HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~

ホンダ CRM50(1988年発売モデル)の基本情報

コンパクトな車体にモトクロッサー譲りの足回りを装備した「CRM50(AD10)」

ホンダ・MTX50R(AD06)、ヤマハ・DT50(17W)、スズキ・ハスラー50(SA11A)と、当時の原付クラスのオフロードモデル(トレール車)は、どれも125ccクラスの車格が与えられていた。大柄なサイズは安定感につながるが、エンジンパワーと車重のバランスを考えると、それがハンデになることは否めなかった。そこでホンダは、軽量でパンチ力を高める方向へシフトし、ミニモトクロッサーCR80Rに保安部品をつけただけと言っても過言ではないスタイリングのCRM50(AD10)を登場させた。

車体サイズはかなりコンパクトとなり、ホイールサイズはMTX50Rの前21、後18に対し、前17、後14とインチダウン。しかし、サスペンションのストローク量は格段に増え、前275mm、後280mmとなり、フロントフォークはφ35mmとこのクラスにしては太目、リアはリザーバータンク付きのプロリンクサスが装着され、エンデューロなどの競技でも通用する十分な内容だった。搭載されたエンジンはMTX50RやMBX50Fと同系統の水冷2ストピストンリードバルブエンジンで、NS50F(AC08)やNSR50(AC10)、NS-1(AC12)と多くの車種に採用された定評あるもの。兄弟車CRM80(HD11)の11psの方がもちろんパワフルだが、この7.2psのエンジンもビギナーからエキスパートまで楽しめるものだった。

1988年の登場から1998年の排ガス規制まで、リアがディスクブレーキになった程度のマイナーチェンジでラインナップし続けたCRM50は、セカンドバイクとして、河原遊びやエンデューロ用として、NSR50系のカスタムパーツや純正流用で手軽にパワーアップできることもあり、面白さ溢れるモデルだった。今後、こういった2スト車が登場することは不可能で、もちろん中古車でしか入手できないが、「バイクを操る楽しさ」を学ぶ意味でも、是非一度味わうべき一台と言える。

  • このページは本田技研工業株式会社のご協力を頂き製作しています

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