BBB MAGAZINE

  • 部品交換「改」

    2020.12.07 / Vol.13

    SUZUKI STREET MAGIC フロントブレーキキャリパーシール交換

CREDIT

ブレーキキャリパーを軽O/Hします!!

ストリートマジックのフロントブレーキが引きずっている感じがする。ブレーキキャリパーピストンの戻りが悪くなっている症状だったので、今回はキャリパーのフルO/Hではなく、シールのみの交換をしてみます。作業はいつもの太洋モータースさんで行います!!

戻りが悪いピストンはまず揉み出す!

キャリパーピストンツールを使って引き出そうとしても、ピストンが固着している場合は掴んで引っ張ってもまず出てきません。そこでピストンはブレーキフルードの油圧を使って押し出してしまいましょう。完全に固着などしていなければ、キャリパーを外してパッドも外してからブレーキレバーを何度も握っていくと。次第にピストンが出てきます。ピストンが外れてしまうまで押し出すとブレーキフルードも出てきて作業場がビデンビデンになるので、押し出すのは外れる直前まで。直前まで押し出したらまずブレーキフルードを抜きます。

キャリパーピストンツールでピストンを掴んで引っ張ればキャリパーからピストンが外れます。既にフルードは抜いていても多少なりともフルードも出てくるのでトレーの上などで作業すること。キャリパー自体もホースから分離させます。

キャリパーを全バラにします!

型押し1ポットキャリパーの場合は構造が簡単なので構成されているパーツは少ない。なお、ピストンだけではなくパッドピンが錆びて動きが悪くなっている場合もあるので、パッドピンは真鍮ブラシで磨いて汚れを落としておこう。

ピストンシールはゴムなので劣化するとピストンを戻そうとする力が弱くなる。そのためパッドの戻りが悪くなるのだ。キャリパー内部に装着されている2つのシールは新品に交換します。シール自体はピックツールなどで引っ掛ければ簡単に外せます。

中央が外したシールで一番右が新品シール。外したシールは痛んでいるようには見えなかったが、性能は確実に落ちているために交換します!

交換前に内部清掃です!!

キャリパー関係の作業では必ず出てくるのがこのキャリパーグルーブクリーナー。これを使って溝の汚れをこそぎ落します。それほど汚れていないように見えても、数分かけて念入りに清掃するとかなりの汚れが取れます。ブレーキメンテするなら必須アイテムですからね。

溝の汚れを削り落としたキャリパーは台所洗剤とナイロンブラシを使用して洗浄します。これで綺麗サッパリにしました!!

エアで水分を吹き飛ばして、根強い汚れがないかを肉眼で確認。NGならもう一度キャリパーグルーブクリーナーでの清掃まで戻る。綺麗になっているなら組付けに入ります!

キャリパー組付けます!!

耐熱シリコーングリスをシールとピストンに塗布してから装着します。ヤマハ車などには純正シールに耐熱シリコーングリスが同梱されている場合もありますね。

新品シールの場合はピストンもスルッと入っていきます。最初は固着して人力ではとても動かなかったピストンでしたが......。動きが悪くなっていたという証拠ですね。

パッドの裏側やパッドピン、キャリパーブラケットの2本のシャフト部分にはブレーキプロテクター(ディスクパッドグリス)を塗布します。こちらの方が耐熱シリコーングリスよりも粘度が高くて垂れにくいのです。

キャリパーを組み込んでホースを取り付けたら、ブレーキフルードを入れてエア抜きします。ブレーキレバーを握りながらエアブリーダーを緩め、レバーが奥まで行ったらブリーダーを閉めてレバーを戻す。これで数回フルードを押して、ホース内のエアを抜く。ワンマンブリーダー(エアツール)があれば一人での作業も楽です!

何度もブレーキレバーを握ってみて、ブレーキが問題なく動作するか、そしてブレーキマスター内やホース内にエアが噛んでないかをよく確認。問題なければ完成です。これで気持ち良くブレーキングが出来るようになりますよ~!!

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