BBB MAGAZINE

  • 藤原かんいち電動バイク世界一周 夢大陸オーストラリア編

    2008.11.24 / Vol.27

    「大自然のサファリパーク!?」

CREDIT

    • 人型
    • メモ

    藤原かんいち

    • カメラ

    藤原かんいち

    • バイク

    モトラ

VOL.27 「大自然のサファリパーク!?」[夢大陸オーストラリア - 番外編 -]

この辺りは彼らのような人がたくさん住んでいるらしく、砂の道には裸足の足跡が無数に残っていた。

草木の背が高くなる
北部に来るほど草木の背が高くなる。これくらいの砂ならば快適に走れる

家らしきものは見当たらないが、おそらく所々にこんもりとした土山とブッシュの枝を集めたところが彼らの住居だろう。僕を見つけるとみんな明るく手を振ってくれるのが嬉しい。 進むに連れて路上の砂は増え、蛇のようにクネクネとしたカーブが多くなった。周りが僕の背より高い木ばかりになったので、見通しが効かなくない。
道幅は一車線分、対向車が来ることを考えながら走っていたが、途中でそれは余計な心配であることが分かった。なぜなら砂の路面に最近できたと思われる車の轍がひとつもなかったからだ。
しかし、言い換えればそれだけ危険な奥地にいるということ、身を引き締めてハンドルを握った。
しばらくするとあれほどたくさんあった人間の足跡は姿を消し、牛の足跡が道を埋め尽くした。飼い牛なのか野良牛なのか分からないがもの凄い数の牛がウロウロしている。
大抵はバイクの姿を見つけると逃げて行くのだが、道の真ん中にドッシリと横たわり動かない牛もいる。何とか動いてもらおうとホーンを鳴らしたり、エンジン音を唸らせたりするが、それがどうした? という感じで微動だにしない。
それどころかドッシリと重い目つきで僕を見据え、鼻で笑っている感まである。
仕方なく牛たちの気持ちを逆立てないよう、背中の方をそっと通り抜けて行くが、冷や汗タラタラだ。まるでサファリパークの中をバイクで走っているようだ。メチャクチャ怖い。
すぐ目の前を突然カンガルーがピョンピョン跳ねていったのでドキリ。相手が象やライオンだったら小便をチビっていただろう、アハハハハ...。

ブッシュにテントの朝

お世話をしてくれた親子
ラジャマヌでシャワーと食事のお世話をしてくれた親子

テントに当たる陽射しで目を覚ました。朝だというのにテントの中が暑さで蒸れてサウナのようだ。10月、オーストラリアは確実に夏に向かっている。
暑さに耐えきれずテントを抜け出すと、車が通らない平らな道の上にテントを大きく広げ、悠々と畳んだ。この自由さが何とも気持ちいい。これがオーストラリアの魅力。
出発の前にまずオイル量をチェック。特に減っていないようなのでホッとする。漏れはないようだ。続けてキックスターターを蹴る。
「タタタタタタタタ...」
一発で目を覚ました。まるで一昨日のことがウソのような、軽快な排気音がブッシュに響く。これが焼き付いたエンジン? さすがホンダのエンジンだ。
これでまた今日もモトラと一緒に旅が続けられる。それだけで幸せな気分になった。
道は昨日と比べると至って単調。緩やかなアップダウンがあるもののほとんど直線ばかり。ブッシュの切れ間から見え隠れするブッシュの地平線が感動するくらいきれいだ。
大きなウォータータンクの塔が見えてくる。どうやらこの先にラジャマヌの町(というか集落)があるらしい。着くとここもウインダム同様にアボリジニの町だった。珍しく歩いている白人男性がいたのでガソリンスタンドの場所を尋ねると、今日は日曜日なので休みだと教えてくれた。せっかくスタンドで何か飲もうと思っていたのに残念だ。

飲んで行きなよ

僕のガッカリしている様子を見かねたのか、その人がコーヒーでも飲んで行きなよといって家に招待してくれた。
そこで驚いた話を聞いた。つい3,4日前、今日僕が走ってきたルートを別の日本人ライダーが走って来たと言うからだ。まさか一本だけヒョロヒョロと頼りなく伸びていたあの轍が日本人のものだったとは思わなかった...世界は狭いな。
男性の家ではさらにシャワーやランチまで、ちょっとお邪魔のつもりがすっかりお世話になってしまった。
ラジャマヌを出ると道幅が倍に広がり、さらに走りやすい道になった。時々車も走っているのでだいぶ安心感がある。
100kmの道のりを半日がかりで走り切り、久しぶりに舗装路に出た。たまに走ると舗装のありがたみが分かる。少し離れたカルカリンジへ行き、ハンバーガーやらポテトやらレモネードやらをガツガツ食べる。久しぶりにお金を払って飯を食うと格別にうまかった。自分お金だと遠慮なく食べられるからな。アハハハハ...。

人気コンテンツ