HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~

ホンダ VT250スパーダ(1988年12月)の基本情報

当時、世界初の一体成型アルミ鋳造フレームを採用した「VT250スパーダ(MC20)」

1980年代後半の250ccクラスは、1987年のNSR250R(MC16)に代表される2ストレーサーレプリカ、1988年のCBR250R(MC19)に代表される4スト4気筒レーサーレプリカといった高性能、ハイパワーモデルの人気が高く、各メーカーともに毎年のようにモデルチェンジを繰り返していた頃だ。そんな中、12000rpmで40psを発生したVTZ250(MC15)のVツインエンジンをそのままに、2次減速比のみを変更して搭載。VT250FH(1987年1月の最終型)の後継モデルとして登場したのがVT250スパーダ(MC20)だ。

最も特徴的なのは、ホンダ・キャスティングフレーム・テクノロジー「CASTEC」により国産初のアルミ鋳造フレームを採用したこと。薄肉中空フレームは、ヘッドパイプ回りからスイングアームピボットまでを、ほとんど溶接なしに一体成型構造とし、軽量で高剛性を与えるとともに、表面の美しい仕上がりが自慢となっている。この他、VTZ250からリアホイールのサイズアップ、キャスター角やトレール量など、足回りの変更を受け、クイックな旋回性で、よりスポーツ性が高められた。

その後、VT250スパーダの後継モデルは続かず、ツアラーまたはデュアルパーパス的と言えるゼルビスや、アメリカンのVツインマグナへとエンジンのみが流用されていく。そして、レーサーレプリカからネイキッド、ストリート、ビッグスクーターへと流れが変化していく中、1998年にトラス構造のパイプフレームを採用したVTR250として再びVツインスポーツが復活することになる。ナナハンキラーと言われた2スト・RZ250、それに対抗すべく登場した4ストVツインのVT250F。そのスポーツモデルの血はVT250スパーダからVTR250へ脈々と受け継がれている。

  • このページは本田技研工業株式会社のご協力を頂き製作しています

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