HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~

ホンダ ホーネット250(1996年モデル)の基本情報

超極太タイヤで走りを重視したネイキッド「ホーネット250(MC31)」

1990年代に入り加熱したネイキッドブームは250ccクラスにも波及し、すでに登場していたスズキ・コブラ(GJ73A)にバンディット250(GJ74A)が加わり、ヤマハのジール(3YX)、カワサキのバリオス(ZR250A)、そしてホンダのジェイド(MC23)と1991年には各メーカーが出揃ったかたちとなった。それぞれ、ベースエンジンはレプリカモデルでありながら、スタイリングやキャラクターは全くの正反対で落ち着いた雰囲気のため、誰もが気負わずに乗れる点が人気の後押しにつながったのだろう。しかし、400ccではネイキッドでありながらスポーツ志向を強めたタイプも出始め、その流れの中でジェイドからモデルチェンジしたのがホーネット250(MC31)だ。

ジェイドのオーソドックスなスタイリングに対し、ホーネットは他のネイキッドとは明らかに異なったコンセプトであることが、その装備から伺える。最も特徴的なのが180/55-17という250ccクラスには超極太のリアタイヤ。これはリッタークラスのバイクに使われるサイズで、実際、CBR900RRと同サイズとなる。対して、フロントは16インチと主流の17インチよりも小径だ。また、ネイキッドで多く見られるパイプフレームではなくモノバックボーンタイプであることや、アップタイプのマフラーを採用したことなどで、走りを重視していることがスタイリングから感じられる。

このホーネットのコンセプトやスタイリングは後のホーネット600(PC34)やCB900ホーネット(SC48)にも受け継がれ、CBシリーズとは異なる「走りのネイキッド」を提唱。特に、CB900ホーネットはホーネット600のフレームにCBR900RRのエンジンを組み合わせたもので、コンパクトかつ軽量なスーパーネイキッドと言えるものだった。しかし、人気の中心はCB1300SFで、ホーネット600と共に早々にラインアップから消えてしまった。ホーネット250は2006年12月発売の2007年モデルで最終となり、トラッカー系やビッグスクーター系がメインとなった250ccクラスの中で、最も人気のあるネイキッドの1台として存続した。

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