HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~

ホンダ ゼルビス(1991年発売モデル)の基本情報

希少な250cc・Vツインツアラー「ゼルビス・XELVIS(MC25)」

「Vツイン」というとアメリカンモデルや、ドゥカティ、ハーレーといった外車・大排気量車を思い浮かべる方が多いだろうが、実は250ccクラスでVツインエンジン搭載したスポーツモデルが人気となった頃もあった。それが1982年に登場したVT250FC(MC08)であり、ナナハンキラーと言われたヤマハの2ストモデルRZ250に対抗できる軽量・ハイパワーモデルながら、4ストの扱いやすさも手伝って、ビギナーから上級者まで幅広く楽しめるモデルだった。今でも一部のレースでは「4スト250cc、2気筒以下」というクラスが設けられているため、ハイポテンシャルなVT系の250ccVツインエンジンの注目度は高い。

そういった伝統あるエンジンを搭載したツアラーモデルが1991年登場のゼルビス(MC25)である。1986年のVT250FG(MC15)、1987年のVT250FH(MC15)では43psにパワーアップされているが、VTZ250(MC15)やVT250スパーダ(MC20)では再び40psにダウン。ゼルビスはさらに出力ダウンの36psながらも低中速域を扱いやすさを向上させたものとなっている。また、ライトカウル&アンダーカウルを装備し、前傾がきつくないポジションから長時間・長距離ツーリングも快適にこなせ、当時、レプリカからネイキッドへ人気が移行しつつある時期であり、250ccクラスのツアラーモデルは意欲作だったといえる。

しかし、ネイキッドからネオレトロ、アメリカン、ビッグスクーターと様々なジャンルのバイクが250ccクラスで注目されるようになり、ゼルビスそのものは1996年までのラインナップで姿を消すことになる。同系のエンジンはアメリカンのVツインマグナ(1994年・MC29)にも受け継がれ、こちらも一躍人気車種となる。実は、250ccクラスでのVツインエンジンは意外と車種が少なく、近年ではVTR250を除くとアメリカンモデルばかりだ。そういった意味では、スポーツ走行が楽しめるVツインモデルというのは貴重であり、ましてや、ツアラーモデルのゼルビスはなおさらだ。一度、こういった車種を体験してみるのも面白いのではないだろうか。

  • このページは本田技研工業株式会社のご協力を頂き製作しています

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