
モトクロス、トライアルなど、オフロード競技のひとつであるダートトラック。土を固く敷きつめたオーバルコースを左回りで競う単純なものだが、アメリカのGPライダーは誰もが経験していて、滑る感覚を完璧にマスターしていた。つまり、ロードレースでのずば抜けた速さの秘訣はここにあったというわけだ。そんなフラットトラックの雰囲気を日本に持ち込んだのがFTR250だ。アメリカでは盛んだったが日本ではほとんど知られていなく、ダートトラックの伝道者となった。
低重心化を図った専用設計のダブルクレードルフレームに、エンジンはオーソドックスな空冷OHCシングルだが、バルブシステムにはRFVCを採用したXR、XLR系ベースのもの。低回転から高回転までフラットな特性ながら、フラットバルブのPJキャブを採用し、瞬時のアクセルに対応した。外観はダートトラックのワークスマシンRS500Dをコピーし、幅広ハンドル、足着き性の良い低シート、低重心、ショートホイールベースを実現。リアの足回りにはホンダお得意のプロリンクを採用し、ブレーキは前後ディスク。前後タイヤはFTR250専用のものが開発されたほどで、本格的なダートトラッカーとなっている。また、セル付きとキック仕様を選ぶことができた。
保安部品は簡単に取り外せるようになっており、すぐにコースで使える設計となっていた。そんなスライドコントロールの楽しさを教えてくれる唯一のバイクだったにもかかわらず、日本においてはイベントとしての盛り上がりに欠け、モトクロスやエンデューロのようなブームになることはなかった。こうしてラインナップから外れて約10年後、スタイル重視のストリート系のブームで登場したFTR223は、FTR250そっくりの外観で登場。ベースとなるフレームやエンジンこそ異なるが、街乗りのみならず、ダートトラックでも楽しめる高いポテンシャルも受け継がれている。
| 型式 | MD17 | エンジン | 空冷4サイクルOHC単気筒 |
|---|---|---|---|
| 全長(mm) | 2080 | 排気量(cc) | 249 |
| 全幅(mm) | 900 | 最高出力 | 27ps/8500rpm |
| 全高(mm) | 1095 | 最高トルク | 2.4kg-m/7500rpm |
| シート高(mm) | 780 | 変速機 | 6速 |
| 乾燥重量(kg) | 114 | 始動方式 | セル/キック |
| 燃料タンク容量(L) | 7.2 | ブレーキ形式(前/後) | ディスク / ディスク |
| タイヤサイズ(前/後) | 前:100/90-19 後:120/90-18 | ||
FT400/FT500 1982年 本場アメリカのダートトラックを疾走するレーサーをイメージし、当時の日本では馴染みが薄かったことから、そのスタイリングは新鮮だった。日本ではロードスポーツの位置付けで、ダートトラッカーのムードを味わうだけのモデルとなった。FT500はビッグシングルながら、2軸バランサー機構による低振動と、セル始動の気軽さもあって、街乗りから高速走行まで十分にこなした。 |
![]() |
XLR250R(MD16) 1985年 XLX250R(MD08)に続くオフロードバイクのベストセラーモデル。XR250(MD30)へと進化したXLR系は、今や名車と言っても過言ではない。その中でも、このXLR250R(MD16)は、白をベースに真っ赤なエンジンを搭載。金のアルミリムやスイングアーム、ボトムケースを採用するなど、派手さでも注目された。RFVCエンジンはXLX250Rよりも2psアップ。FTR250と同時期にモデルチェンジしたXLR250R(MD20)と同系のエンジンがFTR250にも搭載される。 |
![]() |
FTR250 1986年 アメリカで人気だったフラットトラックレース。そのワークスマシンRS500Dの外観をそのままに登場。エンジンはXLR250Rをベースとした空冷OHCシングルのRFVCエンジン。低回転から高回転までフラットな特性とパワーを出している。リアの足回りにはホンダお得意のプロリンクを採用し、ブレーキは前後ディスクブレーキ。簡単に保安部品が取り外せ、すぐにレースに参戦できるよう設計された。キックモデル、セルモデルが併売された。 |
![]() |
FTR223 2000年 ストリートで人気が高まったダートトラッカースタイルを受け登場したFTR223。1980年代にトラックレースに参戦していたホンダらしく、一分の隙もない仕上がりで、FTR250とウリふたつだ。エンデューロレーサーXR200Rベースのフレームに、SL230ベースのエンジンを搭載。吸排気セッティングで低中回転域トルクを強化し、常用域での反応はリニアで、ストリートでの扱いやすさだけでなくダートトラックファンも楽しめるマシンとなっている。 |
![]() |
| ※車名または写真は詳細ページにリンクしています。 ※このページは本田技研工業株式会社のご協力を頂き製作しています。 |
| The History トップ | ホンダ 1970年代 | ホンダ 1980年代 | ホンダ 1990年代 | ホンダ 2000年代 |







