BBB MAGAZINE

  • 大人のたしなみとしてベスパに接してみよう!

    2019.04.23 / vol.58

    ワールドワイドにベスパでRUN #10 台湾をより深く知るための旅/前編

CREDIT

寄稿者:Vespa Club TOKYO・土田和寛 代表
ネットで知り合った台湾の友人達が、日頃どんなスクーターライフを楽しんでいるのか。「仲間や友達の普段の姿を見てみたい」......そんな思いで2014年に台湾を再訪する事にした土田さん。前年の初台湾体験とはまた違った、より深い現地体験の内容をまとめてくれたのでお届けしましょう!

台湾を再訪した理由

持参したクラブバナーに記念の寄せ書きをもらう
ベスパクラブ流の交流方法は全世界共通!

  土田さんにとって初めての台湾旅となった2013年は、ネットを通じて知り合った台湾の友人達に協力を得る事が出来たため、行ってみたかったお店に連れて行ってもらったり、ベスパ乗りの仲間を紹介してもらったりと充実した旅であったのは公開済みのレポートでご存知でしょう。でも土田さんとしては台湾の事も彼らの生活の事もあまり分からないまま、見るもの聞くものすべてが新鮮のままで、あっという間に時間が過ぎてしまったという印象だったようです。そこで「より深く台湾を知る」をテーマに、再び台湾を訪れる事にした土田さん。「ワールドワイドにベスパでRUN」の第10弾は、そんな土田さんが改めて味わって来た2014年版台湾レポートの前編になります!(以下は土田さんによるレポートになります)
※記事中の情報や写真は2014年当時のものとなりますのでご注意下さい

  2014年、早々に台湾の友達に会いに行ってきました。その友達というのは同じ乗り物に乗っているという事でインターネットを通じて知り合い、2013年に直接会って交流を深める事が出来たTakeshiさん、Lewisさん、Maikaさんです。彼等とは再び台湾の地で再会する事が出来ました。

  初台湾だった前回は自分自身が行ってみたかったお店を案内してもらう等、とても充実した旅ではあったのですが、それはガイドブックやインターネットで知り得た情報の中の台湾であって、実際に彼等が普段どのように集まって遊んでいるのか等、よりリアルな体験をしてみたいというのが今回の旅の目的です。そのために買い物等は事前にリクエストしておいて、短いスケジュールでも多くのリアルに触れられるよう調整してもらいました。さらにTakeshiさんのご好意により彼の愛車(ベスパ)を貸してもらえたので、連れて行ってもらうというのではなく、自分で台湾の仲間達と行動を共にする事が出来ました。

  さて、私が台湾へ行ったのは1月。この時期の台湾は旧正月のため、いわゆる忘年会シーズン真っ只中です。ここ台湾でも日本と同様にパーティーや忘年会が繰り広げられ、日本と何も変わらぬ盛り上がりの中、私もこちらの忘年会に参加させてもらう事が出来ました。今回参加したのは、TAIPEI mod styleというスクータークラブの忘年会です。会場は台北市内から北へ約30km程移動した、Le Coqという海辺のお店。とても広々とした店内にはアンティークの雑貨も売っていて、そこには古いベスパの部品もありました。それに店内には、かつて台湾で生産されていたLambretta Centoがディスプレイされていました。どうやら、ここの店員さんもクラシックスクーターがお好きなようです。

  そして表の通りには、今回の忘年会に参加しているメンバーのベスパやランブレッタが多く並べられています。スクーター社会の台湾では店先や道路に多くのスクーターが止められているのはよくある光景なのですが、やはりイタリアンスクーターがこれだけ並んでいる状況だと雰囲気が変わるという印象でした。実は本来車両を止めるべきエリアに止められないという状況だったらしく、それで皆さんが道路に止めていたようです。それでも車体の向きが揃えられ、1台1台......オーナー1人1人の個性が現れているようで見ていて飽きる事がありませんでした。そうは言っても車両にばかり気を取られているワケにもいきません。せっかく台湾まで来ているので、これだけ多くのメンバーとの交流の機会をフイにするなんてしたくはないですしね。だから話をしたりして、なかなか忙しい一時でもありました(笑)。

  TAIPEI mod styleというクラブは様々なグッズを作る等、活動が盛んなチームです。私もお土産として三角形のフラッグやステッカーをプレゼントされました。中でも良く出来ていると思ったのがハガキサイズのカレンダー。メンバーの車両を使った12ヶ月分の卓上カレンダーとなっていて、写真も構図の切り口のセンスも良いですし、モデルも使ったりしているのでもらって本当に嬉しいものでした。

  ところで1月の台北は、東京の日中と比較して10度も高い15度前後という気候。日本で言えばもう春を感じる陽気です。しかし出発前の天気予報では、全日程で降水確率70%でした。ところが行ってみたら帽子とサングラスが欲しいくらいで、見事に晴れていました。ただし、日中は春先という気候でも日が沈めばだいぶ冷えます。それに対応するべくメンバー達の服装は、M-51といういわゆるモッズパーカーであったり、N-3Bといった軍物が多い印象でした。私からするとこのくらいは十分暖かいと感じられる気温ですが、夏の蒸し暑さがある台湾では寒いのかもしれないと思いました。

  あとスクーターでも皮革製ジャケットを着るメンバーも多く、スクーターと言えども愛車の方向性に合わせたスタイルで服装にも気を使っている人が多いのだと感じました。これは勝手なイメージですが、スクーターの多さが尋常ではない台湾では自転車代わりといってもおかしくないくらい一人一人自分のスクーターを持っているように思います。でも道具の一つでしかないのでしょう。ヘルメットやライディングウェア等の装備類は、とにかく使い倒されてしまっているという印象を持ちました。街中で目にする普通っぽいスクーターであっても細かなところまでカスタムの手が行き届いていたり、ヘルメットや服装が車体の雰囲気やカスタムの方向性とマッチしていれば、そのオーナーが本当にそのオートバイに対して愛着を持っている事が窺い知れたりします。だけど台湾では若い学生が新車を購入し、社会人は中古のスクーターを買うケースが一般的なようです。それってスクーターに乗れる年齢になれば新しいものを買ってオシャレして出掛けるけど、逆に社会人になるとスクーターは完全に道具という扱いになってしまうのかなっていう気がしてしまいました。本当にそうなら、装備類はあれば良いという感覚になってしまうのも仕方ない事なのかもしれません。それでも2輪が好きな人は、環境が許す限りそれ以外......道具としてだけではない2輪を所有しているという印象を持てたので、そこは少しだけホッとしました。

牛丼アプリ
こちらは何度か日本に来た事のある人のスマートフォン。台湾では日本の牛丼も人気で、そのアプリを入れて最寄の牛丼店を見つけるんだそうです
Le Coqというお店に停まっている新旧べスパ
今回の忘年会が行われたLe Coqというお店がこちら。ここでメンバー達とも交流が出来、その際に店先に止められた彼等の新旧べスパの多さは圧巻
交流時の一コマ
交流時の一コマですが、食事の合間にメンバー達が興味を示していたのが日本から持参のベスパから最新スクーターまで網羅したバイク雑誌です
ランブレッタ
日本と比べると数こそ少ないながら、ベスパとはライバル関係なんて言われる事の多いランブレッタ(蘭美達)を好むメンバーだってもちろんいます
Le Coq 店内にランブレッタがディスプレイされていている
日頃からメンバー等が集まり、今回は忘年会の会場にもなったLe Coq。その店内にはランブレッタがディスプレイされていて目が止まります
Le Coqへ向かうベスパ
Le Coqは台北市からはずれた場所にあるため、台湾の緩やかな時間の流れが感じられます。そういう意味で郊外は走っていて良い気分です
台北市内で再集合
忘年会の後、メンバー達は台北市内まで戻って再集合。そこから私を夜のツアーへと連れ出してくれ、おかげで楽しい一時を堪能させてもらいました
台北市内を一望出来る高台
台北市内を一望出来る高台にも案内してもらえたので、見上げるのとはまた違った目線・雰囲気の台北101タワーを写真に撮る事も出来ました
台湾ならではの建物
いわゆる近代的なビルディングではない、台湾ならではの建物にもとても多く案内してもらえたので、台湾の歴史に触れる事も出来て満足です
日本の居酒屋を意識して作られたというお店
ちょっと面白いと思ったのが、日本の"居酒屋"を意識して作られたというお店です。「日本と比べてどう?」と、メンバー達が揃って興味深々でした

今回はここまで!

日が傾きだした夕刻に家族とベスパなんてシーンを目撃
家族が一緒に大好きなベスパで出掛けるなんてほのぼのしちゃいます

台湾をより深く知るための旅/前編はいかがでしたか? 何やら初日から現地クラブの忘年会に参加してしまったりと、今回も土田さんらしいアクティブな行動力に脱帽です。この流れで2日目も色濃い充実の旅が期待出来そうですよね。
それでは次回の後編も、どうぞお楽しみに!

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