BBB MAGAZINE

  • 全国「旅ごはん!」バイク紀行

    2010.08.25 / Vol.08

    まんぷく食堂のからあげ丼(三重県伊勢市)

CREDIT

    • ライター
    • 執筆

    藤原かんいち

    • 撮影

    藤原かんいち

    • バイク

    リトルカブ

紀伊半島
町を少し離れると大自然が待っている。紀伊半島は海と山どちらも魅力的。

全国各地のB級グルメをネットで検索している時だった。次に訪れる予定の紀伊半島に何かおいしいモノはないか、マウスをクリクリしていると伊勢で面白いモノが見つかった。名前は「からあげ丼」。そう言えば唐揚げを使った丼物って、いままで一度も食べたことがないな。ネットで見ると評判も上々、地方から訪れるライダーも多いらしい。これは食べてみる価値があるかも、いや、絶対食べてやる〜!固い決意と共にリトルカブに跨った。

伊勢湾フェリー
伊勢湾フェリーを使って伊良湖から鳥羽へ。約1時間の船旅を楽しんだ。

伊勢に向かって細長く延びた渥美半島を横断、半島の西先端の伊良湖からフェリーに乗り込み、紀伊半島の入口となる鳥羽へ向かう。約1時間で鳥羽港に着くとすぐ隣にある日本屈指の水族館、ジュゴンやラッコがいる「鳥羽水族館」が目に留まった。今回は時間がないので「また来るからねー!」と横目でパス。一路、まんぷく食堂がある近鉄宇治山田駅を目指した。

宇治山田駅
近鉄の宇治山田駅。食事の後は散歩を兼ねて風格ある駅舎を見学しよう。

到着した駅は幅120m、タイルで全面装飾された風格ある駅舎で、昭和初期の代表する建築物として国の登録有形文化財に登録されているという。これはすごいなぁ…と駅へ向かって数歩歩いたところで、違う違う!今日の目的は駅じゃなく、からあげ丼であることを思い出す。すぐに駅の隣りに立つ、宇治山田ショッピングセンターにあるまんぷく食堂へと進路を変えた。

ショッピングセンター
目指すまんぷく食堂は、アンティークなショッピングセンターの一角にあった。

車道に面した入口に大きな看板。その下にはデカデカと大文字で「全国でまんぷくだけ・からあげ丼」と書かれた看板が置かれている、ということはそれだけ味に自信がある証拠。なんだかワクワクしてくる。

ガラス戸を開けて店内に入る。昼時を過ぎているので客は他に2組だけ、比較的空いている。席に着きメニューを見るとからあげ丼他にかつ丼、みそかつ丼、天丼、親子丼、玉子丼、牛丼等もある。他に定食、伊勢うどんなども揃っているが、僕は迷わず目的の品を注文する。

メニュー
メニューの手書き文字は味があっていいですね。手頃な値段も嬉しいです。

メニューの値段を見ると、からあげ丼600円、かつ丼630円、福定食730円、伊勢うどん380円とどれも良心的な値段。壁には新聞記事や雑誌記事が貼られ、テーブルの横にはサイン色紙の山。結構知る人ぞ知る有名店のようだ。店内はどこにでもありそうな庶民的な食堂。値段が手頃なこともあり学生に人気があるらしい。

10分ぐらい待つと若い女の子が丼を運んできてくれた。
「おおおっ!」

からあげ丼
これが絶品のからあげ丼。味、ボリューム、値段とも三ツ星。また食べたい!

まず驚いたのが唐揚げの大きさと量。ごはんが見えないほどからあげが山積みの上、どれも大きい。それを玉子と甘いダシでとじているのだが、見るからにおいしそう。考えてみればこれも親子丼。ひとつの変形版だと思うけど、鶏肉が唐揚げというのはこれが初体験。

からあげ丼
見た瞬間思わず笑顔がこぼれた。おいしい食べ物は心まで笑顔にしてくれる。

それにしても、このボリュームで600円は絶対に安いなぁ。いや、待て、待てーーっ(笑)、評価を下すのは食べてから。肝心なのは味だ。

「おおおおおおおっ!」
見たときの「おおっ」よりさらに大きな「おおっ」が口から飛び出した。鶏肉が上質でとても軟らか、そしてジューシー。衣もサクサクしている。これはうまい、うますぎる。元々、ごはんとからあげの相性はバッチリなのだ。そこへさらに仲介役的な半熟玉子が加わるのだから、うまくないわけがない。最高の黄金トリオが創り出すこのハーモニー♪たまりません。

興奮気味にパクパク、あっという間に完食した。お腹いっぱい、ボリュームも大満足。

記念撮影
お店のみなさんと記念撮影。庶民的なあったかい雰囲気が印象に残っている。

「どちらからいらしたんですか?」
食後、お店のお兄ちゃんが声をかけてくれた、それから僕の旅のことやからあげ丼のことなど楽しくおしゃべり。味もさることながら、こういう気さくな人柄だから人が集まってくるんだろうな。最後に店の人たちと一緒にお店の前で写真撮影、楽しい時間を過ごすことができた。

もしこの食堂が近所にあったら、毎週通っちゃうかも。お店の名前の通り胃袋も心も「まんぷく」にしてくれる、素敵な食堂だった。

二見浦の夫婦岩
二見浦の夫婦岩。二見興玉社の巨大カエルも必見。交通安全を祈りましょう。

まんぷく食堂がある伊勢と周辺は観光ツーリングスポットの宝庫。伊勢神宮をはじめとして賢島、大王崎、パールロード…と見所もバラエティに富んでいるし、さらに足を延ばせば熊野古道、大台ヶ原、吉野山、奈良、関宿などもある。何度も通いたくなる絶好のツーリングエリアなのだ。

関西や名古屋からのアクセスも良好。関東の場合は東名、東名阪、伊勢自動車道と高速道路を繋げるルートと渥美半島を走りフェリーで鳥羽へ渡る2つのルートがある。おすすめは行路にフェリーを使い、帰路は高速道路という一度で二度楽しめるパターン。

紀伊半島ツーリングのシメに、またはスタートにぜひ立ち寄って見てください。僕的にはまんぷく食堂がツーリングの目的になるのもありだと思います。ぜひ、次の休日。からあげ丼を食べに伊勢へ行こう!!

獅子岩
少し離れていますが獅子岩へも行きました。何度見ても、似ているよなぁ

かんいち的採点表

あじ:

ボリューム:

値段:

からあげ丼 600円(税込)

~今回の旅ごはんinfo~

まんぷく食堂
住所:三重県伊勢市岩渕2-2-18
TEL: 0596-24-7976
定休日:無休

まんぷく食堂

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