BBB MAGAZINE

  • 大人のたしなみとしてベスパに接してみよう!

    2018.04.13 / Vol.43

    ワールドワイドにベスパでRUN #2

CREDIT

    • ライター
    • 執筆

    隅本辰哉

    • 撮影

    土田和寛

    • バイク

    Vespa

寄稿者:Vespa Club TOKYO・土田和寛 代表

イベント紹介を挟んだ事でちょっと"お久しぶり感"がありますけど、今回は韓国ツーリングの中編になります。
もうみなさんご存知だと思いますが、ベスパは世界各地で生産されていました。その生産地を中心として"世界をベスパでツーリングしちゃおう!"という目標を掲げているのが、ベスパクラブ東京の代表を務める土田さんです。そんな土田さんが世界を走って体験した事や感じた事を、ベスパ旅の紹介と共にお届けしていく"ワールドワイドにベスパでRUN"。
さて、今回の旅の中盤戦はツーリングメインの2日目との事。一体どんな旅だったんでしょうか?

寄稿者:Vespa Club TOKYO・土田和寛 代表
http://www.vespaclubtokyo.com/

2日目、ツーリングの日

韓国ツーリングも本番!
いよいよ韓国ツーリングも本番!
ソウル市内を抜け、目指すは水原!!

韓国ツーリング前編ではベスパをレンタルしてベスパショップを訪ねるという流れから、実際の韓国での走行を体験してみた土田さん達でしたが、道路事情や給油に悪戦苦闘しながらも少しずつ慣れていったみたいです。そうしてホテルへなんとか辿り着き、近くの食堂で韓国名物サムギョプサルを堪能。翌日からの韓国ツーリングに備えて休まれた土田さん達の夜が明けたところから韓国ツーリングの後編がスタートです。

(以下は土田さん自身に寄稿していただいた韓国ツーリングレポートの後編になります)

前日の夕飯はホテルの並びにある食堂で、韓国名物の一つサムギョブサルという豚肉の鉄板焼きとキムチチゲをいただきました。韓国の食堂では必ずと言ってもいいほど、ズシッとお椀に詰められたご飯が付いてきます。なのでついつい食べ過ぎでおなかいっぱいになってしまいます。

2日目はいよいよツーリングですが、まずは朝食から。今回利用した宿泊施設はホテルなのですが、食事は自分達で調理するスタイルでした。用意された卵とパンを自分たちで焼くだけというカンタンなものながら、想定外だったのは食事部屋の席数が少なかった事。その結果、団体さん達によって席が埋まってしまっていて、なかなか食事をする事が出来ませんでした。それもあって、最終的にホテルを出発出来たのは10時過ぎ。この日のスケジュールは全体的に時間に余裕を持ったつもりでしたが、出発が10時を回ってしまった事も計算外でした。

韓国の道路標識

出発前に今回のツーリングの同行者である巌さんと、ある程度の道順を決めておきます。主要な大通りをメインに進んでいくので、ある程度の道順だけ決めました。残りは実際の道路状況に合わせて臨機応変に対応をしていきます。
韓国の高速道路と自動車専用道路は、二輪車の通行が禁止されています。そのため大通りを利用してそのまま高速道路に......なんて事にならないよう、注意をしていかなくてはなりません。なにせ慣れない土地なだけに色々と緊張感を伴います。

今回利用していたアプリの地図を見ながら進んでいくと、青い道路標識&ところにより緑色の道路標識で表示されていました。道を進んでいくと突如現れた緑色の道路標識ですが、日本では青い標識が一般道路、緑色は自動車専用道路などという認識のため、一旦バイクを止めて地図の確認をしました。どうやら緑色の標識でも一般道であるらしく、そのまま進む事が出来そうです。

今まで国道を走ってきたのにも関わらず、この先は有料道路のため通行が出来ないとなっては相当戻っての迂回を強いられるので、ここでの場面では助かりましたが事前の勉強不足でした。韓国では高速道路の手前には二輪車の侵入を禁止する標識があり、高速道路の路線表示にはアメリカと同じ路線表示が使われているため、きちんと知っていれば迷う事はないポイントでした。

いざ世界遺産のある街へ

水原華城にある長安門に無事到着!
およそ50kmのショートトリップ
水原華城にある長安門に無事到着!

さて、朝食を終えたのでツーリングメインの一日を楽しむ事にします。目的地はソウル中心部から南下したところにある水原(スウォン)。距離は約50kmほどのようです。
韓国は焼肉やカルビでもお馴染みの国ですが、それぞれの地域で特色のあるカルビが楽しめるそうです。水原でも水原カルビが名を馳せており、遠方からわざわざ食べに来る人がいるほどなんだとか。

そんな食の観点からも人が訪れるスポットになっているそうですが、水原は世界遺産登録されている水原華城(スウォンファソン)がある街でもあります。18世紀末の李氏朝鮮王朝末期に作られた城塞遺跡で、今もお宮や城壁が保存されています。今回はその水原華城と水原市郊外にある韓国民族村を訪れ、韓国の民族的な事や文化的な事に触れる機会になればと思いこの場所を今回のツーリングの目的地に選びました。

昨日ベスパをレンタルしてからショップ訪問や給油体験をした事で、概ねこの土地での道路事情などが把握出来ていたのは収穫でした。おかげで目的地付近まで、特に難もなく小一時間で到着する事が出来ました。基本的に道路標識は国際表示になっているため、日本と雰囲気が似ていてわかりやすいところも大きいと思います。それでも水原華城の北門に当たる長安門が見えたところで、無事に目的地まで到着出来たと安心しました。

到着後、まずは駐車場を探す必要があります。韓国では二輪車に対する駐車の取り締まりが厳しくないようで、どこに止めても問題なさそうに思えます。しかしイタズラされても困るので、一応問題のない駐車スペースを探す事にします。ちなみにソウル中心部のソウル駅前(東京駅に値するくらい中心の駅)でも、二輪車を数日止めていても取り締まりをしていないようです。さらに今回利用したホテルも敷地内に駐車スペースがなかったので、結局地元の皆さんが止めているのと同じような感じで止める事にしていました。

そして、ここ水原華城です。ここも道路上に白い枠で囲った住民用の駐車スペースや路上駐車が多い個所などいろいろありましたが、周辺を少し走り回ってみると長安門付近にある来場者用の駐車場を見付ける事が出来ました。見付けた駐車場は有料のゲート付き駐車場のようですが、訪れたときは無料で開放されていたのでそこにバイクを止め徒歩で場内を見学する事にします。

意外にも体力勝負(?)だった水原華城

ユネスコ世界文化遺産の水原華城
ユネスコ世界文化遺産の水原華城
「世界遺産 華城」の記念碑を前に記念撮影

目的地である水原華城に到着した後は城壁の外側の駐車場にベスパを止め、歩きで中心部へ向かう事にしました。城壁周辺は公園の広場のように芝生で整備されているので、西洋の城壁だったり万里の長城のような起伏ある城壁の周りを歩き進む事が出来ました。

ところで日本での城の見学となるとお堀の周りを回り込んでから門をくぐり、道の入り組んだ上代の道を進み天守閣を目指すパターンが多いですが、水原華城は丘の上に城壁がそびえているため起伏のある地形の壁沿いに進み、時折見張り台のような東屋で休憩する事が出来ました。季節的な事もあってとにかく蒸し暑く、起伏のあるところを歩くだけで体力が奪われてしまうのです。

小一時間かけ、ようやく水原華城のチケット売り場や各施設が集約されている東門の蒼龍門(チャンニョンムン)まで到着しました。昔の様子を残しつつ今の街も機能しているため、場内の一部を除いてそのまま歩いて見学が出来るようになっています。
蒼龍門は旅行ガイドでも度々取り上げられるほどロケーションの良い場所なので、近くまで来るとすぐにわかる場所でもあります。すぐ近くまで自動車やバイクで来られる場所だという事も、来てみて初めて分かったのです。そこで旅のパートナー巌さんと「バイクなら少し止められそうなので、一度バイクを取りに戻りましょう」と相談し、ここでバイクと一緒に記念写真を撮ってから次を目指そうという事にしました。

ここまで湿気も多く起伏の激しい城壁沿いに歩いて来ましたが、バイクへ戻る際は道路を歩く事に。そうすると整備されているせいで歩きやすく、行きの3分の1......20分程度で戻って来てしまいました。おそらく二人共「初めから道路を使えば良かった」などと思いながら、今度は颯爽とバイクで先ほど見つけた写真スポットまで戻ります。およそ5分少々で戻って蒼龍門の前、そして世界遺産の表示された石像の前で写真撮影。撮り終えてから、また次の目的地を目指しました。

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