BBB MAGAZINE

  • インプレッション

    2019.06.14 / Vol.11

    ヤマハ セロー250 インプレッション

CREDIT

撮影協力:ウイリー松浦 谷田部オフロードコース

初心者からベテランライダーまでを虜にしているベストセラーのセロー250が、新たに施行された排気ガス規制の対策を施しついにリリースされた。カタログスペックの数字上では出力等がアップしているが、その走りはいかに?

第3次排出ガス規制に対応しながらもセローの持ち味をさらに引き出したニューモデル!

  新しく厳しい排気ガス規制に対応するために、しばらくの間だけ販売がストップされていたセロー250が、2018年8月31日に新たに発売された。

◎主要諸元

認定型式 2BK-DG31J
車台打刻型式 DG31J
原動機打刻型式 G3J9E
全長/全幅/全高 2100mm/805mm/1160mm
軸間距離 1360mm
シート高 830mm
最低地上高 285mm
車両重量 133kg
最小回転半径 1.9m
原動機種類 空冷、4ストローク、SOHC、2バルブ
気筒数配列 単気筒
総排気量 249cc
内径×行程 74.0mm×58.0mm
圧縮比 9.7:1
最高出力 14kW(20PS)/7500rpm
最大トルク 20N・m(2.1kgf・m)/6000rpm
始動方式 セルフ式
潤滑方式 ウエットサンプ
エンジンオイル容量 1.40L
燃料タンク容量 9.3L「無鉛レギュラーガソリン」指定
吸気・燃料装置/燃料供給方式 フューエルインジェクション
点火方式 TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式 12V,6.0Ah(10HR)/YTZ7S
駆動方式 チェーン
1次減速比 3.083(74/24)
2次減速比 3.200(48/15)
クラッチ形式 湿式、多板
変速装置 常時噛合式5速
変速方式 リターン式
変速比 2.846/1.812/1.318/1.035/0.821
フレーム形式 セミダブルクレードル
キャスター 26°40'
トレール 105mm
タイヤサイズ(前) 2.75-21 45P(チューブタイプ)
タイヤサイズ(後) 120/80-18M/C 62P(チューブレス)
制動装置形式(前) 油圧式シングルディスクブレーキ
制動装置形式(後) 油圧式シングルディスクブレーキ
ヘッドランプ ハロゲンバルブ/12V,60/55W×1
乗車定員 2名
メーカー希望小売価格 564,840円[消費税8%含む]
(本体価格 523,000円)

跨がった瞬間の安心感と、走り出す前のワクワク感は健在!!

新しくリリースされたファン待望のセロー250は、EUでの新しい排気ガス規制「EURO4」に倣い日本でも強化された排気ガス規制に適合させるためにキャニスターが装着された。

※キャニスターとは、蒸発ガソリンの外気への排出を低減するもの

  その他にも新たな法規制に合わせるため、テール周りにXT250Xのパーツを流用してナンバープレートの取付け角度を変更するなど、外観でも多少の変更が行われている。カラーリングは「オフホワイト/グリーン」、「ホワイト/オレンジ」、そして爽やかな「ホワイト/ブルー」が追加され、3種類の個性的なカラーリングが用意された。また、それぞれのカラーごとにホイールカラーも異なるという、ヤマハの美しいデザインへのこだわりがみえるカラーバリエーションともなっている。エンジンは、前述したように、新しく強化された第3次排出ガス規制をクリアするために、エンジン左前フレーム付近に黒いカバーに覆われているキャニスターが装着されている。

  カタログ数値では、最高出力が18馬力から20馬力へと2馬力アップしていることに注目されている方も多いだろう。新しい排ガス対策を行っても出力がアップしているということに驚き、なおかつ素直に嬉しいと思っていたのだが、これにはカラクリがあった。実は、最大出力数値を計算する際に細かい数値の端数の扱いを変更したため(計算方法を変更したため)に起こった数値の差で、実際の最大出力には変更は無いとのことだ。しかし、2次エア部のエアインダクションが蓋をされていたりするなど、エンジン部だけでも細かい変更点があるようで、実際のエンジンフィーリングが変わっているかもしれない。

  実際に跨がってみると(ライダーの身長168cm、体重70kg)、ポジションは前モデルと変わらず、座るだけでなぜかホッとするポジションだ。それは、830mmというオフロードバイクとしては低い部類に入るシート高のおかげかもしれない。また、シートの適度な柔らかさと1Gにおけるサスペンションの適度な沈み込みも、座った時に安心させてくれる要素のひとつだ。走り出す前に容易に想像できる"セローとの楽しい時間"に向けて、セローに跨がっただけでワクワク感を感じてしまうのは自分だけだろうか。

  ハンドルの幅や垂れ角も適度で、多くのライダーに違和感無く受け入れられるものだろう。また、ステップの位置も変更なく、座った位置から足を上げると自然にステップの収まるため、ライディングポジションにもストレスは無い。

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