BBB MAGAZINE

  • MotorCycleDays

    2015.07.13 / Vol.23

    バイク旅行家の本棚②

CREDIT

    • ライター
    • 執筆

    藤原かんいち

    • 撮影

    藤原かんいち

    • バイク

    リトルカブ

前回は僕の本棚に並んでいる本の中でも特に思い出に残っている、僕の人生に大きな影響を与えた、いや人生を変えたと言ってもいい本を3冊紹介した。そこで今回は、手前みそながら、そんな僕が書いた唯一の単行本を紹介しよう。それは旅資金10万円だけで日本一周のバイクの旅ができるか?という、スーパーカブで日本一周にチャレンジをして旅行記本。内容は1995年にアウトライダー誌で1年間連載した「カブ号の冒険」に加筆したもので、さらに僕が書いたイラストと旅のノウハウなども入っている。現在は残念ながら絶版になっているが、アマゾンなどで中古品は買えるようなので、気になった人はぜひチェックしてください♪
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「原チャリ野郎のハラペコ日本一周」74日間1万3390km 8万5909円の旅

原チャリ野郎のハラペコ日本一周

書籍名:「原チャリ野郎のハラペコ日本一周
著者:藤原寛一
発行所:JTB出版
発売日:1997年

「今、目の前に10万円があるとしたら、あなたはこのお金を何に使うだろう?」という言葉でこの本の扉は開く。 お金に対する価値感は人それぞれで「10万円ぽっちじゃ何もできないよ~」という人もいれば「10万円あれば2カ月は暮らせるな!」という人もいる。物を買う人もいれば、食べ物に使う人、遊びに行く人、誰かのために使う人、使い方はさまざまだろう。

そこで旅が好きな僕は10万円という金額で日本一周の旅はできないか?と考えてみた。ライダーなら誰もが一度は憧れる日本一周。もしかしたら節約をすれば10万円でできるかもしれない?これまで何度もビンボー旅をしている僕は、10万円は非現実的な金額ではない気がした。物を買って得られる幸せなんてたかが知れている、それなら僕は目に見えないことにお金を使いたい。もし10万円でひとつの夢を実現することができたら、こんなに素晴らしいことはない。それは消えることのない一生の宝物になるだろう。

収納ケースに日本一周のルートを書き込む

そんな風にして僕の「10万円で日本一周ができるか?」というチャレンジストーリーが始まった。ちなみにこの10万円には、ガソリン代、食費、フェリー代、宿代、風呂代など旅でかかるお金を全てが含まれている。旅計画を練り始めると、いきなり大きな難題にぶち当たった。それは沖縄へ渡るフェリー代。調べて行くと「鹿児島~那覇」のフェリー代が往復約3万円することがわかったのだ。ということは実質7万円で日本一周をしなければならない。これはかなり厳しい状況だ。さらにプラスして北海道と四国に渡るフェリー代もかかる、これはどう計算しても難しい。12万円なら何とか行けそうだが、ここは10万円にこだわりたい。そこで残念ながら沖縄行きは泣く泣く諦め、沖縄を除く全都道府県を巡る日本一周に切り替えた。

全経費を単純に割り出してみるとガソリン代(燃費をリッター30km計算)だけで半分、5万円になることがわかった。食費は自炊で切り詰め、泊まりは全部野宿にして0円にすることはできる、しかしガソリン代だけはどうすることもできない。切り詰めるとしたら走る距離を短くするしかない。だがそれでは旅する意味がなくなってしまう。 再び難関にぶつかってしまった。やはり10万円では無理なのか... そこでピンと閃いた。「そうか、燃費のいいバイクを使えばいいだ!」最も燃費のいいバイクの代名詞と言ったらスーパーカブ。カタログデータではリッター100km以上、荷物もあるのでさすがに100kmは無理だとしても、60~70km位は期待できそう。もしそれ位走ってくれれば、ガソリン代は予定の半分になる。おおっ、これはもしかしたら、もしかして、可能性があるんじゃない!? 突然、希望が湧いてきた。

自宅マンションの前を出発

60日間で一周するとして、一日約1500円。ガソリン代を500円とすると、使える金額は一日1000円。この金額で食べて、泊まって、風呂に入って、フェリーの乗るのか? できるのか? いや、できるかどうかわからないからやる価値があるんじゃないか! よし、やってやる!! と熱く燃え上がった。
この旅の計画を友人に話すと「腹が減ってもお墓のお供え物は食べない方がいいよ、腐っていたら大変な目の合うからな...」とか「地方の物産展の試食コーナーで片っ端から摘まんでいったらお腹にたまるんじゃない」などアドバイスと言えないようなアドバイスを受け、予想外に盛り上がった。どうやらみんな自分ではやりたくないが、考えるのは楽しいらしい。自分で考え作り上げていく、そこがビンボー旅の面白さなのかもしれない。 出発前夜。これからしばらくはおいしいものは食べられなくなるということで、妻が夕食に焼肉を用意してくれた。翌日からのビンボーな毎日なので、ここぞとばかりに食い貯めをした。さらに旅の途中で病気になっても病院へ行けないということで、妻からたくさんの薬とビタミン剤を受け取った。そんな妻の心遣い感謝をした。

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