BBB MAGAZINE

  • 大人のたしなみとしてベスパに接してみよう!

    2016.10.03 / Vol.28

    - page2 - ヒストリックモデル #08

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    隅本辰哉

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    隅本辰哉

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    Vespa

シリーズにATモデルを加え充実のラインナップが完成

PK80S automatica
同形状ボディにATユニット搭載
その超絶パッケージングに注目!

PK80S automatica
今でこそクラシカルなルックスのPKシリーズですが、デビュー当時の80年代と言えばバイクはもちろん、クルマでも角ばったデザインがもてはやされていた時代です。デザインを時代の流行に合わせていながら旧態依然としたハンドチェンジを残しましたが、それでも果敢にAT仕様もラインナップしたことは評価すべきポイントです。

PKシリーズのスゴいところ......これはもうなんと言ってもマニュアル車、それに加えてオートマチック車が"同形状のボディ"という括りの中でラインナップされていた点に尽きると言えます。それまでのベスパの歴史のなかで初めて2種類の駆動方式のモデルを同時に発売し、しかもその異なる駆動方式を共通のボディにどうにかこうにか収めていたワケです。
さらにベスパとしてはスモールシリーズで初のオートマチック化であり、これほどのトピックをPKシリーズのデビューに用意してきたのですから、ピアッジオの本気度は生半可なものではなかったのだろうと推測します。
ここでは駆動方式の異なる2台を比較してみることにしましょう。そしてどうせならもう一つのトピックであるフロントの足回りについても比較できた方が良いだろうということで、PK80S automaticaを担ぎ出してみました。

【MT/ATディテール比較】

※写真の並びは全て左がPK80S automatica、右がPK50SS

◎エンブレム

PK80S automaticaエンブレム
PK50SSエンブレム

80のエンブレムは下側に水色のラインなど、ちょっとシャレた80年代デザインを採用しているのが特徴です。そして80のレッグシールド用モールは黒で、50は銀のプラスチック製となります

◎メーター

PK80S automaticaメーター
PK50SSメーター

黒い盤面に白文字というとてもシンプルな丸形スピードメーターを採用しています。なお80のフルスケールは120㎞/h表示なのに対して、50の方では80㎞/hまでの表示となっています

◎左グリップ

PK80S automaticaグリップ
PK50SSグリップ

80の方にクラッチ操作の必要はありませんが、ハンドチェンジ車と同じようにグリップ部を根本から回転させてニュートラルとドライブを選択します。50は通常のハンドチェンジ式4段変速です

◎フロント回り

PK80S automaticaフロント回り
PK50SSフロント回り

80の方は少し長めのハブカバーが装着されていて、支点から作用点までの間隔も広め。そしてブレーキワイヤーエンドが調整式なのもポイントです。50はそれまでのスモールと同構造のままです

◎ガソリンタンク

PK80S automaticaガソリンタンク
PK50SSガソリンタンク

80のシート下に物入れはなく、オイル注入口とオイルゲージが設置されています。50の方は前端が物入れなので意外に重宝します。80は前方ヒンジ付近左右に荷かけフックを装備しています

◎サイドフラップ

PK80S automaticaサイドフラップ
PK50SSサイドフラップ

スリット入りサイドフラップはオートマチカの証です。そのため50の方にはスリットがなく、プレーンな仕上げになっています。また上部キー付きオープナーを押すとフラップが開く仕組みです

◎エンジン

PK80S automaticaエンジン
PK50SSエンジン

80の方はオートマチックトランスミッションを備えているので、ご覧のようにかなりの張り出し感があります。それでも収まっているのですから、ほどほどコンパクトな設計だと言えるでしょう

シリーズが誇る豊富な車種構成から一部抜粋にてご紹介

PKシリーズにはMT/ATという駆動方式の違い、50/80/125㏄という排気量の違い、セルスターターなどといった装備の違い......などから、仕様差による豊富なバリエーション設定がされていました。もちろん日本国内にそれらすべてが輸入されたわけではないので、残念ながらそのすべてをお見せすることはできません。しかし注目しておきたい車両、あえて押さえておきたい車両など、独断で3台まで絞り込んだうえでそれらを紹介しておくことにします。

PK125ETS

PK125ETS(1984〜1985)
PK125ETSは、シリーズに設定されたスポーツモデルとなります。デロルト製φ20㎜キャブレターを装着し、データ的にはシリーズ最速という位置づけでした。ちなみに通常の125ccモデルに使用されるキャブレターはφ19㎜サイズ。マフラーは独自のモノを採用し、その形状と取りまわし方法によりスペアタイヤを積むことができません。デザイン面でもノーズやテールまわりに空力を意識していることがうかがえ、ルックスを見ても他のモデルとは雰囲気の異なるスポーティな仕上がりです。

空力を意識して凝ったデザイン
PKシリーズはPXの顔つきを持つラージ風デザインというイメージ戦略を打ち出しましたが、スポーティモデルのETSになると空力を意識して凝ったデザインへとブラッシュアップされました
ETSのメーター回り
独特な雰囲気の"のっぺり"としたトップカバーを採用するETSのメーター回りがこちら。なおスピードメーターは120㎞/hまで目盛られ、燃料計と各種インジケーターが組み込まれています
サイドパネル内
PKシリーズは左サイドパネル内にスペアタイヤが収まる設計ですが、マフラー形状によりETSでは省略されました。なお大きなウインカー、面を合わせた特殊形状のリヤバンパーも特徴です
PK125S Elestart

PK125S Elestart(1983〜1986)
正規輸入車として日本国内にデリバリーされたPK125SはATモデルのオートマチカだったんですが、こちらは並行輸入モノで4速マニュアル仕様のレアモデルです。CDI3ポートを採用し、そこにセルスターターを装備することで、通常売られていたモデルよりも少し装備が充実した上級グレードモデルということになります。なおPK125S ElestartのスポーティバージョンがETSということになります。

ハンドチェンジ方式4速シフト機構
正規輸入のオートマチカと異なり、ハンドチェンジ方式4速シフト機構を備えています。スイッチはウインカー用で、グリップ付け根には簡易的なシフトポジションインジケーターを装備しています
右グリップ側の赤いボタンがセルスターター
右グリップ側の赤いボタンがセルスターターで、こうした装備を車名のElestartが表しています。
エンブレム
なおエンブレムの"ELECTRONIC 3"とは、CDIと3ポートであることをアピールしています
PK50SS Elestart

PK50SS Elestart(1984〜1985)
こちらはメインで取り上げた赤いPK50SSのセル付きバージョンとなり、バリエーション上ではちょっぴり豪華なモデルといった位置づけです。ただし仕向地がドイツのものと思われ、そこから流れてきた車両となります。そのため現地の保安基準対策だと思われるのですが、少し大きく飛び出した感じのウインカーを装着しているのがポイントです。またシートに直付けのグラブバーが装備され、バッテリーも搭載されています。

大型ウインカー
特定できるほどのデータや情報がないのではっきりとしたことは言えませんが、ドイツ仕様モデルの場合は他メーカーの車種でも同じような大型ウインカーを装着した車両をわりとよく見かけます
赤いボタンがセルスターター
セルスターターを装備し、車名とエンブレムにElestartが入るところがポイントです。
サブエンブレム
こちらも右グリップ側の赤いボタンがセルスターターで、メイン車とは装備の違いでサブエンブレムが異なっています

今回はこれにて終了!!

三つ折りの小型カタログ
三つ折りの小型カタログ(国内モノではなく、海外のモノ)はETS専用です。本来はカタログ写真のようなライン入りで、車両紹介の写真では残念ながらラインが無くなっています
各種PKシリーズに用意された取扱説明書
各種PKシリーズに用意された取扱説明書、マニュアル、カタログなどを集めてみました。共通のモノもあれば、専用のモノも用意されていて、なかなか興味深いものがあります
PK50SSに関連するものばかり集めてみました
こちらはPK50SSに関連するものばかり集めてみました。専用カタログのほか、アクセサリーカタログも存在するので、こういう資料を元に純正アクセサリーを探すのも一興でしょう

さて今回の「ヒストリックモデル#08」では豊富なバリエーション構成のPKシリーズ中、第1世代となる車両群をご紹介しました。それまでのスモールシリーズからガラッとイメージを変え、P/PXを踏襲したデザインをまとっていたのが特徴です。
Pのことをベスパ史上で重要な1台だとしましたが、PKシリーズもそこに加えたい1台であることを付け加えておきたいと思います。そして「ヒストリックモデル#09」をお届けする際は、第2世代と第3世代のことも掘り下げていきたいと考えていますのでお楽しみに!

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