BBB MAGAZINE

  • 大人のたしなみとしてベスパに接してみよう!

    2019.09.04 / Vol.62

    ワールドワイドにベスパでRUN #12 モペッドでフィレンツェを走る!/前編

CREDIT

寄稿者:Vespa Club TOKYO・土田和寛 代表
今回の土田さんによる「ワールドワイドにベスパでRUN」ですが、ご夫婦でイタリアを観光した2015年のお話です。なんと土田さんがベスパではなく、モペッドをレンタルショップから借り出してフィレンツェ観光をするという計画なんだそう。一体、どんな観光スポットを巡るのか、早速見ていくとしましょう!

フィレンツェを観光するために




フィレンツェを訪れたら外したくないミケランジェロ広場のダビデ像
1日で効率よく名所巡りをするために今回はモペッドでの移動を選択&バイクも!]

  観光客がイタリアを訪れるに当たって、やはり名所となるような街やスポットがいくつかあります。例えばファッションブランドが多く集まるミラノだったり、ゴンドラで有名なヴェネチア。そしてコロッセオや真実の口で思い浮かべるローマも外せませんし、ドゥオモ広場にピサの斜塔も人気のスポットなのは言うまでもありません。
  特に街並みと中心部にある大聖堂で有名なフィレンツェは、観光客にとってピサの斜塔への玄関口でもありますし、ベスパの工場&博物館があるポンテデーラへと向かうための玄関口だったりします。そんな玄関口でもあるフィレンツェへのアクセスは、飛行機や鉄道を利用する事が多いと思います。フィレンツェ空港から空港バス、ボローニャから空港バス、ユーロスターイタリアも到着する駅でもあるため、正にフィレンツェ駅に集中しているといった様相です。

  さて、現地のガイドブックを広げてみれば行ってみたい観光名所は沢山あるかと思いますが、それらすべてを徒歩やバス、タクシーで巡るのはかなり大変な事です。そこで手軽な小排気量オートバイがあればラクなのにと、日ごろバイクに乗る方なら思うハズです。
  そこで観光にも便利なのがレンタルバイクです。レンタルバイクの魅力は、そのフットワークの軽さ。自動車だと慣れない土地で周囲の自動車の動きをいつも以上に気にしなくてはならず、土地勘のないところで標識も常に理解しながら進まなくてはなりません。その点、オートバイなら一方通行や進入禁止エリアZTLゾーン(車両進入規制エリア)だけ気にして、道に迷って地図を確認したい時には簡単に端に寄せる事が可能です。
  特に優位性を感じるのが駐車の問題です。街を見ていると自動車の駐車スペースを探すのは難儀しそうですが、オートバイなら目的地付近でワリと簡単に見つける事が出来るので大変便利です。何より荷物が増えても重い荷物を持っての徒歩移動をなくせるので、疲れ知らずであちこち巡る事が出来るというメリットがあります。なので日常の足としてはもちろん、観光の足としても大変便利なのでお勧めです。日頃からベスパなどのイタリア車が好きで日本でも乗っているのなら、イタリアを訪れた際には是非ともトライしてみて欲しいと思います。きっと新しい発見を多く見つける事が出来るハズです。

  フィレンツェを訪れた際に私が利用するレンタルバイクショップは、"NEW TUSCANY SCOOTER RENTAL"と言うベスパを中心に扱うお店。昨年は旧世代のオートマチックベスパがラインナップされていましたが、今年からは新世代ベスパの扱いも始まっています。また、ビンテージスクーターと言うカテゴリーも増え、よりいっそうイタリアでのバイクレンタルを楽しめるのではないかと思います。
  昨年にはなかったビンテージスクーターカテゴリーを見てみると、クラシックベスパばかりではなく、ペダル付き50ccのモペッドもラインナップされています。このモペッド、ベスパの製造メーカーであるピアッジオ製である点も注目ですが、イタリアをイメージする庶民の乗り物の代表格フィアット500やベスパ、3輪トラックのApeなどと共にピアッジオ製モペッドのチャオと言うモデルも人々の生活イメージから外せません。
  過去には私もピアッジオ・チャオを日本で日常の足として使っていた時期があり、その事がきっかけでアメリカで開催されているモペッドミーティングに参加した事もあります。そのころはイタリアの乗り物だからこそ、イタリアで乗ってみたいという気持ちがあり、レンタルショップがないか調べた事があります。するとローマにあるレンタルバイク屋さんにチャオがラインナップされていましたが、いつの間にかアジアメーカーの50ccオートバイに取って代わってしまい、夢が叶わなくなってしまったと思っていました。

  推測ですが今のオートマチックスクーターに比べて、それら旧世代のオートバイのレンタルは操作や故障トラブルのリスクを考えると扱い難いのかも知れませんし、もしかしたら需要もあまりないのかも知れません。しかし今回の旅行前に色々調べていると、Apeのレンタル店やビンテージカーのレンタル店を見つける事が出来ました。今回利用するフィレンツェのレンタルバイクショップもビンテージスクーターの扱いを始めていますので、近年それらビンテージモデルのニーズが高まっているのかも知れません。

  そこで当初はポンテデーラへ向かうためにベスパをレンタルするつもりでしたが、せっかくなので気軽に乗れて移動出来るモペッドをレンタルして、フィレンツェ市内を巡る計画を立てました。スケジュールとしてはフィレンツェに到着した午後から翌朝までのレンタルです。
  今回は2人旅なので、2台のモペッドを予約しました。1台はシンプルな構造のチャオ。もう1台は日本に正規輸入されていなかったボクサーです。ブラボーというしっかりとした構造で乗り心地の良い車種もありましたが、日本でも乗れるためパスする事に。イタリアに限らずベスパのレンタルを扱う各お店のホームページを見ていると、「クラシックベスパなどはオートマチックではありません。要経験者」などと記載されているところがあるため、当日はスムーズに手続き出来るようインターネットでの事前申し込みの備考欄に「海外でのオートバイの運転経験もあり、私も日本でチャオを持っていて操作や扱いは問題ありません」と記入しておきました。これできっと貸す側も安心して貸してくれると思います。
  借り出すに当たってホテルからレンタルバイク屋さんへと向かいます。レンタルバイク店の前に着くと既にモペッドが2台用意されていました。私はチャオとボクサーと言う車種を選択したハズなのに、どう見ても候補から外していたブラボーと言う車種が2台並んでいます。
  お店にて「日本からモペッドを予約した者です」と伝えると早速手続き開始です。手続きと言っても予約の時に使ったクレジットカードと運転者のパスポート&国際免許を提出し、その上で車体の状態チェックと説明を受けるのみ。お店側も予約の際の備考欄を信用してくれているようで、説明もそこそこにとてもスムーズに車両を受け取る事が出来ました。

  一応「これ、ブラボーですよね?」と質問しましたが、その答えは専門的なので割愛をします(笑)。レンタルバイク店ではヘルメットも用意してもらえますが、経験上借りたヘルメットを被るのは避けたいため日本から自分のヘルメットを持参。それに自分たちが用意したヘルメットにはヘッドセットを取り付けているため、お互い会話をしながらの移動が出来ます。ちょっとした事ですが、この先曲がりたい、止まりたい、などお互いの意思疎通が出来るのは移動をしていてとてもラクですし、お互いで景色や音まで会話を通して共有出来るというのはとても楽しい事です。

人気コンテンツ