HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~

ヤマハ DT200R(37F)の基本情報

軽量コンパクトで125cc並みの使い易さ、250ccクラスのハイパワーを兼ね備えた「DT200R」

1984年、125ccの使い易さと250ccの力強さを備え誕生したDT200R。YPVS(※)やYEIS(※)といった吸排気系のタイミングコントロールシステムを装備したエンジンは30PSを発揮。足回りはリンク式モノクロスサスやアルミスイングアームの採用で、210mmのホイールトラベルを確保。ポテンシャルは高く、エンデューロでは圧倒的な強さを示していた。

翌1985年には初のマイナーチェンジ。燃焼室形状を変更し、圧縮比を6.2:1→6.4:1に改め、32ps/8500rpm、2.7kg・m/8000rpmと出力が向上した。これに伴いクラッチ容量をアップし、スプリングも強化。YPVSの特性、エキパイやキャブのセッティングも変更された。さらに、低かったギヤレシオの1速のみを、3.181→2.750に変更。また、オイル消費量の低減を図り、オイル吐出量を絞り込んだ。車体部分も僅かに変更され、ハンドル形状の変更に伴い、クラッチやブレーキレバーをショート化。リアブレーキのレバーカムシャフトをアルミ鍛造化しレバー比を変更。フロントブレーキには、新型の小型マスターシリンダーが採用された。リアショックのリザーバータンクをアルミ化し、放熱効果の向上を図った。

1988年、DT200Rはクランクケースリードバルブを採用しモデルチェンジ。YPVS、YEISと従来のシステムは継承され、特にYPVSのバルブ取り付け位置の最適化、シール性の向上とともに高速域での大幅な性能アップを果たしている。高出力化に合わせ、左右分割の大型ラジエーターや新採用の冷却システムを装備。フロントフォークは、インナーチューブ径にDT125Rと同じ41mmを採用。しかし、ストロークは20mmアップの270mmとし、リアと同量のストロークが与えられている。ホイールベースは従来型から50mmアップし1514mm、シート高は850mm→885mm、車重は99kg→107kgとなり、やや大柄の印象。「125cc並みの軽量コンパクトな車体に250cc並みのハイパワー・・・」とは言い難くなってしまったが、抜群の性能を誇ったのは間違いない。その後、1991年のDT200WRの登場まで、市販モトクロッサーYZレプリカとして人気を博した。

※ YPVS・・・YAMAHA POWER VALVE SYSTEMの略 ※ YEIS・・・YAMAHA ENERGY INDUCTION SYSTEMの略

  • このページは株式会社ヤマハ発動機のご協力を頂き製作しています

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