BBB MAGAZINE

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    2021.02.22 / Vol.79

    スモールで遊ぶ #20/VespaGP-2020シーズンRound3

CREDIT

取材協力:VespaGP事務局
2020年はコロナの影響を強く受け、VespaGPは開催すら危ぶまれた1年でした。結果、縮小こそされましたが全3戦で組まれた2020シーズン。その最終戦は筑波サーキット・コース1000が舞台。そこにドラマはあったのか!? 今回は最終戦の模様を車載カメラの画像中心でお届けしていきます!

1年ぶりの筑波サーキットをVespaが席巻!

フロントが浮き上がるほど気合の入った、正にスタートの瞬間がこちら この一瞬をこのアングルで押さえられるのは車載カメラならではでしょう

VespaGP-2020シーズン第3戦(最終戦)
日時:2020年11月22日
場所:筑波サーキット・コース1000
天候:曇りのち晴れ
路面:ドライ
レース形式:スプリント
主催:VespaGP事務局(https://www.vespagp.com/)

  既に暦の上では2021年になっていたりしますが、今回は昨年11月22日に筑波サーキット・コース1000でシリーズ第3戦が開催されたVespaGP当日のレポートをお届けします。
   朝のうちは曇り空で気温も低めでしたが、徐々に天候は回復。気温も上昇して最高のレース日和となったこの日、青木拓磨氏の主催するtakumagpの1カテゴリーとしてVespaGPが開催されました。
    事務局から「今年はコロナ禍で思うようにレース活動が出来なかったですが、これが今シーズン最後のレースとあって存分に楽しもうと参加者みんな準備してました!」というコメントが届けられ、それを裏付けるように参加ライダー達の活き活きとした表情が印象的な一日のスタートとなりました。

  筑波でVespaGPが開催されるのはちょうど1年ぶり。それだけに練習走行では手探り状態でコースインし、攻略の糸口を掴み取ろうと必死に走行している様子が窺えます。その練習走行で45'775というトップタイムを叩き出したのがMaster-Classの♯5菊地(信)選手。そしてGP-Classでは48'010の♯28佐藤(剛)選手がトップタイムを記録。当然ですがここから先は参加全ライダーがこの2人と彼らのタイムをマークしていく事になるので、ここから熾烈な戦いが始まっていくのは必至と言えそうです。

  続く予選では45'874の好タイムをマークし、この日絶好調の菊地(信)選手がMaster-Classの予選1位を獲得。しかし同じ45秒台に昨シーズンのチャンピオンである♯23宮地選手がつけ、さらに♯7牧野選手と続きます。この辺り、菊地(信)選手も気を抜けない状況だと言えそうです。
  いっぽうのGP-Classでは、練習走行で佐藤(剛)選手と同じく48秒台で周回した♯55三浦選手が一人だけ46秒台に突入。なんと46'956で予選を制します。そこに佐藤(剛)選手と♯32川島選手らが47秒台で猛追というオーダー。こちらも全く気を抜けない状況であるのは間違いありません。

  さて、ここで決勝レースについて触れておきましょう。VespaGPのレースレポートを楽しみにされてらっしゃる読者の方にはお馴染みだと思いますが、VespaGPには参加者とギャラリーが楽しめるような仕掛けがいくつも用意されています。
  その一つがリバースグリッドと名付けられたスタート時の並びです。通常だと予選結果に従い、速い順にフロントローからグリッドに着きますよね。ところがVespaGPでは真逆だったりします。予選結果の速いライダーほど後方のグリッドに着くんです。「え?」ですよね。でも、そうする事でスタートからギンギンの接戦が展開されるので、参加ライダー達からもギャラリーからも好評だったりするそうです。
  そしてGP-Classがリバースグリッドで並び終えたその後方には同様にリバースグリッドでMaster-Classの面々が並ぶのですが、こちらは時差スタートというハンデが課せられたビハインドスタート方式も採用されています。
  今回はGP-Classがスタートを切ってから20秒遅れのスタートとなりますが、このビハインドタイムはコースやその日の参加ライダー達のタイム等から決定されます。これがまた絶妙なタイム差となっていて、Master-Classは設定周回数の中でGP-Classに追いつけるのか、逆にGP-ClassはMaster-Classの追走劇から逃げ通せるのかというところも見所になってきます。

  さて、そうこうしていると決勝レースの時間が迫ってきました。筑波サーキット・コース1000を舞台として、12周のスプリント形式で競われるVespaGP-2020シーズンRound3(最終戦)がいよいよスタートです。
  真っ先に抜け出し、トップへと躍り出たのはGP-Classの川島選手(この段階ではまだMaster-Classがスタートしていません)。川島選手はマシンも好調な様子で、逃げ切るという作戦でいく模様。
  GP-Classのスタートから20秒が経過したところで、今度はMaster-Classのスタートです。こちらは1コーナーをトップで制した菊地(信)選手がレースを牽引するかと思いきや、1周目の左コーナーでまさかのミス!  このスキを逃す事なく♯20尾西選手と宮地選手が前に。これでオーダーが入れ替わるも束の間、今度は宮地選手が尾西選手をパスしてトップに。
  そのままGP-Classをオーバーテイクし始める宮地選手と尾西選手ですが、一時は3番手まで順位を下げた菊地(信)選手がこれに追い付き2番手にポジションを上げてきています。

  いっぽうGP-Classはと言うと、依然として川島選手がトップを維持。なんでも今回に合わせたセッティングとライディングの鍛錬による甲斐あって、タイムが伸びて独走体制で周回を重ねていきます。
  2番手でこれを追う佐藤(剛)選手はギア抜けやクラッチトラブルに見舞われ、思うような追撃が叶わない状況。ストレスの溜まるレース展開と言えそうです。さらに3番手には♯44小林選手とのバトルを制した三浦選手の姿も。

  ここからラストスパートがかかり、GP-Classは2位争いが激化。どうにか三浦選手の凄まじい追い上げを交わし切った佐藤(剛)選手が2位に、惜しくも三浦選手は3位でチェッカーを受けました。
  そしてもちろん1位に輝いたのは川島選手。参戦し始めてから念願だった初優勝をもぎ取りました。
  またMASTER-Classではディフェンディングチャンピオンの宮地選手がトップでチェッカーを受け、続く菊地(信)選手がそのまま2位に。その後方で3位争いを繰り広げていた牧野選手と尾西選手ですが、その抜きつ抜かれつのバトルを制した牧野選手が3位となりました。

RESULT

後列左から前列右へ)
2位:佐藤(剛)選手、1位:川島選手、3位:三浦選手、4位:松本選手、5位:小林選手、6位:佐藤(充)選手

GP-Class決勝結果
1位 No.32 川島選手 白井ベスパ
2位 No.28 佐藤(剛)選手 QUARTER DRAGON
3位 No.55 三浦選手 ふさのスポーツ
4位 No.61 松本選手 茅ヶ崎ボングー
5位 No.44 小林選手 ふさのスポーツ
6位 No.27 佐藤(充)選手 SugerBroters
7位 No.22 柳本選手 BUSINESS-ART
8位 No.59 菊谷選手 SOGNO VESPA CLUB
9位 No.33 尾崎選手 Vespa Club Kanagawa RT

MASTER-Class

左から順に)
2位:菊地(信)選手、1位:宮地選手、3位:牧野選手

MASTER-Class決勝結果
1位 No.23 宮地選手 BUSINESS-ART
2位 No.5 菊地(信)選手 COMPLETELOOK
3位 No.7 牧野選手 Vespa Club Kanagawa RT
4位 No.20 尾西選手 茅ヶ崎ボングー

今回はここまで!

コロナ禍で開催された2020シーズンが無事に幕を閉じました
2021シーズンもVespaGP全戦のレポートをお届けしていく予定です!

  なかなか開幕の便りが聞こえてこなかった2020シーズンのVespaGPでしたが、それでも全3戦というスケジュールでどうにか組まれ、その幕を無事に降ろす事ができました。これには参加者達の情熱はもちろんですが、開催を諦めなかった事務局の熱意もあってこそでしょう。ぜひ、2021シーズンも一丸となって突き進んでもらいたいと思います。
  なおホームページで1月11日にアップされた「2021新年のご挨拶。」では、シーズン開始予定は5月以降を予定といった発表がありました。詳細は決定次第との事ですが、2021シーズンも我々を楽しませてくれそうです。ぜひ、期待して続報を待つとしましょう!

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