BBB MAGAZINE
CREDIT
-
- ライター
- 執筆
藤原かんいち
-
- 撮影
藤原かんいち
-
- バイク
リトルカブ

北海道の旅を終えると函館からフェリーで下北半島の最北端・大間崎へ渡った。岬に立つと海の向こう北海道が見える。楽しかったたくさんの出会いを懐かしく思い出す。恐山や奥入瀬渓谷、十和田湖を訪ねると八戸へ向かう。八戸の朝、「八戸の朝市はスゴイから行ってきな!」という言葉に押されバイクに跨った。正直なところ特にどこへ行く予定ではなかったが、八戸市内で偶然立ち寄ったカフェのマスターが「八戸に来たら絶対に朝市に行って欲しい!
いかなきゃ八戸に来た意味がないよー!」強烈プッシュするので、そこまで言うならと思い行ってみることにした。勉強不足で知らなかったが、海の玄関口のひとつ青森県八戸は漁業の盛んな土地として知られているが、古くから朝市が盛んで土地としても有名らしい。バイクを走らせながら「おいしい物が安く食べられたらいいなぁ」ワクワク胸を弾ませた。

朝市は漁港に隣接する大きな駐車場にできていた。多いときは400前後の店が並ぶというスケールの大きな朝市で、店の終わりが見えないくらいたくさんテントが並んでいる。はやる気持ちを抑え、とりあえずバイクを駐車場に止めて朝市を歩き出す。けっこう人は多いが、歩きにくい程ではない。うどんや焼きそばの他、惣菜、漬物、野菜、鮮魚、果物、雑貨などなど、基本的には主婦が手作りした素朴な物が多いようだ。とりあえず考えつく物は何でも売っちゃおうという感じ。買い物をしている人たちも千差万別、年輩の人もいれば、学生風の若い人、家族連れ、中国人らしき外国人もいる。

「さて、何を食べようかなぁ」いろいろ覗いた中で一番気になったのが「うにごはん」。パックに入れて売っているのだが、これが200円と激安。東京ではうにの破片しか買えない値段で、うにの味が付いたごはんが、さらにうにが載っているのだからスゴイ。感動だ。とりあえず買っておく。

ブラブラと歩き、まずはかき揚げの天ぷらうどんで腹ごしらえとする。テントの下にはたくさんのテーブル、結構人気の店らしく5人が順番待ちしている。いただきます。サクサクの衣、エビが香ばしい。うどんもいける。ダシは東北らしく醤油風味がきつめだ。かき揚げ天ぷらうどん400円。おいしかった。それから八戸といえば「せんべい汁」。どこかで食べたいと思っていたら運良く朝市の一角で発見した。鍋の専門店らしく、大きな鍋が店先にいくつも並んでいる。

せんべい汁の他、すいとん鍋、馬肉鍋、ホルモン鍋、牛スジ鍋などが売られている。時間が遅かったらしく、すでに馬肉と牛スジは完売状態だ。食べてみると、これがいける。せんべいが柔らかくなっていて、すいとんというか餅のように柔らかくなっている。そこに汁のうま味がしっかりと染み込んでいておいしい。汁にはネギや大根、ニンジン、椎茸などの野菜がいっぱい。寒い朝にピッタリ、心と体の芯まで温まるおいしいせんべい汁だった。うどんを食べた後だったの小サイズにしたけど、これなら大サイズでも食べられたかも。小200円。


歩きながら食べられるものはないかな?と思いながら歩いていると、おもしろい物を見つけた。ありそうでなかった串焼き豆腐だ。甘いみそが塗られた豆腐が焼かれて売っているのだ。こんなの初めて見たぞ。これぞまさに東北地方のソウルフルファーストフード(?)。いや、ジャパニーズホットドックだ!(ちょっと違うか)。食べてみると、これがすごく素朴な味。豆腐とみそは日本を代表する黄金コンビ。飾り気のない日本の香りが口いっぱいに広がる。日本人はやっぱりこれだよなぁ〜って思う、納得の味だった。ちなみにこれで100円、安いです。

そして最後に最初に買っておいた、うにごはんに箸を延ばす。うにの味がごはんにしっかり染み込んでいて、ドンドン箸が進む。ごはんの上に載っているうにも甘くてクリーミー。はじめて食べたけどコクがあって美味。この朝市があるなら、このまま八戸に1年位住んでもいいかなぁ(笑)と思うくらい、どれもおいしい物ばかりだった。朝市で食べた物はどれも特別な物ではなく、一般家庭で作って食べているようなものばかり。だがそれこそが東北の味であり、東北の魅力なのだと思う。初めて食べるのに、まるで故郷へ帰ってきたような懐かしい味がした。

さらにこの朝市の魅力は明るくて陽気なイサバのカッチャ(八戸の方言でお母さん)とのおしゃべり。方言がキツすぎて何を言っているのか分からなかったりするけれど、それが逆に嬉しく、遠くへ来たことを実感させてくれる。地方色が薄くなってきている近年、この朝市は貴重な存在。ぜひ一度、日本の大いなる東北の田舎で、素朴な食を味わいながら、東北の純朴な人柄にも触れて欲しい。きっと、これぞ旅だと心から実感できるだろう。

かんいち的採点表
あじ:



ボリューム:


値段:




~今回の旅ごはんinfo~
湊日曜朝市
住所:青森県八戸市館鼻漁港
TEL: 0178-27-3868(湊日曜朝市会)
営業時間:日の出~10時頃。店によって差がある。
定休日:3月中旬~12月まで。毎週日曜日。

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