HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~

スズキ GSX1100Sカタナ(かっこ内は国内仕様のもの)の基本情報

「刀」をイメージしてデザインされたSUZUKIの最高傑作「 KATANA 」

この独特なフォルムを持つ、まさにスズキを代表する”KATANA”。 ハンス・ムートが「刀」をイメージしてデザインされたKATANAは、実はGS650Gのほうが先にデザインされ、第二段としてデザインされたのが「GSX1100S KATANA」である。

GSX1100Sは’81年に初期型である「SZ」がデビュー。基本設計はそのままに’82年に「SD」、’83年にはSEとマイナーチェンジを重ね、’87年にはSZとほぼ同一のSAE、外装やエンジンはSEと共通だがフレームが赤く塗られたSBEが限定販売された。その後、しばらく生産を中止していたが’90年にアニバーサリーモデルとしてSMが再登場。その後国内仕様のSRを’94年から再生産、そして’00年には「ファイナルエディション」としてスズキはKATANAの生産を最後とした。

GSX1000SはアメリカのAMAスーパーバイクを強く意識して登場したモデル。レギュレーションにより1100ccからボアダウンされ1000ccとなっている。’82年に登場したSZはスパーバイク用にVMキャブを搭載したアメリカ仕様(GS1000Sというネーミングだった)と、1100と同じCVキャブのヨーロッパ仕様があったがアメリカ仕様のVMキャブは扱いにくい特性であったためアメリカ仕様以外では使用されることは無く、’83年のSDは1100SDとほぼ同仕様でこれが最終モデルとなりGSX1000Sは希少モデルであるのがわかるだろう。

GSX750Sは’82年当時、規制が厳しくセパレートハンドル、スクリーン、そしてチンスポイラーも装着できず「耕運機ハンドル」と呼ばれる不恰好なハンドルがつき、「過激すぎる」という理由から「刀」のロゴマークもつけられなかった。そして、発売まもなくスクリーンの認可が下り、GSX750SSが発売。’83年にはフロント19から16インチへ、リヤは18インチから17インチへと変更され、色もガンメタとなる。そして’84年にはハンスムートのデザインからスズキの社内デザインであるリトラクタブル式ヘッドライトとなるS3、通称「3型KATANA」が登場。これも斬新ではあったが初代の洗練されたイメージが薄れてしまった。そして’85年に登場したシルバーメタリックのS4型が最終形となる。

そのほか、GSX125E、250E、400E、600F、1100Fとミドルネームに「KATANA」の文字の入ったものもあったが、事実上の「KATANA」は、H・ムートデザインの「KATANA」と社内デザインの「GSX750S3・S4」であるといってもだれも異論はとなえないであろう。

H・ムートという偉大なデザイナーとスズキの開発チームの情熱が生んだ名車「カタナ」

「キリン」や「あいつとララバイ」などの漫画にも取り上げられるほど、存在感のあるマシン!

1980年に西ドイツのケルンショーでベールを脱いで、'81年にデビュー。このH・ムートの「刀」をイメージしたデザインは世界最速を目指したモデルでもあり、とてもセンセーショナルなデビューを飾った。GS1100Eベースの空冷TSCC4バルブ・ツインカムエンジンを改良し5psUPの当時の世界最強111psを誇った。スクリーンの形状も当時としては珍しい風洞実験をして、形を決めるなど形もさることながら性能も「切れ味」が鋭かった。デビューして20年という月日が経っているが古さを全く感じさせず、今なお根強い人気のあるKATANA。’00モデル(ファイナルエディション)で生産終了してしまったが、何度も再販を繰り返しているKATANAだけに、今後も期待してしまうファンも多いことであろう。

  • このページはスズキ株式会社とモーターマガジン社のご協力を頂き製作しています

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