BBB MAGAZINE

  • MotorCycleDays

    2019.12.09 / Vol.75

    東京モーターショーを散歩してきた

CREDIT

    • ライター
    • 執筆

    藤原かんいち

    • 撮影

    藤原かんいち

  イベント目白押しの秋。特に今年の日本はスポーツが熱かった。日本中が熱狂したワールドカップラグビーをはじめ、ワールドカップバレーボール、サッカーのワールドカップ予選、世界陸上など、どれも盛り上がった。スポーツばかりじゃない、10月最後の週に開催される"東京モーターショー"も話題になっている。体験型や他種とのコラボなど今回はこれまでとは一味違う内容になっているという。ということで行ってみることにしました。もちろん一番興味があるのは二輪車なので、二輪車ブースを中心にお散歩してきた東京モーターショーをご紹介します。

プロローグ

  2019年10月某日。自宅のある神奈川県相模原市から自転車、JR、東急、りんかい線を乗り継ぎ約2時間かけて、ようやく最寄りの国際展示場駅に到着。そこで一言「遠い...」。まあ、自分の家が田舎にあるというなんだけどね(笑)。
  改札を出たところに臨時チケット売り場があったので購入。ちなみに当日入場料は2000円。外に出ると眩しいほどの青空。今年の10月は記録的に雨が多かったので、余計に青く感じる。
できる限り混雑を避けたいと思い平日にしたのに、会場へ向かう歩道は人でいっぱい、続々と東京ビックサイトに飲み込まれてゆく。やはり今年は人気があるようだ。入場口でバックの中を見せてセキュリティチェック、チケットを切られ腕に再入場用のリストバンドがはめられる。モーターサイクルショーの時は腕にスタンプだったが、リストバンドなら一目瞭然なので安心だ。さあ、東京モーターショーを楽しもう!!

SUZUKI

  今回の東京モーターショーは青海エリア(東京ビックサイト青海展示棟)と有明エリア(東京ビックサイト西・南展示棟)と大きく2つに分かれている。まずは二輪メーカーのブースがある有明エリアの西展示場へ入って行く。最初に見えてきたのがSUZUKI。四輪がメインらしくほとんどスペースが四輪に使われている。僕は軽自動車スズキ・ハスラーのオーナーなので、新型ハスラーだけちょっと覗いておく。目を引いたのはオレンジ色のボディ、キャリアを載せたアウトドアスタイルのハスラー。ちょっとワイルドな雰囲気があってカッコよかった。
  「で、二輪はどこだ~?」と思いながら周囲をキョロキョロ見渡すと見つかった! 目を引いたのは参考出品車の「ジクサー250」。Feel Free Go!に採用、新開発された油冷エンジンを搭載したモデルだ。ボディはコンパクトでスタリッシュ。いかにも軽快な走りが楽しめそうなデザイン。若い層に人気が出そうな雰囲気があった。
他で気になるのは、やっぱり「カタナKATANA」。昔の初代から見ているが、へッドライトからタンク、サイドカーまでのデザイン性は受け継ぎつつ、リア周りはかなり変化している。ターンシグナル付スイングアームマウントリヤフェンダーを採用することで、ショートテール感が強調。ずいぶんと軽快な印象になっていた。

HONDA

  SUZUKIのブースを出ると隣はHONDA。スペースは広く、2倍近くありそうだ。四輪もあるが、二輪に広いスペースを使っているのが嬉しい。いくつかのゾーンに分かれていて最初に見たのが"アクティブライフゾーン"。そこに展示されていたのが真っ赤な「CT125ハンターカブ」。実は今回のモーターショーで僕が一番気になっていた車両がこれだった。大きなリヤキャリアにアップマフラー、ブロックタイヤ... 昔のハンターカブに近い雰囲気。このバイクに荷物満載にしてツーリングへ出かけたら?想像するとワクワクする。エンジンやフレームなどはスーパーカブC125がベースだと思うが、まったく違う世界観に仕上がっている。街乗りも林道も両方楽しめそうなハンターカブ。ぜひこのスタイルのまま発売して欲しい!!
  "ウエルカムパーク"のゾーンにはCB650R、CB1000R、CB250R、Rebel250、GROM、Monkey、Super Cub C125、CRF1100L Africa twin、ADV150、Gold Wingなどのラインアップがズラリと並んでいる。乗車順番待ちの列があちこちにでき、大賑わい。実用的な四輪車と違って趣味性の強い二輪車は見る人の目も輝いている。

  "ウエルカムパーク"のゾーンにはCB650R、CB1000R、CB250R、Rebel250、GROM、Monkey、Super Cub C125、CRF1100L Africa twin、ADV150、Gold Wingなどのラインアップがズラリと並んでいる。乗車順番待ちの列があちこちにでき、大賑わい。実用的な四輪車と違って趣味性の強い二輪車は見る人の目も輝いている。

  奥の方にある"スマートライフゾーン"へ行くと電気バイク、「ベンリーe」と「ジャイロe」が展示されていた。Honda Mobile Power Packを搭載した、ビジネスユース向けの電動コミューターモデルで市販予定らしい。僕が電動バイクのヤマハパッソルで世界一周をしてから11年も過ぎているのに...海外に比べて日本のバイクの電動化が遅すぎない? ただ、日本の技術はトップクラスなので本気で取り組めば、きっと素晴らしい電動バイクができるはず、期待しよう。
  ブースの奥にあるのが"CBヒストリーシアター"。昔懐かしいCBから最新のCB1300 SUPER FOUR SPなどまで様々なCBを楽しむことができる。CBが好きな人にはたまらないだろう。そしてラストに待っているのが"モータースポーツロード"。ホンダが世界選手権参戦に参戦して60周年。各年代のレースで活躍した歴代の名車が展示されている。ホンダのブースはライダーが楽しめる内容盛りだくさん。僕も楽しむことができました♪

Kawasaki

  次がカワサキ。噂に流れていた並列4気筒の250㏄モデル「Ninja ZX-25R」が展示されていた。価格はまだ未定だが、来年には販売されるらしい。さらにこれまた世界初公開となるスーパーチャージドエンジン採用、200psのハイパワー、ド迫力のネイキッドモデル「Z H2」も展示。カワサキの中でもこの2台は特に光り輝いていた。
最新モデルだけではなくクラシカルな「650-W1」や「カワサキ500メグロK2」も展示。その造形の美しさは目を見張るものがあった。さらにその流れを汲むWシリーズの最新モデル「W800」もあった。長距離ツーリングを楽しむなら、このw800など最適かもしれない。他にも2019年の鈴鹿8時間耐久レースで優勝したKawasaki Racing Teamの車両が展示されていたり、コンパクトなスペースだが、その中にカワサキの魅力がギュッと詰まっていた。

YAMAHA

  国内4大メーカーの最後がヤマハ発動機。ホンダの「ハンターカブ」ともう一台気になっていたのがヤマハの「トリシティ300」。もう少し大きなサイズのトリシティが出ないかなと前から思っていたのだが...、やはり出ました300!! 早速見に行くと、実車はかなり重量感があった。その代わり安定感は増していそう。これならタンデムや長距離ツーリングも難なくこなしてくれそうだ。この300はヨーロッパでは販売される予定、日本では250ccになる可能性が大らしいが、僕的にはトリシティは車重が重いので300ccにして欲しい。どちらにしても販売が待ち遠しい一台だ。
ステージには参考出展の電動スクーター「E01」(エンジン出力125cc相当)と「E02」(エンジン出力50cc相当)が並ぶ。参考出展なのでどうなるかわからないが、僕的にはタンデムができるE01は是非、販売して欲しい。さらにその先の未来を行っているのが「MW-VISION」だ。これまでのバイクや車の概念を超えた、ニュービークル。見た目は車に近いがモーターサイクルのように車体を傾斜して旋回する3輪車。これで走ったらどんな景色が見えるのだろう? 想像すると胸が熱くなった。
ほかにも電動アシスト自転車、E-BIKEのオフロードレーシングマシン「YPJ-YZ」、電動トライアルバイク「TY-E」が展示。出川哲郎が出演している人気テレビ番組『充電させてもらえませんか?』で使われている「E-Vino」とスイカヘルメットも展示されていて、たくさんの人が嬉しそうに記念写真を撮っていた。

そのほか

  これで二輪メーカーのメインブースは終了! せっかくなので他のブースも回ってみることにする。その中で印象に残っている場所がいくつかあるので紹介しよう。
  ひとつは有明エリアと青海エリアを結ぶように伸びている"オープンロード"。シンボルプロムナード公園として、一般の歩道が東京モーターショーの一部として開放されている。青空の下に二輪車、スーパーカー、東京オートサロン展示車、痛車などが展示。その中にはテレビ番組のあいのりで使われていた「ラブワゴン」も展示されていた。
さらに緑地が広がる大きな広場"オープンフューチャー"には各種キャンピングカーが展示。キャンピングカーは見ているだけで想像が膨らむ。広場には実際に軽食を販売する車両が並んでいて、テーブルなどで飲食が楽しめるようになっていた。家族やカップルがおいしそうにフライドポテトをつまんでいた。青海エリアにある"フューチャーエキスポ"に入ると、最初におもちゃの"トミカ"のコーナーがあった。懐かしいミニカーから最新のミニカーまで、ものすごい数のミニカーが展示されている。子供のころミニカーをいくつか持っていたので懐かしい。童心の気分になって楽しんだ。他にも子供が職業体験できる"キッザニア"とコラボしたブースもアリ、子供たちがいろんな体験をしていた。
最後にひとつ印象に残っているのが、全国自動車標板協議会ブースの『ご当地ナンバープレート』。全国各地域の名産品や観光地などがデザインされた、その土地ならではのナンバープレートがあり、ここではご当地ナンバープレートの全種が見られるようになっている。ちなみに、現在交付されているのは41地域、来年新たに17地域が加わるという。個性豊かなナンバープレートは見ているだけでも楽しかった。僕の地元の「相模」のご当地ナンバープレートもできないかなと思うが、名物も名所もないから無理だろうなと苦笑いをした。気が付くと4時間が過ぎ。スマホを確認すると1万5千歩も歩いていた。どおりで足が痛いわけだ(笑)、さあ、そろそろ帰ろうか。

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