相澤調べ"では、「サドルシートのブランドバッジ」「シフトポジションインジケーターの新発見」という囲み記事で解説。さらにもう一つの囲み記事「アクリルラッカーという選択について」では、なぜ現在主流のウレタン塗装に切り替わっていったのか、そしてなぜラッカー塗装にこだわるのかなども相澤さん独自の解釈で説明してくれています。
さて、ここからはいよいよ今回の作業メニューとなります!

フロント周りを仕上げる

  今回も相澤さんのレストア日記「愛しのプリマセリエ」からの転載による構成です。まずは相澤さんのレストア日記の全8話中、折り返し点過ぎの第5話を再構成してお届けしていきましょう。それではこれより先が転載記事となります。

  久しぶりにレストア日記の更新です。なんと3ヶ月も間が空いてしまいました(笑)。ですが、この間も毎晩シコシコと地道なレストア作業に励んでおりました! 今までは小物だったんで結構サクサク進めてこれましたが、残すは大物のボディとフェンダー。これがまぁ、ホント地味〜な作業の連続なワケです。……と言う事で今回も興味無い人には面白くもなんともない日記を延々書かせて頂きます(笑)。
  まずはフロントフェンダーですが、ただただカップブラシで全剥離(Photo-1Photo-2)しちゃいます。そこから凹みと歪みを自ら板金して修正し、薄付けパテでライン(造形的なボディラインのこと)を取り戻していきます。

  実はちょっと手抜きをしてリプロの新品フェンダーを使おうとも一瞬思ったんです……が、やめました。
もちろんオリジナルフェンダーを尊重したいと言うのが大きな理由の一つなんですが、 それ以上にリプロフェンダーではダメな理由がありまして、これについては後程説明します。

  そしてなんとか形が整ったところでサフェーサーを吹き付け、下地となる色を入れてから本塗装(Photo-3Photo-4)です。写真だとあっという間の展開ですが、塗装後も水砥ぎ&コンパウンドで磨きに磨き、ここまで仕上げるのにハンパない時間と労力を必要としています。どうにか完成したフロントフェンダーがこちら(Photo-5)です。 ……自分の車両じゃなければ絶対やらないでしょうね(笑)。

  ところで、フロントフェンダーと同時進行で進めていたフロントフォーク周りも無事に完成(Photo-6)しました。ハブ周りも全バラにした後、仲間の手を借りつつレストアして再度組み上げました(Photo-7)。ここでようやくフロントフォークとフロントフェンダーが、感動の再合体(Photo-8)です!
個人的に、この細いダンパーが好きなんです。ちなみに50R(スモールのスタンダード的ポジションのモデル、詳しくはスモールで遊ぶ編・第2話をチェック)のものとは若干形状が異なります。

引用元: レストア日記「愛しのプリマセリエ」

本塗装前のマスト作業、それが下地作り

  相澤さんは塗装も自らこなすワケですが、聞けば塗装へのこだわりは相当なものだと感じられます。その辺りはこれまでにも触れてきていますから「なにを今さら」と思われてしまいそうですが、今回のフロントフェンダー周りへの本塗装に対しても"相澤調べ"を盛り込みつつ、じつはかなり入念かつ丁寧な作業で進めていたりするんです。

  前項の文中でも触れていますけど、自ら手作業で板金しています。そこから薄付けパテ処理へと進めていっていますが、この一連の作業は本来の形状を知っていなければラインを取り戻していく(相澤さんはこのように表現しています)ことは不可能です。こんなところにも勉強熱心な相澤さんの努力の跡が伺えるというものです。
それから本塗装の前段階として下地を入れています(これも前項の文中で触れています)が、これは忠実に当時を再現するために必要なことなんです。実は1950年代中頃までは赤茶の下地が入っていましたが、プリマセリエは薄茶が正解なので忠実な色味で下地を入れています(Photo-あPhoto-い)。

なんと オリジナルの塗膜を剥離する際にシッカリと残っている元色を確認したというので、今回も"相澤調べ"は健在という事ですね。なお海外サイトでは、この薄茶を"マロン(栗色)"と表現しているそうですよ。そして、これも1960年代後半になると白系の下地へと変わっているんだそうです。

続いてボディ編に突入!

  相澤さん曰く「ようやく納得のいく下地が仕上がりました(Photo-9)」とのことですが、これはもう相澤さんが毎晩のように労力と時間を費やした結果だと言えます。それではその成果を見ていくことにしましょう。以下は相澤さんのレストア日記「愛しのプリマセリエ」第5話の後半です。

  ボディについても、もちろん全剥離(Photo-10)です。元々それほどヤレヤレなボディじゃなかったんですが、それでもいろいろと補修箇所がありまして……やむなくボディのみプロに依頼しました。元の状態を知ってる人からすると、この仕上がり(Photo-11Photo-14)にはビックリなんじゃないでしょうか?

ここまで来ると、やはり完成イメージを見てみたいと思ってしまいますね。なので、フロント周りやサドルなどを組んでみました(Photo-15Photo-16)。いかがでしょう? 全ては計画通りに進行しております(笑)。

  続いて、今度はサフェーサー面を研磨していきます(Photo-17)。これをやらないと綺麗な塗装面に仕上がりません。そして全体を水砥ぎし終わったら削りカスを取るために洗浄し、綺麗になったボディに下地色を入れます(Photo-18Photo-19)。

いやー、ようやくここまで来ました。この勢いで、梅雨入り前にはボディ塗装を終える予定です(相澤さんのレストア日記・第5話は2013年5月25日に公開されていますので、塗装に影響が出やすい梅雨時期を避ける計画としたようです)。

引用元: レストア日記「愛しのプリマセリエ」