BBB MAGAZINE

  • MotorCycleDays

    2014.07.26 / Vol.11

    - page2 - バイクトラブル大百科「海外の旅・前編」

CREDIT

③「ジャングルに突如響き渡る爆音その原因は」 ~ホンダMOTRA/北海道/1987年~

マフラーを落としてしまった
聞いたことのない爆音がジャングルに響き渡った。

オーストラリア最後の難関はジャングルを越えてゆく最北端ケープヨーク。密林ジャングルのルートには川が何本も横切っていて、いくつもの川渡りを余儀なくされる。キャンプをしながら北上、いよいよ数時間でケープヨークというところで、ババババババ! 聞いたことのない爆音がジャングルに響き渡った。

「何だ、何だ、何だ!?」またしてもトラブルか!? ただ前回とは違ってバイクは動いている。とにかく排気音がバカデカイ。バイクを止めて後ろを振り返ると、道の真ん中に黒い物体が落ちていた。何だろう? 続けてバイクへ視線を移すと「えーっ! こんなことあるの? あははは...」

思わず笑ってしまった。マフラーがない。想像を超えたことが起こると人間は笑ってしまうらしい。どうやら振動でボルトが外れ、マフラーが抜け落ちたらしい。後方に落ちていた黒い物体は、なんとマフラーのサイレンサーだった。


モトラ マフラー
振動でボルトが外れ、マフラーが抜け落ちたらしい

歩いて拾いに行き、スペアで持っていたボルトで取り付ける。溶接部が離れてしまったので完全に繋ぐことはできないが、排気音は通常の大きさに戻った。しかしまさか、マフラーが落ちるとは思わなかった。ここまで悪路ばかり選んで走ってきたのでモトラはもう全身傷だらけ、でもそれが僕にとってはたくさんの難関を乗り越えてきた証であり、勲章でもあった。

ホンダ モトラ50cc/オーストラリア/1987年
ホンダ モトラ50cc/オーストラリア/1987年

④「ガソリンはあるのにガス欠って!?」 ~ホンダ ゴリラ/マラウイ/1991年~

タンクにガソリンは入ってる
タンクキャップを開けて中を覗くと、やはりガソリンはたっぷり入っている?

舞台はアフリカ大陸。ゴリラで世界一周を目指していた時の話。南部のボツワナからジンバブエ、ザンビア、マラウイと東部を北上する。ところでアフリカでも普通にガソリンスタンドはあるの?と思う人がいると思うが、どこでもそれなりに車は走っているので、当然のことながらガソリンスタンドもそれなりにある。国によってはドラム缶からホースを引いて給油したり、ハイオクはなかったり、多少質が悪かったりするようだが特に大きな問題なく走ることはできた。

ところがマラウイを旅している途中、不思議なことが起こった。突然、ガス欠と同じような症状になりプスプス...とエンジンが止まってしまったのだ。ガソリンを入れてからまだそんなに時間はたっていない、タンクキャップを開けて中を覗くと、やはりガソリンはたっぷり入っている。おかしい。しかし、いくらスロットルを開けてもウンともスンともいわない。途中のどこかにゴミが詰まっているのだろうか?

タンクとキャブを繋いでいるゴムホースに、ゴミをキャッチする透明のフィルターを取り付けているのだが、そこにゴミも詰まっていない。わからない。あとはキャブを分解して修理するしかないが、メカに弱い僕が見てわかるだろうか? さあ、どうする!?


ガソリンフィルターがグニョグニョ
何気なくフィルターを触ってみると「あれ? なんだこれは!?」驚いたことにグニョグニョに柔らかくなっているではないか。

いろんなところを見ながら、何気なくフィルターを触ってみると「あれ? なんだこれは!?」驚いたことにグニョグニョに柔らかくなっているではないか。ゴムホースから抜いてみると、フィルターの穴が塞がりガソリンが流れていない。「やった、そうか! これが原因だったんだ!!」柔らかくなったフィルターを取り外し、持っていた予備のゴムホースを直接繋ぎ、キックすると。トトトトトトト... よしっ、かかった! 無事、旅を再開することができた。

これは後でわかったことだが、マラウイのガソリンにはアルコールが混入されていて、プラスチックが溶けることが時々あるという。これは予測できない驚きのトラブルだった。

ホンダ ゴリラ/マラウイ/1991年
ホンダ ゴリラ/マラウイ/1991年

⑤「ヒロコのバイクにけん引される」 ~ホンダ ゴリラ/ハンガリー/1991年~

バイク牽引
バイクの牽引は怖すぎる

実はそのゴリラ、3カ月後にケニアのナイロビで動かなくなってしまった。たまたまメカに強い日本人旅行者と宿で出会い、その人がバイクを見たところマグネットのタイミングがずれていることが判明。その場で直してくれた。

ところがその半年後、ヨーロッパ旅行中に同じ症状が突然勃発、徐々にスピードが出なくなり、ついに動かなくなってしまった。修理をしている所は見ていたが、修理の仕方までは聞いていなかったことを悔やむ。田舎のここではどうすることもできない、どうにかしてバイク屋のある町まで行かなくては。その時はヒロコ(いまの妻)とバイク2台の2人旅。そこで作戦会議。ヒロコが乗っているDAXとゴリラをロープで繋ぎ、牽引して50km先にあるタンペレまで行くことにした。


とても恥ずかしかった
とても恥ずかしかった//・・・笑

やってみるとこれが意外と難しく、ロープを踏みそうになったり、変な風に引っ張られて倒れそうになったり、もう大変。ようやく町に着くと、今度は信号があったり、歩いている人に見られたり、とても恥ずかしかった。

バイク屋へ着くと、初めて見るミニバイクの登場にみんな興味津々。世界一周をしているというと無料で直してくれた。感謝、感謝。50kmも牽引してもらったこの日から、僕はヒロコには頭が上がらなくなったことを付け加えておこう(笑)。

ホンダ ゴリラ/ハンガリー/1991年
ホンダ ゴリラ/ハンガリー/1991年

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