HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~

ホンダ FTR250(1986年発売モデル)の基本情報

本場アメリカのダートトラックの雰囲気を持ち込んだ「FTR250」

モトクロス、トライアルなど、オフロード競技のひとつであるダートトラック。土を固く敷きつめたオーバルコースを左回りで競う単純なものだが、アメリカのGPライダーは誰もが経験していて、滑る感覚を完璧にマスターしていた。つまり、ロードレースでのずば抜けた速さの秘訣はここにあったというわけだ。そんなフラットトラックの雰囲気を日本に持ち込んだのがFTR250だ。アメリカでは盛んだったが日本ではほとんど知られていなく、ダートトラックの伝道者となった。

低重心化を図った専用設計のダブルクレードルフレームに、エンジンはオーソドックスな空冷OHCシングルだが、バルブシステムにはRFVCを採用したXR、XLR系ベースのもの。低回転から高回転までフラットな特性ながら、フラットバルブのPJキャブを採用し、瞬時のアクセルに対応した。外観はダートトラックのワークスマシンRS500Dをコピーし、幅広ハンドル、足着き性の良い低シート、低重心、ショートホイールベースを実現。リアの足回りにはホンダお得意のプロリンクを採用し、ブレーキは前後ディスク。前後タイヤはFTR250専用のものが開発されたほどで、本格的なダートトラッカーとなっている。また、セル付きとキック仕様を選ぶことができた。

保安部品は簡単に取り外せるようになっており、すぐにコースで使える設計となっていた。そんなスライドコントロールの楽しさを教えてくれる唯一のバイクだったにもかかわらず、日本においてはイベントとしての盛り上がりに欠け、モトクロスやエンデューロのようなブームになることはなかった。こうしてラインナップから外れて約10年後、スタイル重視のストリート系のブームで登場したFTR223は、FTR250そっくりの外観で登場。ベースとなるフレームやエンジンこそ異なるが、街乗りのみならず、ダートトラックでも楽しめる高いポテンシャルも受け継がれている。

  • このページは本田技研工業株式会社のご協力を頂き製作しています

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