BBB MAGAZINE

  • インプレッション

    2016.02.14 / Vol.04

    - page2 - BMW Cevolution試乗インプレッション

CREDIT

    • ライター
    • 執筆

    小林ゆき

    • 撮影

    小林ゆき

    • バイク

    Cevolution

C-evo-03

ただし、残念ながらこのC-evoもご多分に洩れず航続距離は一回の満充電で約100kmと短い。航続距離を求めるとなると、パワーダウンせざるを得ない。そこをあえてハイパワーな味付けにしているのは、BMWならではのスポーティさをあえて搭載し、ビッグスクーターならではのインパクトをライダーに感じてもらうためなのではないだろうか。C-evoはBMWにとってEVバイクのデビュー作であり、過渡期のモデルといえる。最初の一台はインパクトが大事。「電動だけど、スクーターだけど、けっこう走るな」そう思わせるための戦略が詰め込まれていると感じた。航続距離を犠牲にしてパワーを追求しているとはいえ、シティコミューターとしてのユーティリティを犠牲にはしていない。シート下のスペースにもバッテリーを積めば航続距離が伸びるのだが、そこはヘルメット収納スペースとして確保されている。

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21世紀も16年経ったいま、ガソリンエンジンは滅んでEVに取って変わるのではないかと言われて久しい。しかし、EVは普及していると言うにはほど遠い現状がある。EVが普及しない要因は二つ。一つは、充電インフラの問題だ。もう一つは、バッテリーと電動モーターの性能進化が遅いことにある。ただ、EVにもメリットはある。一つは充電器を設置すれば家庭で充電が可能なこと。静寂性が高いこと、排出ガスがないことはもちろん、トルクが出せることも魅力の一つだ。マルチラインナップ戦略をとってきた日本の二輪車メーカーだが、EVバイクの市販化では後塵を拝している。仮に、中国の一部地域のようにガソリンバイク禁止というようなインフラ政策がどこかの国や地域で取られるようなことがあれば、EVバイクを先行して開発市販化できたメーカーに分が上がるだろう。 そういう意味でも、市販車としてのC-evoの登場は、EV対ガソリンエンジンという構図に一石を投じるであろう。

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右ハンドルにはグリップヒーター、ライディングモードボタン、イグニッションボタンがある
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左ハンドルには、トリップメータースイッチ等がある。「R」ボタンを押しながらアクセルを回すとバックが出来るようになっている
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バイクジャーナリスト:小林ゆき
ライダー:バイクジャーナリスト 小林ゆき(身長161cm)
バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。最近、KAWASAKI Ninja H2を購入。 自らレース参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化について研究中。

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