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  • MotorCycleDays

    2014.06.27 / Vol.10

    バイクトラブル大百科「日本編」

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バイクで旅した日々は海外国内合わせて10年間以上、距離も40万キロ以上走っているので、旅先で起きた忘れられないバイクトラブルがいくつかある。実はメカにはめっぽう弱いのだ。これまでどんなトラブルが起こり、それをどう乗り越えてきたのか!? "他人の不幸は蜜の味!?(笑)"のバイクトラブル特集! 今回は自身が描いたイラストで紹介します!!

①「あーっ!バイクが湖に沈む!」 ~ヤマハRZ250/北海道/1984年~

バイクが沈んでしまう
バイクが沈んでしまう

日本一周で北海道を旅している時のことだった。初めてバイクで訪れた北海道は感動の連続、写真が好きな僕は、きれいな風景を見つける度にバイクを止めて、撮りまくっていた。道北にある朱鞠内湖に到着する。人工湖のため伐採された切り株がどこまでも続いている、そこには自然の湖とは違う、独特な風景が広がっていた。

湖畔のキャンプ場で1泊した翌朝。バイクのバックに湖を入れた写真を撮りたいと思い、バイクを押して湖のギリギリまで移動させた。するとそこの土が思ったより柔らかく、フロントタイヤがズルリ。「あ~~~~~っ!!」そのままタイヤは湖に落ち、バイクが水の中へズブズブと沈んで行く。「待ってくれーーっ!」叫びが通じたのか車体が半分くらい沈んだところで運よくピタッと止まった。

ハンドルを引っ張り上げようとするが、重くてなかなか動かない。すると僕の失態を遠くから見ていた人たちが駆け寄り、力を貸してくれた。3人で力を合わせようやく引き上げることができた。ああ、助かった。一時バイクはこのまま湖の底へ沈み、旅はここで終わるのかと思ったが、本当によかった。


プラグを外してキック
プラグを外してキック

ところが陸に引き揚げスターターを何度キックしてもエンジンがかからない。うそだろ!? どういうこと? マフラーからエンジン部分まで完全に水没したので、どこからか水が浸入したらしい。メカに無知な僕はどうすればいいのかわからず困り果てていると、助けてくれた人がスパークプラグを外し、キックを始めた。するとヘッド部から水がポンポン出てくる。水が出きったところでプラグを戻し、何度かキックをすると、蘇った。「すごい、ありがとうございます!」

RZ250
RZ250

②「これぞ究極のタイヤ補修方法!?」 ~ホンダXLS250/北海道/1985年~

ゴムのタイヤ地
ゴムのタイヤ地を通り越している

北海道のダートを2000km以上走ることが目標の旅だった。その時に乗っていたのは近所のバイク屋から10万円で買ったホンダXLS250で、当時でもかなり型遅れのバイクだった。

北海道の林道という林道を走りまくり、全行程の半部ぐらい走ったところで、フロントタイヤの減りを確認すると、とんでもないことになっていた! タイヤの中央部にあるはずのブロック部が減って無くなり、ゴムのタイヤ地を通り越して奥(内部)のオレンジ部分が見えているではないか。まさか、ここまで減っているとは思わなかった、完全に限界を超えているじゃん(苦笑)。

タイヤが壊れるのは時間の問題。少しでも早くタイヤ交換したいところだが、このフロントタイヤが23インチという特殊サイズ。電話帳でバイク屋を探して問い合わせてみるが、案の定どこも置いていない。これは困った... と頭を抱えた。それでもあきらめずに探し続けると、札幌のバイク屋があるという。やった、ラッキー。

「お願いします」と約束して電話を切ったが、ここから札幌まで500km以上ある。北海道はデッカイドー。この状態でどうやって札幌まで走ればいいんだ? 新しい難題が降りかかってきた。


瞬間接着剤は頼りになる
瞬間接着剤は頼りになる

そこでタイヤのサイド側のブロックはほとんど減っていないことを発見。そう北海道の道はカーブが少なくどこまでもまっすぐ、タイヤのサイドがほとんど減らないのだ。それを見て「ピン!」と閃いた。サイドのブロックをカッターで切り取り、そのキャラメル型のゴムの固まりに瞬間接着剤を塗り、減ったタイヤの真ん中に貼り付けた。そう、発想の転換、なければ作ればいいのだ。5,6か所にブロックを貼り付ける、よし、よし。これでタイヤの減りを抑えられるぞ。あとはこれで走れるかどうかだ。

エンジンを掛けて走り出すと、多少振動を感じるものの普通に走れる。OK、OK。バイクを止めてタイヤを確認すると剥がれていない。よし、行ける。ということでその状態でなんとか500kmを走り、札幌のバイク屋に到着。無事タイヤ交換することができた。

決してオススメできる方法ではないが(笑)いざというときは、柔軟性のある頭を持っていた方が、自由な発想が浮かんで来るし、それを実行に移すことができる。その典型のような出来事だった。当然のことだが、まあ、こんなことになる前にタイヤが減ってきたな~と思ったら、早めに交換しておきましょう(笑)

RZ250
XLS250

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