BBB MAGAZINE

  • 大人のたしなみとしてベスパに接してみよう!

    2017.04.03 / Vol.34

    - page2 - 旧車レストア #11

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    隅本辰哉

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    隅本辰哉

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    Vespa

色の重さについて

ハンサムさんでは測色機による測定データで調色を行っていますが、その行程を特別に見せていただくことが出来ました。今回はその調色過程を大公開しちゃいます!
ハンサムさんいわく「青や黒は軽いです」とのことで、白をベースに調色していくと塗ったときに青が最後に浮いてくるそうです。「分離まではいかないんだけど、微妙に混ざりきらないというか......それで軽いものが浮いてきてしまう。だからそこまで見なきゃならないんですよ」とのこと。そうして浮いてくる、つまりは軽い色というのはそれだけ効く色でもあるんだそうです。
例えば白をベースに作っていく過程で一滴で良い青をうっかり二滴混ぜてしまったとしたら、配合量の問題で白を倍の量混ぜないと元の色にはならないワケです。なのでいじればいじるほど量がどんどん増えてしまい、どうにも収集がつかなくなってしまいかねないとのこと。
いざVNB2に塗るときは色見本に近い調色が施された今回の塗料をベースとして、現物優先で最終的な調色の確認をして塗色を決めていく予定とのことです。それで微調色であっても手を加えた時は、ちゃんと測ってデータ化しておかないと同じ色を作れなくなってしまいます。この、データで残っているという事が補修するときに大事だったりするんです。
余談ですけど昔は調色後の塗料を小さな缶やビンに取っておきましたが、そういうのはだいたい乾燥してダメになってしまうものなんですよね。

デジタル計測で配合量を設定
測色機で調色に必要な配合をデータ化した後、そのデータを元にしてデジタル計測で配合量を設定。正確な調色にはこうした作業がマストなんだそうです
ハンサム自動車工場
ハンサム自動車工場ではスタンドックス製塗料を配合して調色。スイッチ1つで塗料が撹拌出来る専用棚を使って色ムラなどが発生しないよう管理されています
デジタル計測器に配合量を設定
デジタル計測器に配合量を設定すれば、音で知らせてくれ正確に調色可能。風の影響で変化してしまうほどデリケートな調色作業を確実にしてくれるそうです
ベース色となる白系の塗料
ベース色となる白系の塗料に、"軽い色"を次々と配合。"軽い色"が効いて色味が変わってしまいやすく、データの指示通りに配合していく事が大事なようです
スタンドックス製塗料を配合して調色
ハンサム自動車工場ではスタンドックス製塗料を配合して調色。スイッチ1つで塗料が撹拌出来る専用棚を使って色ムラなどが発生しないよう管理されています
しっかりと混ぜます
混ぜ方がいい加減だと混ぜムラが出てしまう。それでは色が混ざってない状態なため、配合量が同じでも見た目の色に差が出しまうのでしっかりと混ぜます
調色
"軽い色"が浮いてくるので必ず塗って確認。見た目に分からないほど調色で近づけていても、濡れてるときと乾いたときで色が変わってしまうものなんだとか
部分的に塗る
部分的に塗るとかで、少量だけ調合しても必ず一度塗って確認。実はメタリックよりソリッドカラーのほうがシビアなので、指で塗って乾いたものを確認します
ガンで噴く
指で塗った見え方とは、ガンで噴く事でまた変わってしまうもの。テスト紙には白黒模様(下地色)の上に噴き付けて、その下地色が透けなくなるまで塗ります
シンナーの調合量も測って最適な状態
ガンで噴く時は、そのためのシンナーの調合量も測って最適な状態で行います。テスト紙の下地色がない部分も塗って、塗り上がりに差がないことも確認します
最終確認
最終確認はしっかりと乾燥させてから。下地の色や素材の違いでも塗り上がりに差が出てしまうものなので、そうした差がないように塗り上げる必要があります
色見本と比較
今回測色するために使用した色見本と比較。実際にテストで塗ったテスト紙と色見本とを比べて、ほとんど遜色ないレベルまで近い調合であるように見える
微調色
背景を変えたり色見本と近づけたりしても差がないかを確認。結果的に差が見えてしまった場合は、さらに微調色して完璧に同じ見え方となるようにします

なぜこの時期に塗装の準備を始めたのか?

長期保管でサビてしまったケース
サイドパネルのボックスのフタ

さて「なぜこの時期に塗装の準備を始めたのか」をムゼオに聞いてみたので、ここからはそこのところをご覧いただきたいなと思います。

ムゼオ■塗装するべきボディパーツに関しては大方揃っていて、それに付随するものが若干足りていない程度ですね。ただダメな部分があるので、そういうダメなところをごまかすのではなく、なるべく入れ替えるようにしたいと思っています。
例えばサビているところはそのままパテを盛ったりしたくないんですよ。後で出てきちゃうのと、それなりにお金と手間がかかるところなので可能な限りやっておきたいというのが理由です。一度組んでしまうと後からサビが浮いてきたとなったら、またバラして全部やり直したり補修をする必要があるじゃないですか。それに補修するとその部分だけおかしくなるのでで。きれば全部やりたい。だけどそれにはお金もかかってしまいます。そういう意味でリスクを減らしたいため、なるべくダメな部分は直しておきたいんです。具体的にはサイドボックスのフタのチリが合わないというのと、フロアパネルの張り替えなんです。でもそれらは塗装を剥いで、部品を修正するなり付け替えるなりした段階でそのまま流れとして塗らないとサビてしまいます。なのであらかじめその前に打ち合わせをして、要するに準備をしておきたいという事なんですよ。
お金の準備だったり、心構えだったり、それにどういう調整でいくかという目安も立てたい。塗るにあたって色味だったり手順についても相談したい。そうしてハンサム自動車工場との折り合いが付けば、あとはこっちサイドの問題です。バラしたり、チリを合わせたり、費用を工面するといった事をやるというワケです。打ち合わせをした事で手応えはありました。どこまでやるのか、どうやるのか、そしていくらでやってもらえるのか......っていうところの相談をした結果、うまく話がまとまったので先が見えてきました。
そうなると次は持ち込むタイミングです。これはハンサム自動車工場の受け入れ体制が整う(塗りだすために塗るべきものを広げておくスペースが必要)のを待つ必要があります。こちらとしては塗装に適している春や秋かなと思っていますけど。結局はベスパの専門職ではないので、合間にやってもらうという事になるワケですよ。だからこそハンサム自動車工場側の出来るタイミングで気持ちよく作業してもらいたいと思っています。どちらかと言えばフツウの塗装と比べてオーダー内容が面倒じゃないですか。そういうところまで含めて、今回は特別にやってもらえることになったんです。
塗装が前提のボディパネルなので、長期保管でサビてしまったケースがこちら(写真左)です。ムゼオではキレイにサビを落としてからハンサム自動車工場に持ち込む予定にしていますが、持ち込む直前にサビを落とすようにしないと塗り出す前に再びサビてしまう可能性があります。また塗装に集中してもらうという意味でも、塗るための下準備......例えばチリ合わせ(写真右:サイドパネルのボックスのフタ)などはムゼオの方でやってから持ち込むそうです

調色の難しさ

塗装のための準備作業
塗装のための準備作業も持ち込むタイミングが決まらないと始まらないワケです。なのでまた少しの間だけ更新がおあずけとなってしまいそうな予感です......

レストアのための塗装とは、どうしても特殊なオーダーになりがちです。そのため望む仕上がりを得るためにはどういったオーダーをするかにかかっていると言っても過言ではありません。しかもムゼオとしてはハンサム自動車工場の面倒や負担までカバーしていく事で、より理想的な仕上がりを得るための努力を惜しまないという意気込みが今回の打ち合わせから感じられます。こうした準備や考え方も仕上がりレベルによってはマストなことなのかも知れませんね。
さて、塗装のタイミングなどはハンサム自動車さんの態勢が整ってからとなるようなので、次回の「旧車レストア編」がいつになるかはなんとも言えません。ですが進展があればすぐにお届けするようにしたいと思います。どうぞお楽しみに!

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