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    2017.02.24 / Vol.15

    GO!キャンプツーリング 世界のツーリングキャンプ面白体験談

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    藤原かんいち

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    藤原かんいち

藤原夫妻

これまで日本はもちろんのこと世界各地をバイクで旅しながら、いろんな場所でキャンプをしてきた。キャンプ場も国によって事情が違っていて、日本にはない「えーっ、何で!?」と驚くようなことがあったり、キャンプ中に思わぬハプニングが起きたり、いろんなことがあった。そこで今回は世界ツーリングのキャンプで体験した面白いエピソードをいくつかご紹介します。

1.アリ襲撃事件発生[オーストラリア]

テント
キャンプ場以外でもよくテントを張った

僕が初めて海外ツーリングをしたオーストラリアはキャンプ天国だった。普通の町や観光地には必ず設備の整ったキャンプ場がありとても便利だった。ホットシャワーも必ずあるので、疲れた体をリフレッシュするのにも最適だし、オージーたちと交流をする場所としても最適だった。さらにオーストラリアは都市以外ほとんどが無人の砂漠地帯や荒野が広がっているため、ある意味どこでもキャンプし放題という雰囲気があって、ちょっといい空地があると必ずオージーがキャンピングカーを停めてブッシュキャンプをしていた。

事件が起きたのは北部のクイーンズランド州。草木がまばらに生えるサバンナのような風景が延々と広がる道を走っていた「今日はこの辺までにしようか...」と思い、道を離れて荒野へ入って行きテントを張った。枯れ木を集めて火をおこし、パスタをゆでる。おかずは好きなコーンの缶詰。食べ終えて寝袋に入ると遠くから「ンッン~ッ!」人の唸り声のような声が聞こえる。周辺数十キロに民家もないのに何だろう? しばらくすると今度はコツコツと足音が... 「ええっ?何?」恐る恐るテントのファスナーを開けると、野良牛が歩いていた。「ああ、よかった。ビックリさせやがって!」

キャンピングカー
キャンピングカーに泊まることもできる

ところが翌朝にはさらなる驚きが待っていた。朝方、寝ぼけ眼になぜか蟻の行列が映った。テントの中なのに?どうして?「うおおおっ!」驚いて目を覚ますと、とんでもない数の蟻がテントの中を歩き回っていた!!「なんで?どうして?」と思いながら蟻が向かっている先を見ると、昨日食べたコーンの缶詰が。缶の中を見ると無数の蟻が残り汁に落ちて、真っ黒になっているではないか。「ひぇーーーっ!」その恐ろしい光景を見て気絶しそうになる。

恐る恐る缶を摘み、テントの外へ。さらに荷物も全部外へ出すと、テントを持ち上げ逆さまにして蟻を追い出した。何度かバタバタと揺らして中を確認すると、ようやくいなくなった。しかし、あれだけの数の蟻に囲まれながら寝ていたのか、想像すると全身が痒くなった。その日から食べたコーンの缶詰は必ず、テントの外に出してから寝るようにした。

2.熊の恐怖に怯えながら[カナダ]

キャンプ場
こんな雰囲気のあるキャンプ場も

どこまでも広がる森、天高く聳え立つ山々、美しい川と湖、ワイルドな野生動物など自然が豊かなカナダ。僕はカナディアンロッキー地方をバイクで走ったが、宿泊のほとんどがキャンプだった。旅行者がキャンプをするのは一般的でいろんな場所にキャンプ場があった。その内容も最低限の設備だけの簡素なところからプール付きの豪華版まで、予算とスタイルに合わせて選択できるようになっていた。

そんなカナダで印象に残っているのが野生の熊。カナダは熊が多く、バイクで走りながら道端などで何度も見かけた。さらにキャンプ場に入ろうとしたらゲートが閉まっていて「いま、キャンプ場に熊がいるので入れません!」と断れたこともあった。それだけ熊が多いということなのだが、カナダ人は熊の生息域に人間が来ているので、そこに熊がいるのは当たり前という感覚のようだった。

カナディアンロッキー
カナディアンロッキーの自然風景

キャンプ場もその辺の対策は厳しく、テント内で食事をするとテントの生地に食べ物の匂いが付き、熊が寄ってくるので、テント中の食事は厳禁。当然、食料類(さらに匂いの強いシャンプーなども)はすべて、別棟にある食糧庫に保管するようになっていた。

そんなある日。夕方から雨続き、宿もないことからキャンプ場でテントを張ることにした。そこまではよかったのだが、困ったことにそのキャンプ場には雨宿りができる場所が全くなかった。インスタントラーメンを食べたいが、テントの中では食べられないし、屋根のある休憩所もない。困った、俺たちはどこでご飯を食べたらいいんだ!? 妻とふたりで頭を抱えた。

しばらく考え、ひらめいた。ふたりで一つの傘に入ってひとりが傘を持ち、ひとりがラーメンをすすればいいじゃないか。これを交代しながら食べる、これはいいアイデアだ。インスタントラーメンを作り食べ始めるが、これが落ち着かない(笑)。それでも食べれるだけで幸せだった。それにしても、まさか、傘を差しながらラーメンを食べることになるとは夢にも思わなかった。こんな体験も熊の多いカナダならでは、忘れられない思い出のひとつとなった。

3.ここはキャンピングカー展示場?[アメリカ]

キャンピングカー
キャンピングカーが車をけん引している

アメリカもキャンプ場は多いが、事情はちょっと違っていた。国立公園や湖、海岸などのキャンプ場は家族連れが多く、サマーホリデーを楽しんでいる雰囲気なのだが、町の近くにあるキャンプ場になるとガラッと変わる。家族連れの姿は少なく、観光バスサイズのキャンピングカーに乗るリアタイヤ老夫婦がほとんどになる。アメリカはリタイヤした夫婦が家を売ったお金でキャンピングカーを購入、夏は涼しいアラスカへ、冬は暖かいアリゾナへと移動しながら、キャンプ場で老後生活をしている人が結構いるのだ。これは日本ではちょっと考えられないスタイル、この文化はとても興味深かった。

そんなアメリカ文化の象徴的だったのがニューメキシコ州のキャンプ場。都市にある全米チェーンのキャンプ場へ行き、受付で手続きを済ませてサイトへ入って行くと「ここは駐車場か!?」と突っ込みを入れた。それは大型の高級感キャンピングカーがズラッと無機質に並んでいたからだ。どう見てもキャンピングカー展示場。そんな中に僕たちの小さなテントがひとつポツン。その姿は何とも場違いで、滑稽な風景だった。

アメリカ
アメリカはチェーン店が多かった

共同のトイレやシャワーへ行くが誰もいない、たくさんキャンピングカーがとまっているのに、どういうわけか人の気配はほとんどなく、怖いくらい静かだった。「みんな車を止めたまま、どこかに出かけているのかなぁ?」そんな風に思っていた。ところが夕暮れと共にキャンピングカー内の照明が点いたのでビックリ。あっちもこっちも、みんな明かりがついた。「えーーっ、人がいたの?」妻と一緒に目を白黒させた。みんなアウトドアを楽しみ来たわけではないので、車の中で過ごしていたのだ。車内を見るとテレビを見ながらお茶を飲んでいる。日本のキャンプ場とは全く違う世界。それはもう完全に住宅地の窓に映る光景だった。ところ変わればキャンプ場も変わることを実感した。

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