レジャーモデルからレーシーなスタイルへと変身した「モンキーR(AB22)」
小径の12インチホイールモデルの火付け役と言えばヤマハ・YSR50(2AL)だろう。1986年に登場し、レーサーレプリカのスタイルをそのまま縮小させた形は、スズキのギャグ(LA41A)にも通ずるものがあり、ホンダ・NSR50(AC10)はそれらの後を追って登場したことになる。これらのおかげでミニバイクのカテゴリーが活性化されたと言っても過言ではなく、また、ミニバイクレースが盛り上がり、ロードレース界での日本人ライダーの育成にもつながっているというわけだ。
ホンダのNSR50はベストセラーとなり、1990年代後半の生産終了後も、現在に至るまで今なお高い人気を誇っている。これに加え、ホンダには昔からの定番人気車種モンキー(Z50J)やゴリラ(Z50J)が存在していたのは周知の通り。1980年代半ばのミニバイク人気を受け、レジャーバイク・モンキーをレーシーなスタイルに仕上げたのがモンキーR(AB22)というわけである。翌年には、アップハンドルを装着し、ややオフロードやスーパーバイカーズのテイストを盛り込んだモンキーRT(AB22)もラインナップし、遊べる4ストを展開した。
エンジンのベースは4ストOHC単気筒のモンキー、ゴリラと同様だが、それらが3.1psなのに対し4.5psを発揮。同系統のエンジンとしてはスーパーカブ50(C50)と同等のスペックとなる。これをNSR50とよく似たツインチューブフレームに搭載し、足回りも標準のモンキーとはまったく異なるものが装備された。まさに「走り」を意識したモデルというわけだ。しかし、4ストのスズキ・ギャグとはいい勝負になったかもしれないが、その他の2ストミニ勢の人気に押される形で、短命で終わってしまった。今となっては、2ストから4ストへのスイッチでエイプ、XRモタードが盛り上がっているものの、2スト全盛の当時では仕方のなかったこと。それゆえに、マニアなモンキーフリークにとっては、垂涎ものといえるだろう。
主要諸元(1987年発売モデル)
| 型式 | AB22 | エンジン | 空冷4ストOHC単気筒 |
|---|---|---|---|
| 全長(mm) | 1510 | 排気量(cc) | 49 |
| 全幅(mm) | 610 | 最高出力 | 4.5ps/8500rpm |
| 全高(mm) | 800 | 最高トルク | 0.42kg-m/6500rpm |
| シート高(mm) | 650 | 変速機 | 4速 |
| 乾燥重量(kg) | 67 | 始動方式 | キック |
| 燃料タンク容量(L) | 7 | ブレーキ形式(前/後) | ディスク / ドラム |
| タイヤサイズ(前/後) | 前:3.50-10 後:3.50-10 | ||
The History of HONDA MONKEY R(AB22) 〜モンキーR(AB22)の歴史〜
スズキ ギャグ・GAG(LA41A) 1986年ユニークなコンセプトで世間を驚かせ、登場と同時にワンメイクレースも開催されたほどで、ヨシムラからはスポーツキットが限定発売された。カラーはGSX-R、戦闘機、大胆なグラフィックのポップアートデザインと、購入前の選択する楽しさも味わえた。アルミバックステップ、ツインチューブフレーム、ディスクブレーキなど、各部の作りは本格的。スタイル的にはライバルはYSR50やNSR50になるが、4ストという点ではモンキーRになる。 |
モンキーR(AB22) 1987年エンジンは熟成に熟成を重ねた4サイクル単気筒OHC。スタンダードのモンキーが3.1psなのに対し4.5psを発生した。足回りは、フロントが油圧ダンパー式テレスコピックフォークで、リアは角型断面スイングアームにシングルショック。フロントには油圧ディスクブレーキを装備し、アルミ合金スポークの軽量コムスターホイールなどを採用。ツインチューブタイプフレームは、見るからに走りを予感させるものとなっている。 |
NSR50(AC10) 1987年NSR50を外してミニバイクレースを語ることはできない。このモデルの登場で、ミニバイクはもちろんのこと、日本人ライダーの育成という意味でロードレース全般に与えた影響は大きい。ツインチューブ・ダイヤモンド型フレームに、クラス最高の7.2psを発揮する水冷2ストエンジンを搭載し、レーサーNSRのフォルムをそのまま縮小させた作りは素晴らしい。同時期に登場したモンキーRが少々影を潜めてしまった感がある。 |
モンキーRT(AB22) 1988年モンキーRに追加されたバリエーションモデル。4.5psのエンジンやフレームといった基本構成は同一。アップハンドルを装備したことで、ゆったりとしたポジションとなった。同時期にラインナップしたヤマハ・TDR50やカワサキ・KS-1といったスーパーバイカーズモデルにも似たスタイルと言っていいだろう。この他、フロントにはアップフェンダーを、モンキーRと比較しフラットな形状のシートを採用し、リアキャリアを装備した。 |
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