BBB MAGAZINE

  • MotorCycleDays

    2014.09.23 / Vol.13

    ちょっと笑える世界バイク旅エピソード

CREDIT

世界をバイクで旅をしていると日本の常識では考えられない、トンデモナイことが次々にやってくる。そう、旅には喜怒哀楽が凝縮されているのだ。世界中を旅してきた藤原かんいちだから語れる、バイクに関わるちょっと笑える、おもしろエピソードを直筆のイラストと共に紹介します!

①「昼なのにライトが点いてるぞ。わかってるよー!事件」
トルコほか

ライトが点いていることを教えてくれる

僕はいつでも日本で販売されている普通のバイクで海外を走っている。世界旅の3回目となる旅は原付スクーターDIOによるシルクロード横断で、スタートはギリシャだった。2か国目となるトルコを走りはじめると、なぜか時々対向車にパッシングされるようになった。「まさか? この先でスピード違反でもやってるの?」と思い注意しながら走るが、そんな気配はない。何だろう? わからない。トルコ式のご挨拶かな?

数日後、その理由がわかった。ある対向車から人が身を乗り出して、僕のヘッドライトを指さしながら、「おい、おまえ。昼間なのにライトが付きっぱなしだぞー!」と叫んだのだ。もちろんトルコ語で(笑)、その表情と動きから推測。なるほど、そういうことだったのか!と納得。さらに歩道を歩いている人たちまで、手を振りながら「おーい、ライト点いてるよ~」と親切心で教えてくれる。

トルコでのヒトコマ

いまの日本のバイクは運転者の意志とは関係なく、ライトは常時点燈するようになっている。だから日本ではバイクが昼間にライトを点けて走っていても何とも思わないが、トルコにはそんなバイクも、習慣もないので「あのバイク、ライトを消し忘れているぞ、教えてあげよう」と思い教えてくれるのだ。しかしそれが毎日、一日何回もあると、困ったことになる。走りながら「わかってる、わかってるから」と頷いても、向こうは親切心で言ってくれているし、何のことかわからない。まさか「日本のバイクはこうゆう仕組みになっていてね...」なんて一人一人に説明するわけにもいかない。日本にいるときは、まさかこんなことが起こるなんて、夢にも思っていなかった。実はその後トルコ以外の国でも同じことがあった。親切心が生んだ予想外エピソードなのである。

②「なぜか盗まれたのは一部分だけ...」
パキスタン

まさかウインカーだけが...

世界をバイクで旅をしていて一番の心配はバイクが盗まれること。バイクがなくなったら旅は終わりだし、実際に盗まれた経験もあるからね(笑)。バイクが盗難に遭わないよう、できる限り全体が柵に囲まれていて、門に鍵が閉まる安全なホテルを探すのだが、そういう宿は少ない。パキスタン中部、ようやく見つけたホテルは交通量の多い道を挟んで反対側に駐車場があった。道から丸見えで出入り自由、柵がないのは心配だったが「一晩中、見張り番が起きているから大丈夫!」というホテルの言葉を信じ、駐車場にバイクを預け、ここに泊まることにした。

翌朝。さあ、出発するかと思い駐車場のバイクへ行くと、パッソルの容姿がいつもよりさっぱりしている。「あれ、どうしてだろう?」「なんかおかしいぞ?」不思議に思いながら改めてよく見て、ようやく気が付いた。ウインカーがないのだ。前後左右4つのウインカーがきれいさっぱりなくなっているではないか。そんなことってあるの? どうやら夜の間に盗まれたらしい。門番にそのことを伝えると「ノーノー知らない!」と首を振る。おいおい、それじゃ見張り番がいる意味がないじゃないか(笑)適当なんだから。

パキスタンで泊まったホテル

それにしても、ウインカーだけ盗んでどうするんだろう? 自分のバイクに取り付けるのか? それとも売るのか? それともお部屋のインテリアに? まあウインカーがなくてもバイクは走れるからいいんだけど、盗むのは良くないよね。それにしても何ともおかしな盗難事件だった。

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