古さと新しさが同居するハンドチェンジベスパの完成形を味わおう

Vespa 現行PX
やがて来る時代を見据え、いち早く角張ったデザインを採用ニューラインと呼ばれたP登場以来のロングセラー

  さて、ここからは現行PXについて、もう少し詳しく見ていく事にしましょう。現在、ピアッジオグループジャパンが日本国内にデリバリーするPXは150ccモデル、125ccモデル、それにイタリアとの国交開設150記念となる150アニバーサリーというモデルの3バリエーションで展開されています。これらはどのモデルも4速ハンドチェンジ機構を備えていて、共通のボディデザインに2stエンジンを搭載しています。

  ちなみにレッグシールド前面中央のノーズグリルですが、PXの元となったシリーズ初期モデルのPを彷彿させるデザインを採用していて、ファンを喜ばせる心憎い演出だと言えるでしょう。そして丸型で見やい大型スピードメーターには、燃料計と各種インジケーター類がビルトインされています。ブレーキはフロントに200mm径ディスクブレーキ、リヤに150mm径ドラムブレーキを採用していて、ノスタルジー感溢れるルックスとは裏原に信頼出来る装備で走りをサポートしてくれます。

  ところでこのPXというモデルですが、再三触れているように、元を辿ると1977年に発表され「ニューライン」と呼ばれたPシリーズが起点なんです。その後PXへと車名を変更しつつ改良を加えながら進化を続け、惜しまれながら2007年生産分で一度ラインナップから外れています。ここでPXの歴史は一度途絶えてしまう事になりましたが、ベスパ生誕から65周年を迎えるタイミングで全くのブランニューモデルとして復刻を果たしました。しかも当時すでに厳しさを増していた排気ガス規制ですが、復刻した現行PXはユーロ3エミッション規制をクリアしてきた事で全世界のファンを驚かせたものです。そうしてそこからまた継続生産され、現在もなお世界中でファンを魅了し続けているワケです。

◎世界中のファンを惹きつけてやまない理由とは

  ではいったい「なにがそこまで世界中のファンを惹きつけてやまないのか?」が、とても気になるところです。これはもう、変わらないという安心感が大きな要因の1つだと言えます。なにしろPのデビューからカウントすれば、すでに40年もほぼ同じルックスを保っているのです。もちろん変わらない事をツマラナイと思う人だっているでしょう。だけどベスパ好きにとっては、いつ見ても、どこで見ても、同じベスパという安心感のほうが強いのかも知れません。それに軽く頑丈なスチールモノコックボディですから、サビたり凹んだりする事はあっても基本的にボディは長持ちだったりします。だからずっと乗り続けられますし、愛着もわきやすいと言えるでしょう。

  さらにもう少しマニアックな人という話になりますけど、容易に世界のどこでも部品が手に入り、構造がカンタンで部品点数も少ない事から自分で整備や修理が可能な点も歓迎される要因だと言えます。

  またハンドチェンジの独特な操作感もポイントになっているようです。乗った事のない人からすると面倒そうだとしか感じられない操作なんでしょうが、一度体験するとおもしろくて大ハマりしてしまう要因でもあるようです。

今回はここまで!

ハンドチェンジスクーターの魅力とは、バイクのように運転操作も楽しめるところ街のコミューターとしてだけじゃなく、ツーリング派だっている!
Vespa 現行PXのイメージ4

  今回の「ヒストリックモデル#11」では、終焉間近と噂される現行型PXにフォーカスしてみましたがどうでしたか?

  ちょっとほかのスクーターとは違うところばかりの気もすますが、70年も世界中の人たちの生活に欠かせない移動手段だったり、運搬手段として愛され続けてきたベスパなんです。そしてそのベスパの歴史の半分以上を担ってきたのがPXというワケなんですよね。

  それだけ支持され続けてきていますから、当然ながら歴史だってあるワケです。こうなるともう、PXの事を“基本のベスパ"とさえ表現したくなってしまいます。だからこそ、ぜひ今このタイミングでPXを体験してみる事をオススメします。

  さて、次回も魅力的なベスパを取り上げていきますので、どうぞお楽しみに!

Vespa PXの新車

  いつか終わる可能性が高く、専門店では「これで最後」や「新車はもう買えません」としています。つまりPXを通してハンドチェンジスクーターに触れたいのなら、もはや迷っている場合ではありません。出来るだけ早くPXを……そしてベスパの70年を体験したみてください。まだPXの新車が買えるうちに、ぜひ!

それでは次回をお楽しみに!