BBB MAGAZINE

  • 大人のたしなみとしてベスパに接してみよう!

    2022.02.15 / Vol.91

    イベント紹介 #6 Festa di Autunno(秋祭り)

CREDIT

今回の「大人のたしなみとしてベスパに接してみよう!」では、実に久しぶりのイベント紹介をお届けします。コロナに翻弄され、なかなかイベントも積極開催が叶わないという状況が続く中、漸く緊急事態宣言が解除され、そのタイミングで気になるイベントが開催されました。それは日本でありながらイタリアを感じられる会場で、ベスパやイタリアンバイクが集まるイベントなんだとか。一体どのようなものだったのでしょう?

◎気持ち良い秋風に誘われてベスパイベントが開催

フェスタ ディ アウトゥンノ(Festa di Autunno)
場所:イタリアンレストラン"さくら坂VIVACE"
開催日:2021年10月24日
主催:Pompone Team Japan/Clandestino 41/さくら坂VIVACE/Vespa Club TOKYO(共同開催)
三人と三台
近年のモデル以外にクラシックベスパのグループもあり、会場までの道中をツーリングがてら楽しまれていた様子でした

  今回イベントを紹介してくれるのは、主催の一角でもあるVespa Club TOKYOになります。どのようなイベントなのか、どこで行われたのか、そしてイベントの様子などを豊富な写真と共に紹介してくれました。日本国内で行われたイベントとは到底思えないロケーションに、ベスパオーナーでなくても関心が高まりそうな予感です。それではVespa Club TOKYOより届いた「フェスタ ディ アウトゥンノ」の紹介をチェックしてみましょう!

(1)一体どんなイベント?

見返りライダー
お子さん同伴の家族連れでご参加されるファミリーもいらして、アットホームかつ誰もが参加しやすい雰囲気を打ち出せた様に思います

  今回ご紹介するイベントは、「フェスタ ディ アウトゥンノ」と題して企画された秋祭りイベント。イタリアの空気感に満ち溢れる古民家カフェトラットリアである"さくら坂VIVACE"を会場として、さくら坂VIVACEという空間やイベント自体の趣旨から、イタリアの雰囲気が好きな方なら誰でも参加出来るイベントとして開催されました。ベスパ、アプリリア、モト・グッツィのオーナーさんをはじめ、レストランの常連さんなども来場するイベントです。

くまモン印の肥後太鼓(菓子)
今回は熊本からベスパクラブ熊本の代表がイベントに参加したクラブ員向けに、ベスパクラブ東京25周年の記念品を持って駆け付けてくれました
祈る人たち
ベスパが好きな方はもちろんですが、イタリアのテイストをライフスタイルに取り込んでいる様な方も多数来場してくださいました

   このイベントのポイントは、誰でも参加出来るということだけではありません。それにバイク乗りがただ集まるイベントというだけでもないんです。 イタリアンレストランでの食事を楽しみ、庭ではイタリアの小物や雑貨を見る事が出来(もちろん買う事だって可能です)、地元地域の生産者さん達が作る野菜や加工食品などが並ぶ青空市も開催されます。青空市では軽食やドリンクも販売されているので、テラスなどでの食事を楽しむ事だって可能です。ベスパの止まる駐車スペース、レストラン店内やテラスといった会場のいたる所で気の合う仲間同士が近況やバイク話、それに趣味の話などを楽しんだりしています。
  バイクが多く集まるイベントだけに、オーナーさん達が集まっている印象を持たれるかもしれません。ですがこのイベントではオーナーさんばかりではなく、友人を誘う方がいたり、カップルやご夫婦で参加される方々も多くいらっしゃいます。中には自動車で来場したお子様連れのご家族、親戚同士で参加される方々という具合にとてもアットホームな雰囲気のイベントなのです。

古めの軽トラ
ベスパから多くのコンポーネントが流用された"APE"という3輪モデル。その存在感でその場に居合わせた人達の注目を集めました
携帯見つめる人たち
情報や連絡先の交換、秘蔵写真の見せ合いなど、オーナーさん同士の交流も会場内のいたるところで盛んに行われていた様です
シニア
様々な年代のベスパが来場し、そのオーナーさん達の世代もまちまち。中にはかなりご年配のベスパフリークもご参加くださいました

(2)開催場所はどんなところ?

イタリアの小道風日本小道
イタリアの小さな村の中のちょっとした小道を歩いていると錯覚してしまう様なロケーション。細部にわたって作り込まれていて本当に凄いです

  このイベントは、茨城県守谷市にあるイタリアンレストラン"さくら坂VIVACE"が会場となりました。ここは常磐自動車道谷和原ICからも近く、都心をはじめ各所からアクセス良好な立地です。
  都内からだと程良い距離であるため、高速道路を利用しないという選択もありです。江戸川沿いの道や田畑を抜ける道を多く使うことができ、、125ccクラスでもペース良くアクセスする事が出来ます。
  また、当日はレストランとつくばエクスプレスの守谷駅間でシャトルバスが運行されたため、公共交通機関を利用する事が出来たこともポイントでした。

淡色ベスパ
イタリアの雰囲気を再現したレストランの片隅に雰囲気の良いクラシックベスパが並べられていたのが印象的でした
ドア越しに人混み
レストラン内から見たテラスの様子は、空間の雰囲気と長閑なパノラミックビューとのコントラストでイタリアの空気感を演出している様です

  会場にはレストランの他にも小さな建物がいくつもあり、お茶をするスペースや日陰でくつろぐスペースを見つける事も可能です。しかも今回は、そうしたスペースの一部を利用した青空市が催されたのです。
  ベスパを止めた駐車エリアからレストランへ、さらにテラスへ。そしてお店からお店へ......。短い移動ではあるのですが、この移動がさながらイタリアのとある小さな村の中を散策しているかの様な感覚に包まれ、とても雰囲気のある作りとなっています。

レインボーカラーの赤子
ドアの色、看板の文字使い、壁の手触り感......。イタリアの小さな村の中を歩いていると錯覚してしまうほどの空間に目を奪われます

  レストラン自体は小高いところにあって、テラスに出れば一面に田畑が広がる景観を抱えています。それらは会場全体の雰囲気と相まって、イタリアのトスカーナにいるような錯覚を覚えるという声も聞かれる程です。
  このような情感溢れる空間を実現出来ているのは、この会場の敷地内だけではなく、守谷という恵まれた土地だからこそなのでしょう。都心からほど近い場所でありながら、これほどの雰囲気を作り出せている事に感銘を覚えます。

(3)イベントの様子は?

人混みバイク混み
来場したベスパを止めておく駐車スペースには、年式問わず多くのベスパとベスパオーナーの皆さんが続々と集まって来てくれました

  10月も下旬に差し掛かると朝夕は冷え込む季節になります。当日は朝に冷え込みが見られましたが、日中は日差しも強く薄着で過ごせるほどの過ごしやすい一日でした。また湿度も下がる時期なので、テラスから望む景色がとても澄んでいたのが印象的でした。
  開場は10時半なので、ふつう早くから会場に居るのは事前準備を行う関係者くらいなものです。それでも遠方から自走で来る方、道が混まない時間を狙って早めに到着される方などが見られました。

手前ラムネ色
色も形状も様々あり、旧車が好きな人もいれば、新型を好む人など、実に様々な嗜好が存在するのもベスパならではです
シールが目のよう
クラブエンブレムでドレスアップする人もいれば、ミラーなどの小物でカスタムした車両も散見。センスは人それぞれの様です

  そして11時にはイベント開始の目安ともいえる記念撮影があるため、これに間に合うようにと参加者の皆さんが来場して来られました。なので、見る見るうちに用意された2輪車用の駐車スペースはベスパで埋め尽くされていきました。
  自動車で来場された方は県道沿いのレストラン用駐車場、2輪で来場された方はレストラン敷地内の駐車スペースに駐車していただきました。自身の車両がレストラン敷地内に駐車できるという事もあり、その場でご友人同士お話されたり、軽食やドリンクを購入して目の前に並ぶベスパを眺めながら食事を楽しまれたりする方もいらっしゃいました。
  過去数回、この場所を利用してベスパを集めている事もあり、今回も駐車スペースのキャパを見極めながら駐車場所をご案内します。例年ですと車両が3列で並んでいましたが、今回は予想を超えて4列目から溢れてしまっている状況に。
  こうした増加傾向はイベントの様子が認知されだしたり、ご友人を誘ってグループツーリングを兼ねて参加したという声も聞かれた事が要因なのだろうと思われます。ただ、参加台数もさる事ながら、ベスパオーナーさんやベスパクラブ関係者の参加数が昨年の倍に。この点に関しては、自動車で参加するファミリー層が増えていることが関係しているのかもしれません。

オレンジがまぶしい
所属クラブのバナーで主張したモデルも目に付きました。こうした傾向は全世界のベスパファンに共通している様です
うえから人
ある意味でイベントのスタートを象徴する集合写真の予定時間が迫り、駐車スペースの方も次第に賑やかになって来ました
キッズが乗車
イベントに参加された方の中には、子ども用のベスパを持参する方も。子ども達もベスパでのライディングを楽しんでいた様です

  今回はピアッジオグループジャパンさんのご厚意で、ベスパ、アプリリア、モト・グッツィで来場された方に当日会場内で使用できるクーポン券が配布されました。レストランでの食事をはじめ、各所の軽食や雑貨も購入出来るとあって、来場者の方にとっては嬉しいプレゼントとなりました。
  レストランでは常陸牛の赤身&霜降りの食べ比べが出来るお肉のメニューやパスタ、スイーツが用意されました。青空市では軽食としてお手頃サイズのピッツァやソーセージのような腸詰のサルシッチャ、そしてポークローストのポルケッタといったお手軽な肉料理もいただく事が出来ました。
  また、飲食以外ではイタリアンレストランで口にするような珍しい野菜が並べられ、食卓を賑やかにしてくれそうなイタリアからの輸入陶器や、地元の方が作られたハンドクラフトなども販売されていました。
  更にピアッジオグループジャパンさんからはベスパ&アプリリアのオフィシャルグッズの出店もあり、通常だと正規販売店または通販で購入するアイテムを、会場でお買い上げいただく事が出来ました。

食券
ベスパ、アプリリア、モト・グッツィで来場した方用にピアッジオグループジャパンさんが配布した当日会場内で使えるクーポン券
服
そのピアッジオグループジャパンさんの出店により、オフィシャルのグッズ&アパレルなどを会場内で購入する事が出来ました
ベスパちゃんストラップ
地元の方が製作したレザークラフトも青空市に並び、良く見てみるとベスパがモチーフだったので注目を集めていました
巻き紙
日本の物とはどこか違って見えてしまう雑貨類は、それもそのハズ、イタリアから輸入された物を中心として並べられていました
しずく型お皿
一つあるだけで、なんだか食卓を明るくしてくれそうな作りや色使いがさすが。こちらもイタリアから輸入された陶器類だそうです
トウガラシなのかピーマンなのか
こちらは地元の生産者さんが作った野菜類です。普段はなかなかお店で見る事が出来ないようなものまで並べられていました
パスタ
レストランで提供されたパスタの一例ですが、実に美味しそうです。彩りも良く、テーブルに並んだ瞬間からフォークを入れたくなります

  イベント参加者からの声として、「会場にはとにかく海外出身者が多い印象」というものがありました。「外国語をよく耳にし、レストランの雰囲気と合わさって日本にいる気がしない」という感想も聞こえてきました。
  加えてこのイベントに初参加されたアメリカ出身の日本在住者によると、「東京にいるイタリア人駐在員は皆このレストランに居たのでは?」と思えてしまう程に"日本在住の海外出身者"の参加が多かったようです。
  これには会場であるレストランをはじめ、オートバイクラブのポンポーネチームジャパン、ベスパクラブ関係者にイタリアとの繋がりを持った方が多くいるという証でもあったのだろうと思われます。

ハムのせパン
会場で提供されたピッツァも大変人気のあったメニューの一つで、終日通して並ぶ人の列が絶えなかったくらい大忙しでした
子連れの皆さん
レストランの前に広がる田園風景は、恵まれた土地だからこそ作り出されるものと思います。これだけ環境が良いと、お喋りも止まりません
田んぼをのぞむ
遮るものが一切なく、これほど開けた開放感溢れるパノラマロケーションを抱えるテラス席では食べる事も飲む事も一層楽しくなります

  集まったベスパも1950年代のフェンダーライトから近年のモデルまで、とても幅広い年代の車両が勢ぞろい!
  2021年にベスパは75周年を迎えましたが、このように長い歴史の中で生まれた各モデルが同じ場所に集まることができるのもベスパだからこそでしょう。そしてこのイベントはそういった様々なオーナーさん達が集まりやすいイベントであるとも言えるでしょう。
  またメンバーさんのお声がけで誘われ、今回初めてこのような集まりに参加された方の中には、一度にこれだけのベスパが集まっている光景に興奮を覚える方もいらしたようでした。
  これだけ多くのオーナーさん達が集まっただけあり、実際に車両を見ながらの情報交換も活発なものとなっていたようです。年式毎による細部の違いを実際に比較したり、アクセサリーパーツの装着状況や入手先などを共有したりといった具合に。それに普段お店でもお話を聞く事が出来ないモデルのオーナーさんに出会えれば、その走りのフィーリングを共有したりする事が出来る、そういった貴重な場としても盛り上がっていたようです。

(4)用意されたプログラムは?

景品と地球儀
イタリアから東京を目指して、今夏、樺太まで到達したイタリア・ピアツェンツァのメンバーから贈られた記念トロフィーや記念バナー、各クラブバナーなどが展示され、それらを多くの方が目にする機会に恵まれました

  このイベントは特段プログラムを設けておらず、人が集まる時間に来場していただき、来場された方のペースで会場の時間が許す限り楽しんでもらうというもの。そのため、ちょっと顔を出して帰られる方、次の用事がある方、道路が混む前に出発される方、昼過ぎに到着する方などがいて実に様々。中には開場前から到着し、閉場まで一日を満喫される方もいらっしゃいました。
  とは言えクラブでも告知をし、せっかくベスパオーナーさん達がこの場に集まるので、記念撮影の時間だけは設定させていただきました。目安としては午前11時、レストラン敷地内の入って直ぐの場所に設けられた2輪車用駐車スペースに集合です。
   今年はピアッジオグループジャパンさんの方で大きなバルーンロゴを用意されていたので、この記念撮影でも目玉となりました。

バルーンロゴを前に記念撮影です。この撮影で実質イベントがスタート。またバルーンロゴ前で記念トロフィーの受け渡しも行われました

  また、今回はサプライズとしてベスパ75周年、ベスパクラブ東京25周年をお祝いしてバースデーケーキが用意されました。このケーキはポンポーネチームジャパンにも所属しているベスパクラブのメンバーからの提案で準備され、ベスパ75周年のロゴ、ベスパクラブ東京25周年のロゴ、そしてポンポーネチームジャパン、ベスパクラブジャパンの文字が入れられたものでした。

でこったケーキ
今回、サプライズで用意されたVespa75周年&ベスパクラブ東京25周年記念バースデーケーキがこちらになります

  ケーキが用意されていることと当日ケーキが出てくるタイミングは一部の関係者しか知らされておらず、この場面に遭遇する事が出来た方は本当に良いタイミングに居合わせたといっても良いと思います。
  バースデーケーキを前に記念撮影を終えた後は、その場に居合わせた方々へ切り分けられ振舞われました。味の方もレストランが作っているだけあって、スポンジもクリームも美味しく、フルーツたっぷりのサプライズバースデーケーキが多くの方々を笑顔にしてくれました。

ケーキ撮影会
ケーキがお披露目され、記念にと写真を撮る人で賑わいました。この後は食べてしまうので、皆さん自分のカメラに残したくなります
バナーとダブル✌
主催関係者の皆さんで記念写真を撮りました。手に持っているのはベスパクラブ東京25周年記念バナーで、車両前面に取り付けます

(5)次回の開催は?

寄り添い撮影
会場に現れた"Vespa"のバルーンロゴ。その前では、愛車や同行者と一緒に記念撮影する様子も見られました

  元々は春に企画されていたレストランイベントですが、パンデミックの影響で延期となり、どうにかこの秋に開催する事が出来ました。来年も期待通りの時期に開催されるかは未定ですが、「ご友人の他、ご家族や親戚も誘って参加してみたい」といった声が聞かれるほど来場者の反響は良かったようです。

オレンジベスパでご帰宅
各々の都合に合わせた時間で帰路につく参加者の皆さん。どうぞ、お気をつけて! 次のミーティングも是非ご参加ください
田園風景
長閑な田園風景が視界いっぱいに広がり、大らかな気持ちに浸れる環境の良さがこの会場にはあるのだと感じられました

  このイベントは各オートバイクラブと各レストランの共同開催という形態をとっているので、それぞれの得意分野毎に分担し合って開催出来るという強みもあるので、次回も引き続きの開催を検討していきたいところです。連絡先をいただいているベスパクラブのメンバーさんには随時様子をお知らせしていますが、SNS等でもお知らせしますので、ベスパが多く集まるレストランイベントに興味のある方はアンテナを張っておくと良いでしょう。

今回はここまで!

縦列ご帰宅
秋晴れの中、こんな長閑な道を走り抜けるのはきっと最高でしょう。ケガなどなくお帰りください。また次回開催の機会には、元気な姿でのご参加をお待ちしています

  さて、今回は「フェスタ ディ アウトゥンノ」の紹介をさせていただきましたが、会場となった"さくら坂VIVACE"に興味を持たれた方も多いんじゃないでしょうか。記事内でもご紹介している通り、まるでイタリアのトスカーナの様だという雰囲気を堪能するため次の目的地としてツーリングするなんていうのもありではないでしょうか?
  今後も魅力的なイベントが開催されましたら、ぜひまたご紹介させていただきますので、どうぞお楽しみに!

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