BBB MAGAZINE

  • 藤原かんいち電動バイク世界一周

    2007.11.06 / Vol.39

    電動バイク世界一周の旅『 ゴール地バンコクでサプライズ 』

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    藤原かんいち

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    藤原かんいち

    • バイク

    パッソル

VOL.39 『 ゴール地バンコクでサプライズ 』[アジア大陸編]

藤原かんいちの冒険ツーリング

感動の再会

5大陸を走りきった2台のバイク
5大陸を走りきった2台のバイクをバンコクから日本へと送り出す。5月までしばらくお別れ、最後の日本の旅も頼むぞ

ゴール地バンコクでサプライズが待っていた。インターネットカフェでメールを確認したところ、な、な、なんと、バックパックを背負って世界一周をしている、こーいち&なお夫婦が、もうすぐバンコクへやって来るというのだ。

ふたりと最初に会ったのは05年10月、ブルガリア・ソフィアの日本人宿。お互い夫婦旅ということで、すぐに意気投合。そのときこーいち君はギターを持っていたが「いやぁ、実は... 最初は2年半もの長い旅なので、のんびりギターでも弾けるかなぁと思ったんですけど、旅に出てみると行きたい所がどんどん出てきて、ギターケースを開ける暇もないんですよ~」と大笑いしたことをよく憶えている。


こーいち&なお夫婦
バンコクでこーいち&なお夫婦とアフリカ以来1年8ヶ月ぶりの再会。お互い元気でよかった、再会を祝して乾杯だ!

パワフルななおちゃんに引っ張られ、温和なこーいち君が付いて行く、というのがふたりのスタイル。これがバランスの取れた、いいコンビ(夫婦)なのだ。 そんなふたりと9ヵ月後にタンザニア・ダリエスサラームで再会。ふたりの到着が僕たちの出発の日とぶつかり、短い時間しか一緒にいられなかったが、嬉しい再会だった。

それからほとんどメールもしていなかったが、神様のお導きか、ふたりがアジアにいることが偶然わかったのだ。メールしたところ、僕たちの到着3日後にふたりもバンコクに入るというではないか、何というタイミング。すぐに会おうとメールを送った。


仏教の国タイ
仏教の国タイ。バンコクのワット・ポーには金色に輝く巨大な寝仏がある。長さ46m、足の裏には細工画が描かれている

ホテルのロビーでふたりを待っていると... 懐かしい顔が現れた。「おおおっ、久しぶりーっ!」「元気!?」「いやあ、嬉しいなぁ」「まさかまた会えるとはね!あははは...」1年8ヶ月ぶりだが、ふたりとも全然変わっていない。

それからバンコク滞在中は連日連夜4人で賑やかなカオサン通りへ繰り出し、屋台でめしを食い、ビールを飲み、騒いだ。お互い旅人、話題が尽きることはない。ふたりがくれた楽しい時間は、バンコク到着最高のご褒美。ふたりの旅はいまも続いている。

アンコール・ワットと巨木

トゥクトゥク
空港からトゥクトゥクに乗って町のゲストハウスに向かう。アンコール遺跡は広いのでトゥクトゥクで回った

バンコクに10日間滞在。バイクを日本へ輸送する手続きが終わると、バンコクから飛行機に乗り、カンボジアのアンコール・ワットへ向かった。
140年前にフランス人博物学者が再発見されるまで、密林の奥深くで眠っていたアンコール・ワット。周辺にはクメール王国が築いた貴重な巨大寺院群が数多く残されている。
シェムリアップ空港に到着すると、トゥクトゥク(バイクタクシー)で町へ向かう。周りは林が延々と続いている。この奥にアンコール遺跡があるのか... 想像しただけでワクワクしてくる。


フルーツを売る子供たち
遺跡の近くでフルーツを売る子供たち。みんな元気で明るい! 時々マンゴーを買って食べたが甘くておいしかった

翌日、トゥクトゥクで遺跡へ向かう。5km位走っただろうか、林が途切れ、視界が開けると、アンコール・ワットが現れる。近づくと日本の城を思わせるような、豊かな水をたたえた大きな堀が、周りをグルッと囲んでいる。
参堂を歩いてゆくと回廊が現れる。第一回廊の壁には「天国と地獄」や数々の戦いの様子を描いた彫刻壁画が、これでもかというほど描かれている。それぞれにストーリーがあり、まるで絵巻物をみているようだ。
第二回廊を抜けさらに中央部へ進んでゆくと、天に向かって延びる中央祠堂が現れる。その造形の素晴らしさは「見事!」の一言。僕たちは時が経つのも忘れて遺跡を歩き、この地が栄えていた遠い過去の時代へと思いを馳せた。


タ・プローム
タ・プローム。遺跡を押しつぶすように延びるスポアンの巨木には人間など太刀打ちできない、自然の大きさを感じた

続けて「バイヨン」「象のテラス」「タ・ケウ」などを見学。そして、僕たちの一番の目的地である「タ・プローム」へ向かう。さあ、いよいよだ。
林の中をゆっくり歩いてゆくと、緑の苔に覆われた遺跡群が現れる。アンコール・ワットに比べると遺跡の痛みは激しく、崩れたままのところが多い。だがそれが逆に歴史の重さを感じさせる。きっと発見された当時とあまり変わっていないだろう。
いくつかの扉をくぐると
「おおおっ、これに会いたかったんだよ!」
僕は感激の声を上げた。巨木スポアンの根が、まるで遺跡を押しつぶすようにして延びていたのだ。まるで相手を巻き込み殺してしまう大蛇のようだ。何とパワーに溢れた木なのか、自然の脅威を感じる。写真を見てすごいと思ったが、実物はそれ以上だった。
他にも回廊を踏みつけるように延びる木や、鳥の足のように建物を握る木などいろんな木がある。どれもが生命力がみなぎる巨木ばかり、鮮烈に心に残った。

最後の国、台湾へ

士林観光夜市
士林観光夜市では、お好み焼きからシーフード、ワンタンスープまでいろんな食に挑戦した。食後のフルーツジュースも美味

最後の目的地は、台湾の山中にある紅ヒノキの巨木。
飛行機でカンボジアからタイを経由して台湾・台北に入る。町並みはさらに近代的になった。有名な士林観光夜市場へ行き、おいしい台湾食を満喫。翌日は列車に乗り南部にある阿里山へと向かった。嘉義駅で降りバスに乗り換え。しばらくすると徐々に山道になる、なだらかな山並み、緑の森、カーブが連続する峠道、日本の風景そっくりだ。
終点の阿里山で降ると、早速周辺を散策する。この辺りは桜の名所らしく、たくさんの花見客が山歩きを楽しんでいる。翌日、巨木をめぐる遊歩道を歩き、1000歳を越える長寿の紅ヒノキなどを見て歩いた。自然も美しく木も素晴らしかったが、どうも物足りない。そこで僕たちは、さらに大きな巨木があるといわれる台湾北部の拉拉山を訪ねることにした。残り後2日間で行けるのか? いや、こうなったら強行軍だ。


阿里山
阿里山にて。この巨大な根元は、角度によっては象の顔に見えることから「象鼻木」と呼ばれている

翌日バスで3時間かけて山を降り、嘉義駅から新幹線の駅へバスで移動。新幹線に1時間半。桃園駅からはタクシーで山に入った。9時間かけてどうにか山奥の村にたどり着いた。よかった...と安心したもつかの間、泊まる宿がない! 民宿は何軒かあるのだが、どこも閉まっているのだ。人に聞こうにも言葉がわからない。困っていると、英語を話せる女の子が心配して声をかけてくれた。藁をも掴む思いで状況を話すと、民宿を紹介してくれ、何とか宿が確保できた。あの女の子がいなかったら、一体どうなっていただろう...
民宿から歩いて山の中へ入ってゆく。とにかく緑が豊かなので、歩いているだけで気持ちがいい。次々に巨木が現れる。木は1から24まで番号が付けられ、年齢や大きさがひと目でわかるようになっていた。


拉拉山の紅ヒノキ
拉拉山の紅ヒノキは台湾を代表する神木。遊歩道を3時間ほど歩いたが、周りの自然も素晴らしかった

「おおっ、これはスゴイ!」
思わず唸ったのは5本目の巨木。幹回り13.4m、2800歳の紅ヒノキが、天に向かって力強く延びている。アメリカのセコイヤやアフリカのバオバブのように、人を圧倒するパワーはないが、その木には何ともいえない味わいがあった。派手さはないが、しみじみと眺めたくなる、奥の深さ感じるのだ。僕たちは深い森と巨木が作る大自然を、心行くまで堪能。無理をして来てよかったと心から思った。
そして僕たちは、2008年4月11日。海外の旅を全て終えて、8ヶ月ぶりの帰国を果たした。台湾があまりに日本に似ていたので大きなギャップもなく、すぐに日本に溶け込んだ。さあ、あとは日本の旅を残すだけ。最後はまたバイクで日本を楽しむぞ!

現在地:日本(2008年5月5日付)
パッソルの総走行距離:49,726km(アジアの走行距離:12,830km)
今回のルート: Bangkok ......飛行機......Cambodia(Siem Reap)アンコール遺跡見学......飛行機......Taiwan(台北)......陸路......阿里山......陸路......拉拉山......陸路......台北......飛行機......日本帰国
訪問国数:44カ国
文/写真:藤原かんいち&ヒロコ

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