BBB MAGAZINE

  • 全国「旅ごはん!」バイク紀行

    2012.02.25 / Vol.26

    名物「大盛」の具入りうどん(宮崎県宮崎市)

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    藤原かんいち

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    藤原かんいち

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    リトルカブ

阿蘇山
九州の阿蘇山周辺は絶景のオンパレード、いろんなツーリングが楽しめる。

一年の中でも最も過ごしやすい、爽快な季節に僕は九州地方をバイクで旅していた。そびえ立つ山々は瑞々しい新緑で溢れ、流れる路上は鮮やかな花々で溢れ、吹き抜ける風は眩い光で溢れている。

高千穂峡
神秘的な風景が広がる高千穂峡。訪れる度に新しい発見がある。

九州と言えば、北海道に次いでツーリングライダーに人気のあるエリア。雄大な風景が広がる阿蘇山や桜島、美しい渓谷が続く高千穂峡、日本有数の湯量を誇る別府温泉、異国情緒溢れる長崎、磨崖仏が眠る国東半島など、ツーリングスポットとしての魅力満載。同じように風土料理も食材豊かでおいしい食が目白押し。例えば麺類でも博多ラーメン、長崎チャンポン、皿うどんなど豊富に揃っている。

臼杵磨崖仏
臼杵磨崖仏。日本を代表する石仏群で磨崖仏としては初めての国宝。

関東に住む僕から見ると九州は距離的に遠く、麺類なども独特の個性があるので訪れる度に食べている。だが逆に、日本中どこでも一般的に食べられている“うどん”などはほとんど食べたことに気が付いた。そういえば、九州の人が食べてる一般的な“うどん”ってどんな感じなんだろう?ダシは関西風に昆布系?麺は讃岐うどんみたいにコシが強いのかなぁ?これは一見ならぬ、一食の価値があると思い。旅の途中から情報収集を始めた。

霧島にある御池
霧島にある御池。周辺は広葉樹の深い森で野鳥の棲息地になっている。

リサーチ中の僕のストマックアンテナにビビッと引っかかったのが、宮崎市内にある「大盛」といううどん屋だった。大正2年創業の老舗(2013年で100周年!)、100年前から庶民に愛され食べ続けられている、まさにディスイズ宮崎のうどん。これこそ僕が求めていた九州の“うどん”ではないか!?見るとお店の営業は朝8時から。明日の朝ご飯は何を食べようか?と思っていたので丁度いい。よし「大盛」決定だ。

鹿児島から霧島国立公園を抜けて小林のキャンプ場で一泊。自然の中にいると早起きになる。目覚まし時計なしで6時前に起床。自宅にいるときには信じられない時間だ(普段は夜型生活なのだ)。歯ブラシ、洗顔を済ませるとテキパキとテントを畳み、バイクに積み込んだ。

昼時
昼時はかなり混雑するので注意。国道沿いにあるので場所はわかりやすい。

国道10号で宮崎市内に入る。目を皿のようにして探していると…あったぁ!見た目は老舗というよりも近所にありそうな普通のうどん屋さん。駐車場にバイクを止めると、入口の引き戸をガラガラと開けた。店内は穏やかな空気がゆったりと流れている、初めて来たはずなのになぜか懐かしい。よそ者である僕を優しく受け入れてくれるこの包容力、この空気感がたまらなく心地いい。チェーン店にはない世界。

窓際のカウンターに座ると、少年のように明るい笑顔の店員さんが水を持ってきてくれた。聞くと、具入りうどんと肉うどん、いなり寿司などがおすすめだとという。朝から肉はちょっと…なので、具入りうどんといなりを2つお願いする。

うどん
いい感じで醤油系のダシがうどんに染み込んでいる。天かすはサクサク。
具入りうどん
具入りうどん、このボリュームで440円は安い。いなり寿司もおすすめ。

まず、いなり寿司。少ししてうどんが運ばれてくる。いなり寿司、関東は四角形なのに対して宮崎は三角形だった。味の方は大きな差はなく、基本甘口でおいしい。次はうどん。かまぼこ、天かす、さつま揚げ、ネギなどの具がどっさり載っていて、その隙間から白いうどんがチラリと顔を覗かせている。

箸を差し入れるとググッと重い。とにかく麺の量がすごい。バランスとしては麺と具、その隙間に汁が入っているという感じ。どんぶりの中が麺で埋め尽くされている。食べてみると麺が柔らかい。強く挟むと切れてしまうほど。コシの強い讃岐うどんとは対極の食感だ。これは意外!そしてダシが黒くて甘〜い。いりこダシ&醤油ベースのようだが、驚いたことに僕が昔から食べ慣れている近所のうどん屋に近い味だった。

宮崎の田舎町
宮崎の田舎町をのんびり走る。海山川豊かな自然が揃っている。

まさか遠く離れた九州で、関東に近い味のうどんが愛されているとは、想像もしていなかった。聞いてみると「大盛」が特別なわけではなく、宮崎の人がいつも食べているうどんは基本的にこのような味だという。

関東に対して香川や関西圏はコシが強くダシも薄口なのに、さらにその西にある九州のうどんは関東に近いとは大発見だった。

記念撮影
店員さんと記念撮影。お客さんの少ない朝の時間に来たのが幸運だった。

帰り際、店員の青年にどこから来たのか聞かれたので、神奈川県からバイクで来たと話すと、いたく感激してくれた。旅が好きで旅行家になり、日本から世界中をバイクで旅していることを話すと「すごいなぁ、好きなことを仕事にできるんですね」といって目を輝かせた。僕のような人に会えたことがとても嬉しかったようで、厨房にいたもうひとりの青年も加わりいろんな話をした。いい店だと思ったら、働いているふたりも心が真っ直ぐな好青年だった。

いい食、いい出会い。「大盛」では思い出に残る、素敵な時間を過ごすことができた。いつもとはひと味違う、旅ごはんとなった。

住吉飯店
野生馬が歩く都井岬。宮崎へ来たらぜひ訪れて欲しいスポット。

かんいち的採点表

あじ:

ボリューム:

値段:

■具入りうどん 440円(税込)
■いなり寿司 1個70円

~今回の旅ごはんinfo~

「名物・大盛」
住所:宮崎県宮崎市江平西1-5-60
TEL: 0985-26-2011
定休日:月曜日

「名物・大盛」

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