BBB MAGAZINE

  • EnjoyCampTouring!

    2018.05.10 / Vol.29

    - page2 - ツーリングキャンプ物語

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03.出会いに溢れる羅臼温泉野営場

毎日キャンプ
この旅ではほとんど毎日キャンプをしていた

北海道3大バカキャンプ場のつづき。次に訪ねたのが知床半島の付け根、羅臼町にある羅臼温泉野営場だった。羅臼港から国道を少し登った、林に囲まれたキャンプ場で、到着するとすでに10個以上のテントがあった。近づくと見覚えのあるテントがチラホラ… ほかのキャンプ場で出会った仲間がテントを張っていた。

「熊の湯」
羅臼温泉の「熊の湯」は今も昔も変わらない

「藤原さんだ!」「やっぱりいたか!」「〇〇さんもいますよ!」「ホントに!?」  笑い声が飛び交う。当時は無料で泊まれて、管理体制もゆるゆるだった。さらにいいのがキャンプ場から徒歩2分の場所に、無料の露天風呂「熊の湯」があること。お金を払わずに宿泊ができて、さらに毎日温泉にも浸かれてしまう。天国のようなキャンプ場だった。 そんな理由から人気が高く、長期期間で滞在しているライダーがたくさんいた。同年代のライダーも多く、仲良くなると離れがたくなり、ズルズルと出発の日が伸びてしまうのが欠点だった。  「熊の湯」は地元の人が管理維持している露天風呂温泉で、とにかくお湯が熱かった。手を入れると痺れるぐらい熱かったので水で薄めようとすると、お湯につかっている地元のオジサンから「おまえ、水を足すな!」と怒られる。その迫力に圧倒され、何も言えなくなる。旅人キャンパーはいつも熱さに耐えながら、浸かっていたような気がする(笑)。それでも地元のオジサンとの裸の付き合いは、いい思い出になっている。  数泊した後、出発の準備をしていると、何とタイヤがパンクしていた。その時のバイクはホンダのXL250Sというオフロードバイク、チューブタイヤのためパンク修理は想像以上に大変だった。固いタイヤをリムから外すのに悪戦苦闘していると、ほかのキャンパーが集まってきて「ここはこうするんだよ…」とアドバイス、さらに手まで貸してくれた。最終的にはベテランのライダーが手際よくパンク修理してくれた。感謝感謝の嵐だった。

羅臼温泉野営場
羅臼温泉野営場は整備されずいぶんきれいになった

4年後、久しぶりに羅臼温泉野営場へ行くと、同じような風景が広がっていた。さすがに今回は知り合いはいないなよな… と思っていたら、ビックリ! 1年前のオーストラリアツーリングで出会った、かおるちゃんがいるではないか! 「えーっ、ウソ?! なんでここにいるの!?」「わーーーっ! 幻かと思った!」  まさかの再会にビックリ仰天。大いに盛り上がった。 羅臼温泉野営場にはその後、何度も行っているが、熱い「熊の湯」も旅人同士のつながりもあの頃のまま。歴史は繋がり、いまも生き続けている。

04.遠い南の島、約束の米原キャンプ場

石垣島の道
石垣島の道はクルマが少なく走りやすい

北海道のキャンプ場でよく耳にする場所があった、それは石垣島にある「米原キャンプ場」。80年代、出会った日本一周ライダーたちが北海道で別れるとき、必ず「次は米原キャンプ場で会おう!」「冬の沖縄で再会だ!」が合言葉になっていた。 北海道と沖縄、距離があるだけに、遠い夢の話を聞いている気分だった。当時、沖縄へ行く資金がなかった僕は、そんなやり取りを羨ましく眺めていた。みんなが集まる米原キャンプ場はどんなところだろう? 気が付くといつか行ってみたい、憧れの存在になっていた。

米原キャンプ場
約束の地であった米原キャンプ場はいまも宿泊可能

月日は流れて2000年。久しぶりに日本一周の旅に出ることになった。四国、九州をめぐった後、ついに憧れの沖縄を訪れるときがやって来た。沖縄本島を一周するとフェリーで石垣島へ向かった。そこは青い海、青い空、熱帯植物… 南の島そのものだった。 15年の時を越えてやって来た米原キャンプ場は、透明な海がすぐ目の前にある、沖縄らしいキャンプ場だった。周囲は木々に囲まれていて、テントが5~6個張られていた。どこに張ろうかとウロウロ歩いていると、どこかで見た顔がいた 「あれ? 比布のライダーハウスにいませんでしたか?」「ですよね! なんか見たことがある顔だと思ったんだ!」「へー沖縄で再会するなんて、偶然ですね!」  他もバイクの旅人ばかり、その中には北海道の富良野や、東北であった人もいた。まさかこんな再会が待っているとは、夢にも思わなかった。さすがに15年前の旅仲間に会うことはなかったが、あの頃と同じように旅人仲間と再会できたことが嬉しかった。

沖縄の海の美しさ
沖縄の海の美しさは特別

夜は旅人総勢7人が集まり一緒に夕ごはんを食べた。ひとりがおいしい手作りの豚汁を振舞ってくれた。さらに別のひとりは納豆を提供してくれた。最高の晩餐だ。夜になると米原キャンプ場にまつわるミステリー話が始まった。長く滞在している旅人は話題が豊富で、誰もテントを張りたがらない特別な場所があること、米原で起こる不思議な現象の数々を話してくれた。そんな話を聞いていたら怖くなり、しばらく自分のテントに戻れなくなってしまった(笑) 翌日、海に入ると鮮やかなブルーの熱帯魚が泳いでいた。3度目の日本一周だったが、改めて日本は広いこと、そして知らない場所がまだたくさんあることを知った。大自然を全身で感じながら走るバイク、豊かな自然に直接触れることができるキャンプ、この2つが一つになれば最強。だから、キャンプツーリングはやめられない。

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