BBB MAGAZINE

  • 日本一周ライダーズファイル

    2020.11.16 / Vol29

    KOBAさん(埼玉県在住)

CREDIT

    • ライター
    • 執筆

    藤原かんいち

    • 撮影

    藤原かんいち

    • バイク

    スズキ アクロス

旅の目的・テーマ

  予算は25万円。夏休み期間の1ヶ月半で行けるところまで、遠くまで、見たことのない世界を見に行ってみようと思いました。
  また大学4年生の夏にアクロスを父から譲り受けて3年、父へ返す時期が迫っていたので「アクロスと最後の思い出作り」の意味もありました。

ストーリー

父親がバイク乗りだったため、小さい頃から家にバイクがありました。10歳の時、父親が運転するアクロスの後ろに乗せてもらい、いつか自分でバイクを運転したいと思うように。小学生の頃に書いた"未来への自分の手紙"の第一声が「今バイクに乗っていますか?」でした(笑)。父親が学生時代にバイクで本州を一周したときの写真を見たり、藤原寛一の「原チャリ野郎のハラペコ日本一周」を読んで、旅へ憧れを抱くようになり、大学3年の時、東北を周っていた時に日本一周ライダーと出会い、話を聞いて「やるなら今しかない!」と思い決心した。また、10歳の時はじめて乗ったバイクと日本一周をすることで最後の思い出作り、「このバイクに見たことのない景色を見せてやりたい!」と思っていました。

旅データ

■時期と日数
2019年8月5日〜9月21日(42日間)

■ルート
東北(山形県スタート)→太平洋沿いに出て南下→鹿児島県の本土最南端、佐多岬で折り返し北上→九州、本州などを経由して北海道へ→北海道を一周して東北の太平洋側を南下→山形県にゴール

■訪問した都道府県
44都道府県

■走行距離
10,523㎞

使用バイク車種

SUZUKI ACROSS

good
最大の特徴であるメットイン。荷物が濡れないし、メインキーだけで操作できるので咄嗟の時にも荷物を取り出せる。 絶版不人気車のためバイク乗りに声をかけられることも多かった。

bad
唯一の欠点は燃費があまり良くない事(リッター20km程度)

「聞いてみた、10の質問」

1.旅用にカスタムしましたか?

メットインの中にUSBポートを取り付けた。安物だったためか道中使い物にならなくなり、買い直すハメに...


2.荷物はどんな風に積載したか?

リアシートの上にタナックスのシートバッグを積載。その上にリュックを積みました。リュックには三脚やタオルなど持ち運ぶもの、シートバッグにはキャンプで使うものを収納した。


3.持参したアイテムで良かったものは?

良かった物"工具"
車載工具にプラスαを持参。工具のおかげで道中USBポート取り付け直しやその他調整などがとても楽になった。

悪かった物"スケッチブック"
旅の途中でその土地の風景をスケッチしようと考えていましたが、1か月半の弾丸日本一周ではそんな余裕はなく、雨に降られた際に濡れて、ふやけまくってしまいました。


4.おいしかったグルメは?

"あけみちゃん号のマグロの刺身"青森県
「マグロの町大間」だけあり、おいしいマグロをご馳走になりました。また、お店の人もとても良い方で、ウニをおまけしてくれました。看板犬が店の前にいて、撫でてもらいに寄ってくるのがかわいかった

"黒べえさんのステーキ丼"広島県
広島で現地の友人がご馳走してくれたお店です。広島では結構有名なお店らしく、地元ライダーが集まるそうです。味も絶品でした

"とんこつラーメン"九州
九州と言えば「博多ラーメン」のイメージでしたが、実際は九州のラーメンにもいろいろな種類があるそうです。現地のアクロス乗りの方に連れて行ってもらいましたが、驚いたのは値段が安いこと。400円でラーメンが食べられるのは衝撃でした。そしてうまい! 実は初心者向けに癖の少ないお店に連れて行ってくれたそうです


5.良かったスポットは

"能登半島"石川県
千里浜なぎさドライブウェイがあり、能登半島自体も左手に日本海を眺めながら走る、素晴らしいツーリングスポットでした。海と空が繋がっていくような感覚になるほど海の青さが眩しく、美しいのが印象的でした

6.印象的な宿&キャンプ場

"ライダーハウスやませ"北海道 基本は野宿かネットカフェ、無料キャンプ場を利用することが大半でしたが、一度だけライダーハウスに泊りました。宿泊者は日本一周中の方や北海道を回っている方と様々でしたが、いろいろな情報や今後の旅の展開、はては人生についてまで語り合う、楽しい夜を過ごしました。「場所」と言うより、「人」かもしれませんね


7.一番好きな都道府県は?

北海道 なんと言っても"バイク乗りの聖地"と言われる北海道。地平線まで一直線に伸びる道があったかと思えば、豊かな自然の中を走るワインディングがあったり、走りごたえでは日本一だと思います。なんでもない風景が鳥肌の立つほど美しいことが多々あるのも大きな魅力です


8.一番大変だったトラブルは?

走行不能になるような重大なトラブルはありませんでした。一度走行中にエンジンから「カタカタ...」という異音が聞こえてきたので、焦ってコンビニに駐車。エンジンヘッドを見たところ、プラグが外れかけていました。安心するとともに、おかしくて腹を抱えて笑ってしまいました


9.一番嬉しかった出来事

たくさんの人に助けられ、良くしてもらい本当にありがたかったので一番というのは決め難いのですが、その中でも広島に上陸した際、現地のライダーが大勢集まり歓迎してくれたことがとても嬉しかったです。SNSで知り合ったため初対面の方ばかり。それでも食事をご馳走してくれたり、寝る所まで提供していただき、人の温かさや優しさを強く感じました


10.日本一周を振り返って、最後にひとこと

この旅を始めるとき、周りの人や道中出会った人にすら1か月半、25万で日本一周なんて無理だと言われました。確かに厳しかったですし、見たいものや食べたいものも残っていますが、やってみたら案外何とかなりました。もちろんたくさんの方々に助けられてできた旅だと思います。それでも、僕にとってはいい経験になりましたし、大きな自信にもなりました。僕が思っていた以上に日本は広く、そこに住む人々は温かい、そう感じた旅でした。僕にとってかけがえのない思い出になったと感じています。

日本一周後は父親にアクロスは返しました(今は父親が乗っている)。アクロスに惚れ込み、大学卒業後は新たに自分でアクロスを買って乗っています。今は時々父親とアクロス2台でツーリングに行くことも。今後やりたいことは、日本一周で行けなかった場所や食に「僕のアクロス」でリベンジすることです!

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