BBB MAGAZINE

  • 大人のたしなみとしてベスパに接してみよう!

    2018.06.04 / Vol.45

    - page2 - ヒストリックモデル #12

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    隅本辰哉

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    隅本辰哉

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    Vespa

見る者を虜にする大人向けハイエンドスポーツ

ツヤを抑えたマットな配色のカラーリング
"S"への赤い差し色がスポーツ性を強調
スポーツムードは否応なく高まる

ここまでに300Super譲りのハイスペックである事も、そして300クォーサーユニット(エンジン)の速さについても言及していますが、この事は現在でも変わらず300シリーズがベスパ最強スペックであるのは間違いのないところです。
しかしベスパは"速さ"をセールスプロモーションに用いたりしません。あくまでさり気なく、時には大胆に「あ、これは紛れもないスポーツマシンだ」と、ユーザー心理を引き出す事に長けたブランドだと感じます。
例えば足回り等へのブラックアウト処理だったり、走りを左右する機能パーツに"赤"をチョイスする等して、スポーツやレーシーなイメージが膨らむよう仕向けているのです。しかもこういった手法を多用するのではなく、ベスパファン達が「スポーツモデルはまだか?」といった気運の高まるドンピシャなタイミングでリリースしてくるワケですよ。なので待ちわびていたファンは間違いなくイチコロって事になってしまったハズです。

そういう意味でこれ以上ないタイミングの投入だったのが300SSだと言えます。ネーミング然り、"S"エンブレムへの赤い差し色然りです。まるでポルシェの73カレラとイメージがダブるデカールの採用も、心憎い演出だったと言えるでしょう。そしてマットカラーによるシックさも兼ね備えている点が決め手となったのは言うまでもありません。完璧な大人向けハイエンドスポーツとして、見る者の気持ちを鷲掴みしたのを容易に想像出来ます。

ヘッドライト周辺部
ヘッドライト周辺部をブラックアウトするのは300Superから踏襲されたもの。これで250との差別化を図り、精悍な表情を醸し出しています
メーターパネル
メーターパネルは年代毎に300Superと共通のタイプを採用。そのためこの年式では黒い盤面指針式3連メーターな仕様となっています
ホーンカバー
ホーンカバーは300Superを踏襲。ブラッククロームのエンブレム、"S"はSuperSportのみに追加。この"S"は後に赤い影付きに変更されます
フェンダークレスト
フェンダークレストはメッキ処理が施され、後方側に黒いカバーが付くタイプを採用。これも300Superの登場時に用意されたものなんです
ハンドルポスト下
ハンドルポスト下にあるのは、便利で使い勝手のいい荷掛けフック。その左横はメインキーが刺さった状態で機能するシートオープンスイッチです
フロントボックス
フロントボックスの右下にある"SuperSport"のロゴは、2つの"S"部分が赤く強調されたデザイン。スポーティイメージも高まるというものです
シート
パイピングの入る切り返し位置等、基本デザイン&形状は300Superと共通ながら、タックロール加工されたシートはSuperSport専用の物です
グラブバー
グラブバーはGTS系に共通採用の物ですが、250系にのみリヤキャリアが標準で付き、300系ではリヤキャリアを外してグラブバーのみという仕様です

【主要諸元】 GTS300 SuperSport(※諸元は2017年モデルのイタリア本国仕様)

◎製造年: 2011〜2017
◎カラー: マットイエローメタリック、マットグレーメタリック
◎フレーム形式: スチールモノコック
◎全長全幅全高: 1,950mm755mmーーmm
◎シート高: 790mm
◎ホイールベース: ーーmm
◎車両重量: ーーkg
◎燃料タンク容量: 8.5L
◎燃料消費率: ーーkm/L
◎最高速度: ーーkm/h
◎エンジン型式・種類: 水冷式4ストローク・4バルブ単気筒
◎総排気量: 278cm3(cc)
◎内径行程: 75mm63mm
◎圧縮比: ーー:ーー
◎最高出力: 21.2HP (15.6 kW)/7,750rpm
◎最大トルク: 22Nm/5,000rpm
◎燃料供給装置形式: 電子制御フューエルインジェクション
◎始動方式: セルフ式
◎タイヤサイズ(F/R): 120/70-12"/130/70-12"
◎ブレーキ形式(F): 油圧式Φ220mmディスク
◎ブレーキ形式(R): 油圧式Φ220mmディスク
◎懸架方式(F): 片持ち式油圧ショックアブソーバー
◎懸架方式(R): 4段階調整式デュアルアクション油圧ショックアブソーバー
◎エミッション: ユーロ4
マットイエローメタリック
マットイエローメタリック
マットグレーメタリック
マットグレーメタリック

ここで紹介したスペックと車両の画像は、300SSのラストモデルとなった2017年モデル(2016年11月発表)のものとなります。残念ながら日本国内へはデリバリーされなかったため、もしも並行輸入や個人輸入された個体があるとすれば相当なレアモデルだと言えるでしょう。
実は300SSって、ラストモデル以外もちょっぴりレアなモデルなんですよね。......と言うのも2011年のデビュー時にアナウンスされていたワケではないんですが、毎年設定色やデカールのカラー変更が施されていたために、"300SSはイヤーモデルである"という認識とともにハイエンドスポーツというポジションを確立していったんです。
ちなみに2012年モデルに設定されていたオレンジブラックデカール以外は、基本的にマットグレーやマットブラックといったシックなカラー設定でした。そしてフロントエンブレムの"S"に関しては、2年目から赤い影の付いた立体デザインに変更されていました。それだけにもしも中古車を探してみよう言うのなら、どの年式の300SSなのかという点もこだわってみるとおもしろいかもしれません。

イヤーモデルとして確立したハイエンドスポーツ

今回はここまで!

ド級のスタートダッシュを生み出す超絶パフォーマンス
匠級スーパーライダーなら自在にそのパワーを操れる
※写真は元WGPライダー・新垣敏之さんによるクローズドエリアでのパフォーマンスです

今回の「ヒストリックモデル#12」は、300SSに注目してみました。いかがでしたか? シックな大人向けハイエンドスポーツとして人気を博したモデルですが、残念な事に惜しまれつつもラインナップからは外されてしまいました。それでも圧倒的なパフォーマンスに魅せられたマニア達は、中古車を物色しているといったウワサも聞こえてきます。 しかもイヤーモデルであるため欲しいカラーで探すのか、それとも出てきた個体の年式とカラーを受け入れるのか、そんな楽しみもあるようです。 さて、次回も魅力的なベスパを取り上げていきますので、どうぞお楽しみに!

Vespa GTS300 SuperSport
2011年当時、その頃の輸入販売元であった成川商会によって日本国内向けに用意された総合カタログがこちらです。その中にGTS300 SuperSportも掲載されていました

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