BBB MAGAZINE

  • 藤原かんいち電動バイク世界一周 夢大陸オーストラリア編

    2008.11.24 / Vol.36

    「ケープヨーク到着」

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    藤原かんいち

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    藤原かんいち

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    モトラ

VOL.36 「ケープヨーク到着」[夢大陸オーストラリア - 番外編 -]

翌朝。
僕とモトラはジャデリンリバーから約40kmの地点にいた。
昨晩中にバマガへ着きたかったが、途中でヘッドライトが壊れてしまったので、適当なところにテントを張ったのだ。

Tシャツはもうボロボロ
ケープヨークまであと少し、Tシャツはもうボロボロ

昨晩、バマガに着いていい距離を走っているのに、それらしき町が現れなかった。もしかしたら無灯だったので、暗くて町の入口を見逃したのかもしれない。いやそんなことはない、もう少し先だ。 両方の思いが交錯してどうしたらいいのか分からなくなっていた。自由に探せるのなら何の問題もないのだが、残りのガソリン量では10kmも走れない。ヘタに動けない状態に陥ってしまったのだ。
こんなときは地元の人に尋ねるのが一番なのだが、夜が明けてから3時間以上経ったがカンガルー一匹通らないのだ。
道端で車が来るのを待っていると、近くの草むらで何かがガサガサと動いた。何かと思い覗き込むとトカゲがケンカをしていた。
お互いがお腹を大きく膨らませにらみ合っている。息をのんで見守っていると、突然一方が相手の首に激しく噛みついた。これで勝負ありかと思ったら、すぐにまた離れてしまった。どうなるのか興味津々で見ていたが、結局、噛まれた方が相手のスキを突いて逃げてしまった。
トカゲのケンカを見たのは始めて、一体何が原因だったのか分からないが、スケールが大きな世界の中でも、小さな戦いが存在していることが不思議で、とても新鮮だった。
そんな感傷に浸っているところにようやく車が現れた。待ってました。手を大きく振りドライバーにバマガを聞くと、北の方向を指さした。やはりまだ先だったのか、戻らないで良かった。

ついにケープヨークに辿り着いたぞ!

ケープヨーク
ここが正真正銘のケープヨークだ

お礼を告げ、ハンドルを北へ向けると7kmでバマガに到着した。ガソリンの残量はギリギリだった。
まずはガソリンスタンド、給油機の前でバイクを止めると出てきたのはアボリジニだった。こんなこと始めてだ。周りの友だちとモトラを指さし、楽しそうに笑っている。いい雰囲気だ。
次に入ったストアの店員も同じくアボリジニ。どうやらここはアボリジニの町らしい。こんな風に普通に働いているアボリジニに会うのは初めて、みんなイキイキ働いている。
歴史的背景もあるのだろうが、これまでに会った町のアボリジニはみんな生気がなく、うつむき加減の人が多かった。しかし、ここの人達はみんな目がキラキラ輝いている。これが人間の本来の姿なのだ。みんなと接しているだけで嬉しい気分になった。
久しぶりに人が作った食べ物で腹ごしらえをして、最北端ケープヨークへ向かう。ここまで来たら岬は目と鼻の先。楽勝だろうと軽い気持ちで走り出したら、これまで以上に砂が深くなり、ローギアにしてもビクリとも動かなくなってしまった。
マジかよ...。足で漕ぎながら前進。滝のような汗を噴き出しながらゆっくり進む。最後までこれだからな...汗を拭い溜息をついた。
最後の難関、深砂を越えると、ついに、夢に見た場所。ケープヨークの透き通った青い海と白い砂浜が目に飛び込んできた。
あれが、あれが、ケープヨークか。
「やったーっ! ついにケープヨークに辿り着いたぞ! 見たか、50ccバイクでここまで来たんだぞ! やった、やったぞ!」
僕は大声で叫びながら白いビーチを走り回った。その風景は日本にいるとき憧れ続けていた、楽園のような風景だった。そのままモトラで海にダイブしたいくらい、逆立ちで世界一周したいくらい、最高に幸せな気分だった。

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