BBB MAGAZINE

  • インプレッション

    2018.12.27 / Vol.10

    スズキ DL250インプレッション

CREDIT

  スズキVストロームシリーズの末弟にあたるVストローム250。このマシンは、兄貴分の1000や650のV型2気筒エンジンとは異なるエンジンレイアウトの並列2気筒エンジンを搭載しているスポーツアドベンチャーツアラーだ。純正オプションに設定されているシリーズ共通のパニアケースを装着すると、すぐにロングツーリング仕様となる250ccマシン。重量車以外のロングツアラーを求めていたライダーとっては、ひとつの有力な選択肢となりえるマシンだ。

DL250

  一目でVストロームとわかる独特なデザインを持つVストローム250。このデザインの元祖とも言える"80年代に活躍したアドベンチャーモデルDR--BIG"を継承したフロントマスクの、いわゆる"ペリカンのくちばし"は、往年のファンにはスズキらしさを充分感じとる事ができるだろう。また、DR--BIGを知らない世代にとっては新しいデザインとして受け入れられる斬新さも持ち合わせているだろう。

今回は、最初に高速道路での試乗から行う事にした。編集者と待ち合わせた高速道路のパーキングにたたずむVストローム250は、その大柄な車体から存在感を大きくアピールしている。ハンドルロックを解除し、ハンドルを握りいつものように力を込めて車体を起こす、と、見た目からは想像できないくらい軽量で、勢いよく起こした車体を思わず反対側に倒しそうになった。このとき初めて、250ccのオートバイであることを認識した。普段、リッターバイクや重量車にしか乗っていない自分のようなライダーには、車重の軽さと取り回しの軽さに劇的に驚き、感動することだろう。

早速エンジンを始動しスタートする。ワイヤー式でありながら軽い操作力のクラッチを軽くアテて本線へと向かう。合流ポイントでは、ギヤダウン操作を行いレッドゾーンまでエンジン回転を上げて加速していくと、トルクに乗せて車速が上がってくるような感覚ですぐに本線の流れに乗ることができる。パワーに関しては、低中速のトルクを厚く盛っているようなセッティングであるため、このような中速あたりからの中間加速でも過不足なく加速していくことができる。

後続車がいなくなったことを確認してから、意地悪くトップギヤのままで80km/h付近から徐々にスピードを上げてみる。80km/hでも大柄な車体の恩恵からか軽量ではあるが直進での安定性が高い。しかも、速度を上げていけば行くほど直進安定性が増していき、ニーグリップしたタンクあたりを無理にコジってみてもフラツキは一瞬で収束する。今回は試せなかったが、もし道路からイレギュラーなギャップを拾っても、車体自体がその振動をすぐに吸収し何事も無かったかのように走り続けられるような感じだ。高速道路上での緊急回避などで必要とされる急加速も試してみた。100km/h巡航時からでは中低速からの加速Gとまではいかないが、充分な加速力を持ち合わせており、危険が迫って来た時には安全に回避する事も可能だろう。

次にツーリングルートにもなる気持ち良いコーナーが連続するワインディングに入る。高速道路では良い意味で直進安定の強くなる傾向にあったハンドリングは、その表情をがらりと変える。1425mmというホイールベースながら、低中速のトルク感と切れ込み過ぎない適度にライダーに同調してくれるセルフステアリングによってコーナーを気持ちよく楽しく走れるのだ。大柄な車体ながら、アップライトなライディングポジションがライダーに与える安心感と股下でマシンを操れる軽量感が相まって、想像以上にワインディングを安全かつ軽快に走り抜けられる。また、信号待ちなどで停車する場合も800mmのシート高ながら路面に足を付き易い事も、ライダーに寄り添ってくれているマシンであることがわかる。

普段、リッターバイクに乗っているライダーにしてみれば、250ccという排気量のマシンは、明らかにパワー不足と感じることは否めないだろう。しかし、250ccという排気量でこれだけの走りの楽しさとアドベンチャー心をくすぐられるマシンは多く存在しない。これからの季節に向けて、北海道や九州などのロングツーリングには最適な1台といえるだろう。大型マシンには無い魅力と250ccという排気量が織りなす世界を、今一度体験しているもの良いのではないだろうか。セカンドバイクに、いやツーリングにはファーストバイクになるかもしれないほど、魅力溢れるマシンであることは一度乗ってみればすぐに分かる事だ。スズキの試乗会をチェックすべし。

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